年が明けて日本列島全体が「受験モード」に突入しようとしています。
大学入試共通テストは、もう来週。
中学校入試も今月下旬、高校入試は来月上旬からスタートでしょうか。
受験校のレベルを1つ上げたい!…にせよ、合格を確かなものにしたい!…にせよ、より実践的な問題での得点力を1点でも高めておきたいところです。
恐らく塾や予備校でも、徹底的に過去問や想定問題集のようなものに取り組ませて“テスト慣れ”させようとしているだろうと思います。
そしてもし、あなたが、あるいはあなたのお子さんが「めちゃくちゃ対策問題やってるのに、イマイチ得点が伸びない」という壁にぶつかっているようなら、ちょっと勉強のやり方を再確認して欲しいんですよ…。
応用問題の「天井」はどこにあるのか?
受験対策だからといって、それっぽい問題集でもって「数をこなす」演習をしたからといって点数が伸びるとは限りません。
自分の点数が伸びていない原因がどこにあるのかを見極めて、残り少ない時間を有効に使う必要があります。
もし、今、「問題演習」⇒「答え合わせ」⇒「間違えた問題の解き直し」という、単なる作業に終始しているようなら、いったんその作業を中止してみてください。闇雲に問題演習に挑むよりも大事なことがあります。
1.間違い整理ノートを作る
SLUM DUNKの全国大会直前、みんなが実践練習に挑む合宿に出掛けているとき桜木君は何をしたか?
── そうです。シュート2万本練習。
そして、その第一歩は「シュートのフォームをビデオに撮影して欠点を確認すること」でした。
それと同じことを、あなたもやる必要があります。
そしてテスト対策の場合、それは「間違い整理ノート作り」です。ノートを作ることで、「点数が伸びていない原因は何か?」を冷静に振り返るところから始めましょう。
どんなノートを作ったらいい?
新しくノートを用意して、入試に向けて取り組んだ実践問題集のうち「間違えた問題」を、もう一度解きます。
前回、どうしてその問題を間違えたのか、どういう考え方が必要だったのかを思い出しながら解いてください。
さらに色ペンを使って解き方のポイントなどを書き込んでいきましょう。
解けたら合格。
解けなかったら…。
まず問題文を写しましょう。そして、問題文中の、“問題を解くために必要な情報”に線を引きます。数学なら数字と関係を表す言葉ですね。その他の教科は臨機応変にどうぞ。
その上で、模範解答を見て解き方、考え方を確認した上で、模範解答を見ないで解き直します。
いずれにせよ、解き方のポイントや手順について、色ペンなどで工夫して書き込みましょう。
2.基本問題・標準問題をやり直す
これは、まさに桜木君がおこなった2万本シュートのような作業。
分かりきっていても、身体が覚えるまで反復するのです。
そして、これは1のノート作りの延長として取り組みます。
1の取り組みの際、一回でスムーズに解けたにせよ、解けなかったにせよ、同じタイプの問題をスムーズに正解できるよう挑戦してみましょう。目標は8問連続正解。一問ごとに答え合わせをします。全問正解になるようにがんばりましょう。
もし万が一、間違ってしまったら「この問題はヤバいヤツや!」と認定して、何か印を付けておきます。
さらに基本問題に戻って丁寧にトレーニング。一問ずつ解いて答え合わせ。連続8問を問題を読んでスムーズに正解できるようになったら終了しましょう。
面倒くさいと思うかも知れませんが、急がば回れ。
実践形式の合宿に行くより、基本のシュート練習2万本です!
3.正しい勉強法を確認する
「今さらかよ!」と思うかも知れませんが、仕上げの今こそ、正しい勉強法の出番です。
こんな勉強をしていませんか?
- 間違えた問題を、答えを見ながら正解を書き写す。
- 答え合わせをした後、すぐに解き直して終わる。
- 難しい言葉を何度も書いて憶える。
- 教科書の大事なところに線を引いて、声に出して読む。
- テキストを何度も読み返す。
こういう間違った勉強で仕上げの勉強をしても、完成度は上がりません。
必ず正しい勉強法を確認して、仕上げに向かいましょう!
具体的には…
- 間違えた問題は、正解を確認した上で、答えを見ないで解き直す。
- 答え合わせをした後に解き直したら、さらに一時間後、3日後に解き直して定着したか確認する。さらに類題を解いて力を定着させる。
- 難しい言葉は、問題を隠して何度も思い出す練習をする。スムーズに思い出せて、時間を置いて五回正解できるまで反復する。
- 大事なところはチェックペンで隠して、隠しながら全体を黙読する。読み直す野ではなく、思い出す方が優先。
こんなやり方です!
受験はちょっと先だけど…というあなたへ
受験はちょっと先だけど、ここに書いてあることに心当たりがある…というようなら、ぜひ今のうちから正しい勉強法を身につけて、コツコツと基礎力から高めておきましょう。
あなたに足りていない力は、問題を解く力ですか? それともそれ以前の基礎力ですか?
例えば、英語で応用が解けず苦戦しているとしたら、そもそも日本語の運用能力に問題を抱えているってこともあるかも知れません。
あるいは単語力が不足しているかも知れません。
数学なら、基本的な計算とか因数分解の基本練習量が足りないのかも知れません。
実際、応用問題に取り組むこと「問題に慣れてきて点数が上がった!」って言える人というのは、基本・標準レベルの問題を十分に質・量ともこなしてきた人だけなんです。
そうじゃない人は、応用問題に取り組むことで時間をロスしてしまうだけの結果となり、効用としてはプラスよりもマイナスの方が大きくなってしまいます。
焦って「テスト慣れ」に挑まず、基礎固めをしっかりとさせましょうね。(^^)