読むのが苦手な子に、どんな読書をさせたらいい?

こんにちは。読書と学習法のナビゲーター、寺田です。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”icon-mam.gif” name=”とある保護者さん”] 読書が苦手な子に、本を読ませたいんだけど、どうしたらいい? [/speech_bubble]

 
そんなご相談をいただきました。
同じ類いの質問は、いくつかの学習塾の先生方からもいただいたことがあります。
 
読書がいいことだと思っていても、そもそも読まない子にどう読ませたらいいんだろうって話です。
 
これはなかなか難しい問題です。
だって、「読まない」とひと言でいっても、背景やら抱えた問題やら、とにかく原因は多岐にわたります。
 
なので、ここでは「読書が苦手ゆえに読まない」という子のことに限定して、これまでに、ことのばの子ども達にさせてきたこと、そしてアメリカの教育専門雑誌の特集記事の知見から少々、語ってみたいと思います。
 
 
読書が苦手な子って、まずもって読むのがたどたどしいんですね。
 
その状態って、文字をとらえて、音にするので手一杯の状態です。
 
そりゃ、意味は分からないだろうし、読んで楽しいわけがありません
楽しくないものは、やりたくありませんよね?(^^;
 
 
なので、突破口の1つとして、こういう方法をお薦めします。

短いテキストを使って、何度も音読させて、流ちょう(滑らか)に、しかも間違いなく読めるように練習させる。

このとき、次の4項目を記録します。

  • 1.かかる時間を計ること
  • 2.間違えた回数をカウントすること
  • 3.立ち止まった回数をカウントすること(2と合算でもいい)
  • 4.抑揚のレベルを記録すること(観察者の主観でいい)

この方法は、今から5年前、ことのばがまだ小学校1年生くらす限定で開いていた時にやらせていた練習なのですが、同じレベルの読み物(テキスト)を、いくつも用意しておいて、1つが流ちょうに、間違ったりつっかかったりせず、抑揚を付けて読めるようになったら、新しいテキストに移行します。
 
これを繰り返しているうちに、読み方(恐らくは、視野の使い方や、意識の使い方)がうまくなって、初見での流ちょうさが上がっていくのです。
 
これについて、Anne Guerin & Brian Murphyが「Repeated Reading as a Method to Improve Reading Fluency for Struggling Adolescent Readers」という特集記事(International Literacy Association発行 “Journal of Adolescent & Adult Literacy” April 2015)で、こんな風に紹介しています。

The Report of the National Reading Panel established the importance of repeated oral reading practice to fluency instruction for all grade levels. This practice of repeated reading involves the repeated reading of the same passage of text until a degree of fluency is attained.
▼寺田のてきとー訳
国家読解調査委員会(?)は、あらゆる到達度の子ども達への流暢性指導のために、反復音読練習が重要であることをうたっています。この練習は、到達度が一定レベルに到達するまで、同じ文章を何度も反復して音読させるというやり方を採っています。

そして、このトレーニングの効果としては、

音読が流ちょうにできるようになるのと同時に、黙読も上手になる。
理解力も同時に向上する。

まぁ、どんな本を読ませたら良いかとか、
どのレベルまで求めるかってのは、
日本では研究データがありませんので、
判断がつきかねます。
 
ただ、ことのばでは次のような条件で
テキストを選んでいました。

  • 子ども達には「ちょっと難しい」レベルの文章である。
  • それでも、上手な子はすらすら読める。
  • 内容的に、子ども達に「面白い」と思えるものである。

参考にしていただければ幸いです。

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フォーカス・リーディング主宰者

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