子ども達に難しい問題を、粘り強く考えて解かせる場合。
あるいは、私たち大人が、大きな問題を抱えて、その打開策を一生懸命に考える場合。
だいたいの場合、それはほぼ休むに似たりの状態になっているものです。
本人がどれだけ一生懸命になっていたとしても、ね。(^_^;
逆に世の中には、よくそこまで考えが及ぶなぁという人がいます。
- 問題の所在を、モレなく、アナなく丁寧に考える。
- 分析的に思考が深まる。
- 驚くような発想が生まれ、思考が広がる。
考える達人、というべき人が。
その人達は頭がいいのか?
たいてい「頭がいい」と言っていいでしょうね。
ただ、それは先天的な頭の良さではなく、「頭の使い方を知っている」という意味での頭の良さです。
では、そういう人の頭の使い方、考え方にはどういう特徴があるのか?
それは目と手を使って考えているってことなんです。
例えば計算する場面を思い浮かべてみてください。
暗算するのは「暗算ができる程度の、簡単な、あるいはやり慣れたレベル」ですよね?
それを越えた計算だと、頭がぐるぐるしてしまって時間がかかる上に、不正確です。
紙に書くだけで驚くほど楽に、スピーディーに、かつ正確に計算できます。
これは計算に限りません。
頭で考えるより、紙に書きながら考えた方が、スピードも上がり、正確さが増し、しかも発想が広がります。
人間の脳みそは同時に何かを考えるのが苦手です。
しかし、その対象が「目の前」にあると、そこを起点にして発想できるため、「つながり」「広がり」を、負荷なく自在に生み出せるんですん。
これを「思考の外化」って言います。
「頭がいいなー」という人は、たいていの場合、こういう「書いて考える」ことを習慣にしてきています。
書くことで、頭の中に生まれた「思考の結晶」をさらに思考・分析の対象にして、正確さと広がりを深める ── そういう経験をしているんですね。
そして、長年書いてきている人は、それを自分流のメソッドに落とし込んでいます。
こんな思考の時はこんなフォーマット(フレーム、記号、矢印、色)・・・というような「型」を持っている人も多いものです。
これまでたくさんの中学生の指導をしてきましたが、成績がいい子はたいていの場合・・・
- ノートの取り方に一工夫ある
- 計算問題にせよ、文章問題にせよ、丁寧に書いて解く習慣がある
という共通の特徴があります。
成績が芳しくない、とりわけ数学が苦手な子は、
- そもそも書いて考えない。頭がでぐるぐる考えてギブアップしている。
- 書いたとしても乱雑で、すぐに紙の上が混乱する。
もちろん、大前提として「解き方」「考え方」を学んでいる必要はありますよね。
- 問題の分解の仕方
- ロジックの展開の仕方
- 複雑な問題の整理の仕方
- 図形問題を解く、糸口の作り方
- 発想を広げる方法
などなど。
でも、そういうメソッドを学んだだけじゃダメ。
手を動かして、目で確認しながら考えていきましょう。
数学の文章問題を解くのが苦手なお子さんにも、これは意識させたいところです!