小中学生のためのロジカル思考講座(1)

こんばんは。読書とナビゲーターの寺田です。
 
日本の学力の問題として
スーパー重要でありながら
完全に置き去りにされているものが
2つあります。
 
その1つが「読書教育」。
もう1つが「論理教育」です。
 
・・・と私は考えているわけです。はい。
 
読書教育の不在については、ことあるごとに
こちらのブログで書いてきましたが、
論理思考に関する教育も一切ありません。
 
いや、数学が論理思考を鍛える
教科だったはずですが、
数学の先生自身が、

「自分の教えている教科は論理を鍛えるものだ」

という意識がほとんどないように見えます。
 
実際、数学を6年間学んですら、
論理的思考がまったく身についていない
大人も多いわけで…。
 
あなたご自身はいかがでしょうか?
 
中学校で学ぶ基本的な証明問題など、
格好の論理思考教材なはずですが、
生徒さんたちは基本パターンをひたすら
暗記で乗り切ろうとします。
 
これは本当にもったいないことでして…

論理的思考ができないとどうなる?

高校や大学の受験くらいなら、
まぁ暗記でも乗り切れますよね。
 
それで乗り切れないレベルの大学には
合格できないってだけで。
 
でも、現実問題としてロジカルに考えられないと、
世の中に溢れる、互いに矛盾した主張を
比較して検討できなかったり、
フェイクと欺瞞満載の情報に
煽られてしまったり、
困ったことが起こります。
 
発信者の立場に立つと、伝えたい人に
適切に主張を伝えられないってことも
ありますよね。

論理的思考ができるようになると…?

逆にこれが身につくと、
妙な情報に煽られなくなりますし、
理路整然と判断できることで、
より正しい判断ができるようになります。
 
伝えたいことを的確に伝える能力も、
実はこの論理思考に裏打ちされるものであり、
今から2300年ほど前に、哲学者アリストテレスは
『弁論術』という書籍の中で、
説得力のあるプレゼンテーションの
中核を成す要素(※)の1つに「ロジック」を挙げてます。
(※:エトス・パトス・ロゴスの3つ。ロゴス=ロジック)

こんな授業をやってみた!

今回の授業の企画と指導は、
基本的に、ことのばスタッフの下司に
任せています。
(といっても、2回に1回は私が講師をするのですが)

講師近影(ではなく、あくまでイメージです)
下司くんのイメージ

第一段階:事実と意見の区別

何かを主張して、
それを相手に理解してもらおうと思ったら、
どれだけ相手にとって納得感のある
事実を示すことができるかが問題です。
 
・・・というところで問題が発生するわけです。

「事実」って何?
「意見(主張)」って何?

 
そんな論理の基本中の基本も、
学校では教わりませんよね・・・。(^^;

  • 事実:このラーメンは塩味です。
  • 主張:このラーメンは塩辛い。

まずは、こういうわかりやすい事例からスタート。
では、

  • 彼は頭がいい。

これは意見か?事実か?
 
分かっている人にはなんてことのない話ですが、
学んだことがない人には難しく感じる部分。
 
こういう基本的な「論理の基礎・基本」から
丁寧に学んでいきます。

第二段階:三角ロジック

主張(意見)と事実の区別を付けられたら、
事実を踏まえて主張する練習をします。
 
もちろん、いきなりそんなロジカルな主張が
できるわけがありません。
 
ですから、まずはロジックが壊れた(不完全な)
主張のどこが問題かを指摘させます。
 
例えばこんなの。

こういう例をいくつも考えながら、
少しずつ

「論理的な主張」⇔「非論理的な主張」

を体得していきます。
 
ま、実際にはそんなに簡単な話ではないわけですが。

第三段階:ロジカルに主張してみる

最後は宿題として子どもたちに
次のような作文を書いてくるように
指示しています。

お父さん、お母さんに
「お小遣いを上げてください」
とお願いしたいと思います。
この主張を説得力のあるロジックとして
完成させてください。

大人のあなたは、どういうロジックを
組み立てるでしょうか?(^^)

今後の論理思考講座の展開は…

今月の3回の講座では、この三角ロジックの
完成度を高めていき、説得力のある文章を
書けるように指導していきたいと考えています。
 
来月は三段論法、それに続いて命題の逆・裏・対偶や
推論、類推解釈、拡大解釈などに触れながら、
身近な問題をロジカルに考えさせたいと考えています。
 
最終的には、

暗記教科と呼ばれる社会科を含めた、あらゆる教科(学問)を論理的に学べる頭を手に入れる!

ことを目指して授業をデザインしていきたいと
考えています。
 
これこそが、ことのばの理想とする、

自分の力で課題を発見し、
 自分の力で学び、課題を克服していく力

すなわち

サバイバル能力

のベースを作るものだと考えています。
 
また、来週続報をお届けしますね!


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この記事を書いた人

フォーカス・リーディング主宰者

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