読書は学力アップにつながるのか?国語の成績は?─その意外な結果

読書力・読解力

「本をたくさん読む子は成績が・・・」── 【よくない】というデータを示したのもベネッセ教育研究所でしたが、今回は「では、どのような読書であれば学力向上につながるのか?」ということを、明確に、データで示してくれました。
 
結論を言えば

多くの種類の書籍を読む子ほど学力の伸びが大きい

ということです。
 
具体的には、

書籍の種類を「読み物」「自然・科学」「社会・歴史」「生き方」の4種類に分け、学力テストの結果と照合した。(中略)平均偏差値の上昇幅を見ると、1種類の本を読んだ児童は0.3で、4種類は0.9だった。
── 日経新聞 2019.11.25朝刊より

4種類読んだ子の成績の伸びは、1種類の子と較べて3倍。2種類の子と較べても約2倍です!
 
もともとの調査結果はこちらにかなり具体的に紹介されていますので、興味がある方はぜひ覗いてみてください。

おもしろいのは、どの教科の伸びが大きいかってことなのですが、、、
 
さすがに何種類もの本を読めば国語の成績は伸びるんじゃない? だって、学校や塾の先生は「国語力は最終的に読書にかかっている」って言いますからね!
 
でも、それがそうでもないことが判明しておりまして…
 
なんと、1種類だろうが、4種類だろうが、国語の成績はほとんど変わっていないのです!
 
一番伸びが大きいのは社会
 
ということは・・・?
 
単に、ジャンルが広がって知的好奇心が広がっただけで、読む力にはポジティブな影響を与えていない・・・。
 
これは過去のデータ(ただし電子書籍の読書)でも同じ結果が出ており、かなり信憑性は高そうです。というか、問題が根深そうです…。

読書量は「国語」の学力変化にほとんど影響を与えていませんでした。
── 読書が算数の学力に影響?—読書量と学力の関係を考える(2018.12)

ただ、こちらは社会の成績の伸びは小さなものとなっておりまして、何が要因なのかは判断しかねるところ。
 
過去記事でも書いたことなのですが、今の日本の教育は読書ストラテジー(読書法)の指導がないために、本の読み方が自己流になっていること、あるいはストラテジーの指導がないために自分の読書を意識的にモニタリングする機会が少ないことなどが影響しているのではないかと想像しています。

 
なにしろ、ある種の仮説が示されたというか、1つのデータが示されたに過ぎないにせよ、本は読まないより読んだ方がいいけど、読んだからといって国語力が上がるわけじゃないし、どの教科にどう響くかは読んだもの次第だねっていう、なんともカオス感の漂う事態が見えましたよ、と。
 
読書指導者としては、より国語力・読解力の向上につながる読書ストラテジー、あるいはその指導法を開発せねばならないね、ということが分かったってことで、ますます精進したいと決意を新たにしたところでございます。


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