塾や学校の宿題はなぜ効果がないのか? どうしたら効果が上がるのか?

学習法・学習指導

宿題って、親にとっても子どもにとっても面倒くさい存在です。
いや、多分、学校の先生にとっても面倒な存在なんですよ。そもそも宿題って、先生の善意と使命感で出されているものであって、法令上・職務上の義務はないんですから。
 
でも宿題は出されます。
 
しかも、たいていの場合、先生たちはその教育的な効果を考えずに、適当に出します。
 
いや、この表現は正しくない? 上に書いたように「善意と使命感」を持って出すんですから、「出すことは教育的に効果があるはずだ」とは思っているはずです。ただ、その効果を検証したことがなく、何が効果的かも考えたことがないだけなんですよね。
 
そして多くの場合、「昔からこうだった」というようなパターンで宿題が出されます。あるいは、「応用問題を出しておけばいいだろ」という非科学的な安直さで。
 
場合によっては、どう考えても体罰にしかならないような「漢字(あるいは英単語)を50回ずつ書いて来なさい」みたいな例もありますし…。
 
効果の上がらない宿題は、教育的にはネガティブな効果しかありません。
 
やって楽しくないので、いやいややる。いやいややるから効果も上がらない。やりたいことをやる時間が奪われる。やりたいことを我慢してやったのに、達成感とか分かる喜びもない…。
 
その結果生まれるのは「勉強嫌い」です。もう最悪ですね。

習熟にはステップを一段一段上がる必要がある

そもそも学習の習熟度は、記憶⇒理解⇒応用といったステップアップであったり、単純から複雑に向かうレベルアップであったり、前のレベルを十分にこなした上で次に進むというプロセスが必要です。そして、最終段階では、十分にやり方を理解・記憶し、問題に当てはめて考え、自分の力で解決(解答)していく力を手に入れていなければなりません。
 
「問題解いて答え合わせをして、間違えた問題はやり直しておきなさい」
 
という作業の指令では、そのような学習効果の上がる学習は生まれません。

  • 1.生徒が能動的に問題に挑み、自分で何が理解でき、何が理解できていないのかが分かる。
  • 2.十分に問題の意味と意図をつかみ、解き方を見いだし、解く。
  • 3.間違えていたら、どうして間違えたのか、どうしたら正解できるのかを考え、正解に至る解き方を理解する。
  • 4.あらためてその問題、あるいは同様の問題にチャレンジし、間違いを糧にできているか確認する。
  • 5.同じレベルの問題に反復して取り組み、十分に習熟したら次のレベルに進む。

 
こういったプロセスを体験できるように、授業から宿題への接続をデザインしなければならないはずなんですね。
 
そして、その前提として次のようなことも、先生は理解しておかなければなりません。

  • A.効果的な学習(理解、記憶)の方法
  • B.効果的な学習のステップ(入力⇒出力、基礎⇒応用)
  • C.生徒が自分の状況を把握し、少しずつステップアップできるような仕組み

そういう基本的なことを理解せずに、なんとなく「今までもこうだった」というお役所仕事的前例踏襲主義の宿題が招くのは、効果の上がらない間違った学習習慣の形成(社会人になってもこれにとらわれている人が多すぎる!)と勉強嫌いの増加だけだってこと、理解して欲しいものです。
 
とはいっても、先生が出す宿題は変わらないでしょうから、それをうける生徒と家庭が自衛策をとらなければなりません。

どうしたら宿題を効果的なものにできる?

先生が何の考えもなく出した宿題を効果的なものにするために、どういう自衛策が考えられるかということを簡単に解説してみましょう。

1.効果的な学習法を知る

漢字や社会科の用語のような「記憶」が求められるものであれば、効果的な憶え方を知りましょう。

参考になる記事

ことのばLINE@の登録プレゼントでお届けしている「自律学習虎の巻」にも、中学生向けではありますが、学習の手順とか作法とか説明してありますので、そちらも参考にどうぞ!

2.目的を「宿題をやる」ではなく「学習を完成させる」に置く

「出された宿題を終わらせる」が目的になると、適当に問題を解いて、間違えた問題の答えを写して…みたいな単純作業になってしまいます。
あくまで「宿題に出された単元を、完全に習得する」ことを目的にします。
 
そのために、次のような形で「宿題を中核に据えつつ、勉強を構成する」ようにします。

2-1.宿題の範囲について、理解の状態を確認する。

自分が何を理解できていて、何が理解できていないか確認するのが最初の一歩。
問題集の基本問題を解いて、スムーズに解けるかどうか確認する。
理科や社会であれば、教科書を読んで「書かれていることがどういうことか」を人に説明できる状態か確認する。

2-2.理解できていない部分があれば、理解を補う。

参考書や教科書を読んで、十分理解できるよう努めましょう。それでも分からないものがあれば、先生に質問しておきましょう。もちろん、ネットで探すのも1つの手です!

2-3.基本レベルのスムーズかつ正確な出力を目指す

宿題の問題がすべて終わったから勉強終わり、ではダメですよね。
宿題で出されているレベルの問題であれば、スムーズかつ正確に解けるようになる必要があります。ここで初めて塾の問題集や通信講座のテキスト、市販のテキストの登場です。というより、そのために塾や教材を利用すべきです。

2-4.もし文章問題や記述問題で頓挫したら「前に戻る」

文章問題や記述問題を何回やっても解けるようにならないとしたら、それは前の段階の領域の学習がうまくいっていない可能性があります。
算数の計算だったり、文章読解だったり、、、そういった「基礎力」と言われるものですね。

2-4の参考記事

 
最終的には、宿題が出されなくても塾に通っていなくても、自分で分からない部分を発見して、自分の力でわかり、それを定着させられるだけの力が身につけられるようにしたいところです。
 
これこそが、ことのばの目指す「自律学習」というものの正体でもあるのです。
 
というところで、お子さんの宿題が少しでも価値あるものになりますように!


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  • コメント ( 2 )

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  1. 中野昌子

    まだ小学生ですが、将来的なことを心配しています
    これから塾に通わせたりする前にできることをしておきたいと考えています

    • 寺田 昌嗣

      初めまして。
      小学生低学年の間は親子で本を読んだり、読んだことについて語り合ったり、コミュニケーションを大事になさっていいのではないでしょうか。
      高学年になると、勉強の習慣を作ることも重要ですね。あとは読書をぜひ積極的に幅を広げる方向で。とりわけ、様々なタイプの本(小説、文学、科学、エッセー、漫画などなど)を広く手に取れるような配慮をなさってください。
      ことのばのブログ記事も何かお役に立つかも知れません。気の向くままにどうぞ。
       
      また何かご質問などありましたら、遠慮なくお書き込みください。

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