学校教育から学ぶ、大人の読書の価値を高めるデザイン発想と4つの仕組み

昨日、ビジネス速読術フォーカス・リーディング」の
3日間集中講座が終了しました。
 
みなさん、それぞれに何らかの「学びの目標」があって
遠路はるばる受講しにいらっしゃっています。

7名の受講者がいらっしゃったのですが、
佐賀、広島、愛知、石川、東京、栃木、高知と、
全員が福岡県外からいらっしゃってます。

せっかく時間とお金を投じて学んでいただくわけです。
単に「速読をマスターしました」で終わってはもったいない。
 
ちゃんと1年後、3年後に
 
「あのとき、速読と学び方を学んだおかげで変わったな」
 
と思える、確かなリターンを手に入れていただきたいと
強く思っています。

そしてそのために、私が速読講座で、
速読技術をお伝えするのと同じくらいに大事にしているのが、
 
「成長と読書のデザインを描くことの重要性」
 
をお伝えすること。
 
これがないと、速読技術が、というか読書そのもの
自己満足で終わってしまうんです。

[toc]

社会人の学びは「身につかない」ようになっている

社会人の学びはどうしても散発的、刹那的になりがちです。
 
だから、一生懸命に本を読んでも、
セミナーに参加しても、「何か」はできるようになっても、
それが「自分自身、そのもの」のステージを上げるような
力になっていきにくいんですね。
 
散発的、刹那的な学びをいくら繰り返しても、
残念ながら身につきません。

学びに「デザイン」を持つ

逆にそこに1つの確固たる軸があり、
長期展望でゴールを明確に描いた上で学んでいる人は、
やはり大きなことを成し遂げていらっしゃいます。
 
方法は多読でもいいし、熟読でもいいんです。
セミナーでもいいし、読書会でもいい。
 
ブログでアウトプットしてもいいし、マインドマップを描いてもいい。
 
手段・ツールはどうでもいいんですね。実際。
 
問題は、それらに明確な方向性を与え、
積み上がっていくようなプロセス
をデザインできているかどうか。
 
未来の自分に必要な知識、教養、スキル、人格などを、
その構成パーツを具体的にしながらリアルに描いているか?
 
そして、そのパーツパーツを手に入れるための
中期長期の学習のプラン、実践行動のプランが
描けているかどうか?
 
そんな発想が必要なのです。

「デザイン不在の学び」の問題点

学びにデザインがなく、
散発的、刹那的なのがなぜ悪いかと言えば、
投資した時間やエネルギーに対して効果が低いからです。
 
例えば「本を読んだ」とします。
 
1回読んだだけで、新しい知識や考え方が
自分のものになるでしょうか?
 
学生時代までの学習を考えてみてください。
 
一度、先生の話を聞いたり、教科書を読んだりして
すべてを自分のモノにできた経験がありますか?
 
それがないのに、読書は1回読めばいいと思っているのは
何を根拠としているのでしょう?
 
数学や英語の授業を思い出してみてください。

  • 1.説明を聞いた後に、基礎から応用まで演習を繰り返すこと。
  • 2.定期的に実力をチェックし、課題を明らかにすること。
  • 3.ある程度のスパンで復習をすること。
  • 4.単元どうしが相互に関連し、発展的に学べること。

そういう仕組みが用意されていたから、
ある程度、本人は目の前に差し出されたものを
半強制的にこなすだけであっても、
学んだことが身になっていたはずなんですね。

学校教育から学ぶべき4つの仕組み

実は「本人が意識していなくても成長できる」というのは
すごく重要なんですよ。
 
つまりこれは「仕組み」として完成されているってこと。
 
逆に、本人がどれだけモチベーション高く学んだとしても、
この仕組みがないと、成長は難しいんです。
 
デザインの話とずれたものに感じるかも知れませんが、
上に挙げた4つのポイントを順に説明してみましょう。

1.説明を聞いた後に、基礎から応用まで演習を繰り返す

これまでにもUプロセスで解説してきたとおり、
学びは入力から出力まで4つのフェーズを
通過していく必要があります。
U-process-reading
Uの右上を越えたところまでを、
最初からプランに入れてデザインしておかないと、
「読んだだけで満足・終了」という自己満足で終わってしまいます。

2.定期的に実力をチェックし、課題を明らかにする

学ぶ時は最初にクリアしたい課題を
SMART原則に従って書いておきましょう。

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そして、それを2-3ヶ月おきに到達度、熟達レベルをチェックしながら、
「さらに何を、どう学ぶべきか」という課題を明確にするのです。
 
ブログを書いている人は、半年前、1年前の記事と
現在の記事を読み比べてみてください。
 
「具体的に○○の力が付いた」とか、
「論理構成がスマートになってきた」とか、
そんなリアルな成果・成長がありますか?
 
学びはすべて成果と成長で明確に計れなければなりません。
 
その場の高揚感とか満足感とか、
そういう目を曇らせる要素をすべて捨て去って
具体的な成果、成長をしっかりと計ってみる必要があるのです。

3.ある程度のスパンで復習をする

何か知識にせよ、スキルにせよ「身についた」と
思ったとします。
 
しかし、それが半年、1年経過したときに、
本当に自分の血肉となり文化となって活きているか
チェックしてみる必要があります。
 
そして身についていない、薄れていると感じたら、
復習をしなければなりませんね。
 
日常的に使っているスキルであれば、
それほど問題ないかも知れません。
 
知識であれば、本を1年に1回読み直すなど、
何かしら復習の仕組みが必要ですね。

4.単元どうしが相互に関連し、発展的に学べる

自分の目指す「理想の自分」への道を描き、
そこに必要な要素を少しずつ学び、実践に落とし込んでいきます。
 
その時、少なくとも1-3年の視野で、
前に学んだことが、今の学びにつながるような、
今の学びが次の学びにつながるような、
そういう学び方をしたいところです。
 
それは一気にハイレベルなことを学ばず、
スモールステップで学ぶということでもありますし、
中心となる軸につながるように、
いろいろなジャンルの学びを配置していくということでもあります。

実はすごい!学校の「学びの仕組み」

学校には、様々な矛盾をはらみながらも、
長い年月を経て洗練されてきた教育システムがあります。
 
そこには、社会人である私たちが学ぶべき点が
たくさんあるんですね。
 
上記の4つの仕組みのベースとなっているのが、
教育をマネジメントするという発想であり、
カリキュラムをデザインするという発想です。
  
ぜひあなたも、現在の立ち位置と、目指す方向を
しっかりと見定めた上で学びを積み重ね、
それが定着していくように振り返る機会を用意してみてください!

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この記事を書いた人

フォーカス・リーディング主宰者

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