中3生が、そろそろ進路相談のための「実力考査」に、そわそわしています。
とはいえ、「実力考査のための勉強」ができるのは、ごく一部の生徒さんだけ。
3年生の最初から、着々と勉強をしてきた子は、この時期から出力演習ができますからね。
そうでない子、つまり夏休みからやっと受験勉強に取り組んできたような子たちは、まだ実力考査(模擬試験)のための勉強にはたどり着けない場合がほとんどです。
とはいえ、それで志望校を決める三者面談などをしていくことになりますので、疎かにもできませんよね。
ということで、かつて中学校の進路指導主事を務めたことがあって、現在、教室で学習指導をしている立場から、いくつかアドバイスをば。
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1.最重要課題を見誤るな!
受験する学校を決めるのは12月で問題ないわけで、無駄に実力考査の準備をする必要はありません。
それよりは、むしろ内申点対策として定期テストの学習にエネルギーと時間を注いだ方が得策です。
学校で志望校の相談はするでしょうし、当座の志望校を決めるとは思うのですが、最終的に決めるのは「願書を出す前日」でいいんです。
公立高校であれば、2017年3月8日の入試の志願先変更が2月27日まで可能です。
そこまでにじわじわとテスト対策をしていけば、まったく問題ありません。
でも、内申点は2学期の学期末考査までで完全に決まってしまいますよ。
内申書を作成するのは大抵、冬休み中から3学期始めにかけてですからね。
2.成果を焦るな!
それまで勉強をしていなかった子は、なかなか思ったように点数が伸びません。
特にそれまで間違った勉強法で勉強をしていたり、本を読んでいなかったり、考える練習をしてこなかったり、そういった条件に当てはまる子は。
基礎の基礎からスタートしたとすると、基礎的な勉強が出来上がるのに、たいてい3ヶ月くらいかかります。
そこから「問題を解く」のに慣れるのに、やっぱり同じくらいかかるものです。
そこで焦っても仕方がありません。
でも、真剣に取り組んだ経験は、確実に自分の中に積み上がっていっています。
今は「自分が真剣に取り組み、積み上げた時間」で評価しましょう。
3.点数に一喜一憂するな!
だから、勉強って点数にすぐに表れるものではありません。
いや、今までやっていなかった分、やり始めたらすぐに伸びる部分は確かにあります。
でも、それはすぐに停滞します。
場合によっては、問題が難しかったとか、まだ手を付けていない領域が多かったとか、様々な要因で「点数が下がる」こともありえます。
そこでくさらずに、着々と歩みを進めていくこと。
今まで解けなかった問題が解けるようになっていたり、解くのにかかる時間が短くなっていたり、「答えと解説を読んだら分かる」感覚がつよくなっていたり、そういった部分を評価していきたいところです。
4.テストの後に親・指導者がすべきこと
テストを受けた後に、本人がやるべきことは、たったの2つ。
4-1.すべてのテスト問題を見直す
「解き直す」というよりは「見直す」という作業です。
解けたけど悩んだ問題、まったく解けなかった問題を確認して、どのジャンルが弱いのか、どのタイプの問題、どういうレベルの問題に対処不能になるのかを把握します。
これが何よりも重要。
今後の学習の方針を修正(改良)する材料ですから。
4-2.すべての問題を丁寧に解き直す
次に同じ範囲、同じタイプの問題が出題されたら確実に解けるようになっていなければなりません。
ですから、間違えた問題をクリアできるようになるために、ちゃんとノートを使って丁寧に解き直させておきましょう。
まずは模範解答を見て、何を基礎・基本として知っていなければならないのか、どんなテクニックがあれば楽に解けるのか、そんなことを確認します。
その上で、自分の力で解き直します。
ついでに、同じ範囲の応用問題も解けるかどうか試してみるといいですね。
5.ということで結論
中学3年生の秋の校外模試、実力考査は、自分の勉強の「手応え」を確認し、今後のやり方の調整をするためのきっかけに過ぎません。
親も先生も本人も、点数が上がったの下がったのといった表面的な数字に惑わされず、一喜一憂せず、まっすぐに受験本番を目指して進んでいきましょう!