N高等学校+代ゼミNスクールという妄想(もしくはà la carteな学びについて)

四方山話・コラム

今週半ばの日経新聞に
カドカワ代ゼミ
タッグを組んで予備校をオープンするという
小さな記事が掲載されました。(2016.01.14)
 
もともとカドカワは
インターネットで学ぶ通信制高校
 
N高等学校
 
の開設を今年4月に予定しています。
 
そのN高等学校は、
様々なジャンルの企業との
コラボを打ち出しています。
 
その1つとして代ゼミとの提携が決まり、
N高等学校の学生さんの
卒業後・浪人時代の面倒を見ましょう、と。
 
ネットでの動画配信や
双方向コミュニケーション、
そしてオンライン決済が容易になり、
私たちの「学びのチャンス」は
これまでにないくらい広がっています。
 
世界的な潮流と言われている(ていた?)
MOOCMassive Open Online Courses
もその1つでしょう。
 
今回の
 
カドカワ+代ゼミ
 ⇒代ゼミNスクール
 
も、教育産業教育テクノロジーが向かいつつある
1つの方向性を象徴する
ニュースに過ぎません。
 
ネット予備校とかモバ予備なんてものも、
10年くらい前からありましたし。
 
※ちなみに代ゼミNスクールは
 対面の授業も受けられるそうです。
 
 
でも、教育ってそんなもんでしたっけ?
 
 
「今の私に足りないピースをください」
  
オンラインで提供される教育サービスは、
そんな人生の端々で生まれる
多様で、断片的なニーズに応えてくれます。
 
でも、それは教育的サービスではあっても、
教育ではありません。
 
そんなものが「高校」「予備校」としての
役割を果たしうるというのは、
それは、教育というものへの理解を欠いた
ある種の妄想に過ぎないのです。
 
 
それを学ぶことで、
どんな人生を手に入れたいのか?
 
オンラインで提供させる
アラカルト的教材で学ぶというのは、
そんな、学びの大局的なデザインを
その人が持っているということが前提です。
 
 
でも、「高校」って、
これからどういう生き方をしていこう、
どんな大人になろう、
どんな形で社会に関わっていこう、
そんな人生に悩み、
友達と語らい、
少しずつ手に入れたい未来を
描いていく時期です。
 
「未来の私にどんなピースが必要か
 考える時間をください」

 
高校・予備校で一番大切なのは、
そんなデザインを描く動機とヒントを
手に入れることなんです。
 
 
確かに、今のリアルな高校だって
ほとんど受験予備校状態。
 
先生にプロの教育者という意識があるとも、
人生の大局観を描かせる授業をしているとも
まったく思いません。
 
それでも、身近にいるナマの大人の、
その人なりの人生観、
生きることの葛藤、
プロとしての姿(反面教師も含め)、
教育者としての熱い想い…
そんなものに触れ、
その熱感にあてられることって
とても貴重な体験です。
 
そして同世代の仲間たちと
いいことも悪いことも
すべてひっくるめて集団で過ごすこと、
行事を一緒に創り上げること、
掃除など「みんな」のために汗をかくこと。
 
そういうったリアルな人達との
リアルで、ゆるく、タイトなつながりの中で
学び、成長する熱をもらい、
人生のデザインを少しずつ描き、
仲間の中で生かされている自分を
見つめることができますからね。
 
 
そこをかっ飛ばして、
アラカルト的に誰かが用意した
パズルのピースを一生懸命に並べていっても
人生の大きな画は完成しませんよ。 
  
人との関わりの中で
自分らしい生き方と、
人としてのあり方とを
どう定めていくのか。 
 
どんなパーツを使って、
どんな一枚の大きな画を描くのか。
  
愛知県美術館:人物写真を使って描かれた、ゴッホの『種まく人』(印象派を超えて 点描の画家たち) - 2
愛知県美術館:人物写真を使って描かれた、ゴッホの『種まく人』(印象派を超えて 点描の画家たち) – 2 posted by (C)kyu3
 
人生って、この写真のような、
印象派の点描にも似たものかも知れません。
 
どんな画を描こうか。
 
まずはそこでしょ?
 
デザインが描ければ、
足りないパーツなんて、
いつでもどこでも補えます。
 
そんな時にこそ、
いまどきの教育サービスが
最高に役に立ちます。
 
 
 
大きな熱量に触れて
人生に迷いが生じるような出会いとか、
 
長く、ゆっくりと
走り続けていくモチベーションを
与えてくれる仲間とか、
 
そういったものを、
人生の大きな画を描きつつある若者達の
そばにいる私たち大人が
上手に仕組んでやりたいものです。

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