とりあえず勉強させよう、それも自力で

「家であまりにも勉強しないので、
 とりあえず塾に行かせてました。」
 
成績を何とかしたいということで相談に乗ると、
かなりの確率で、お母さんがこういう言葉を口にします。
 
でも、たいていの場合、成績は上がらないんですよ。
だから、相談にいらっしゃるわけですが…。
 
 
塾に行くことで、いい先生に出逢えたり、
「やればできる」という自信が付いたり、
何らか「やろう!」と思えるきっかけが手に入ったら、
それはとても素敵なこと!
 
ですが・・・
 
なかなかそうはなりません。
 
 
いや、そもそも、です。
 
 
「とりあえず塾」に行って、
与えられたテキストを機械的にこなして、
それで学習時間が増えたことで、
成績が伸びたとして…
 
それって素敵なことですか?
 
だって、本人は何も変わっていないんですよ!
 
例えば、劇的に成績が上がって・・・
 
幸運にも希望の高校とか大学に合格したとして・・・
 
それでどうなる?
 
社会に出るって、そんな簡単なことではありませんよね?
 
社会に出ても、何かをやり遂げる力がなくって、、、
 
何かを成し遂げるために努力する力もなくって、、、
 
脳に汗して自分なりに工夫して成果を上げた経験なくして、、、
 
さて?
 
 
今や表舞台から姿を隠していらっしゃる島田紳助さんが、
吉本総合芸能学院の特別講義で、
こんなことを語っていらっしゃいます。

誰でも頑張って「5の努力」をすれば、「5の筋力」を得ることができます。
それを得ることができたら、この世界が駄目でも、他の世界で絶対成功できます。

── 「自己プロデュース力」(島田紳助著) P.103

そう。
 
子ども達に、何か無理矢理押しつけて
何らかの「結果」を手に入れさせたとしても、
子どもの未来を保証することには、
まったくなりません。
 
「とりあえず勉強」でいいから、
自分のアタマでやり方を考え、やり方を工夫して、
死にものぐるいで、自分なりの結果を手に入れること。

ひょっとすると、無駄な努力になって、
あまり成績が上がらないかも知れません。
 
いやいやでも塾に行った方が、
まだ成績が上がったかも知れません。
 
でも、求める最高の成果につながらなかったとしても、
そこで手に入れた「努力する力」、
紳助氏の語る「筋力」が手に入ります。
 
そして、それこそが、
というより、その筋力だけが、
自分の才能が花開く場所と出逢えたときに、
最高の成果として結実することを保証してくれるのです。
 
塾でメッキのようにつけた点数には、
そのような力がありません。
 
 
だから!
 
勉強に対してやる気を見せない子どもに対して、
親がするべきは「勉強しなさい!」と煽ることではなく、
無理矢理塾に行かせることでもありません。
 
勉強でも、趣味でも、何らか自分の意志で取り組み、
コツコツ努力できるような、
そんな文化を育むような声かけと
環境作りをしてあげましょう。
 
そんな悠長なことを言ってられない状況だよ!
 
という場合は、子どもに努力の仕方、
勉強の仕方を授けてくれるような先生のところに
預けてみましょう。
 
もちろん、その前に「勉強しなさい!」という言葉を
封印しなければなりませんよ!

「自分でやる」文化を育む上で参考になる本

島田紳助著『自己プロデュース力』

『勉強しない子には「1冊の手帳」を与えよう』(石田勝紀著)

 
『一流の育て方』(ムーギー・キム著)

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この記事を書いた人

フォーカス・リーディング主宰者

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