なぜ?「協力する力」が国際的テストで測られるワケ

四方山話・コラム

こんにちは。読書と学習法のナビゲーター、寺田です。
 
11月頃だったでしょうか。「協同問題解決能力調査」というものがOECD主催で、世界52カ国でおこなわれました。
これは、よく話題にのぼる「PISA」の2015年のテストで、「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」に加えて、革新分野として導入されたもの。
 
パソコン上で仮想の人物と、チャットのやりとりをしながら、他者と協力し、グループで問題解決へ向かう能力や姿勢をテストする…というものだそうです。
 
なんで、そんなよく分からないスキルがテストされるの?と、いぶかしく思った人も多いと思うのですが、これは21世紀型スキルと呼ばれるものから生まれた発想だと考えられます。従来の知識(学力)を中心としたハードスキルに対して、「効果的なコミュニケーション、創造力、分析力、柔軟性、問題解決力、チームビルディング、傾聴力等の、他者と触れ合う際に影響を与える一連の能力」をソフトスキルと呼んでいます。
そういう能力が、これからの時代、ますます重要になるよね、と。そういう認識が世界中にあるわけです。
 
日本の国内的には、経産省が「社会人基礎力」として「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力を提唱しており、これも上記に沿ったものだと考えられます。
 
まぁ、何にせよ、これからの時代に求められる力として「他者と協同する力が必要ですよ」というわけです。
 
 
ちなみに、テストの成績が一番よかったのは、シンガポール。日本は、それに次いで2位だったとのこと。
 
テストの名前を聞いただけで、そりゃ、日本的なものの考え方そのものが、他者を気遣い、一緒にやり遂げようという発想だから、高得点になるのも当然じゃない? なんて思ってしまいます。
 
しかし、そのことを手放しで喜んでいいものかどうか、そこは未知数です。
 
確かに協同する意識、態度は必要ですが、それは場合に依っては自己犠牲だったり、主体性のなさだったり、あるいは同調圧力だったり、ネガティブな力として働かないだろうか?なんて、考えてしまいます。
 
だって、日本はそういう「協同」的な力で世界の経済大国になり、それがネガティブに働いて(異端を許さないとか、周囲に気遣い過ぎるとか…)経済的に転落していったとも考えられるわけですから。
 
何事にも、ポジティブな面とネガティブな面とが表裏一体のものとして存在します。
 
今回のテストで分かったのは、「そういう特性が日本人の子ども達にはある」ということに過ぎません。別にそれが「すごい」と喜ぶ必要はなく、ではその特性を社会で活かすにはどのような教育が必要になるのだろうか? その特性がネガティブな方向に表れないようにするためには、どのような教育が必要になるのだろうか? ── そんなことを考える、1つのきっかけあるいは指標を手に入れたと考えるべきでしょう。
 
とはいえ、そのような考え方、態度は絶対的に必要なものであることは確かです。日本人の、こんな「よさ」がもっと社会生活、経済社会の中で生かされるような教育を考えていきたいものです。

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