子どもの学力の鍵を握る2つのコミュニケーション力

こんにちは。読書と学習法のナビゲーター、寺田です。
 
あなたのお子さんは、
勉強したら、がんばった分、
ちゃんと成績が上がっていますか?
 
塾に通っているのに
成績が上がらないとか、
 
そもそも、勉強が分かってないとか、
 
そういう問題を抱えているなら、
今日のこの記事はお役に立つかも
知れません。

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「勉強しても成果が上がらない!」の2つの原因

「ことのば」には、本当に様々な
学習上の悩みを抱えた親子が
相談にいらっしゃいます。
 
一種の学習障害ということもありますし、
勉強のやり方が分かっていないだけ
ということもあります。
 
その深刻度も状況も様々ですが、

「勉強の成果が上がらない」

という問題の原因は、
次の2つのコミュニケーション力
求めることが可能だと
最近考えるようになりました。
 
つまり、この2つのコミュニケーション力
整える方向で相談に乗り、指導をしたら、
大抵の問題は解消するということです。

ヘレン・ケラーの奇跡を生んだ奇跡のコミュニケーション

あなたは「奇跡の人」という映画を
ご存じでしょうか?
 
タイトルくらいは聞いたことがあるかも?
 
目が見えず、耳が聞こえず、
そのためにしゃべることもできなかったヘレン。
 
サリバン先生と出会うまでは、
動物同然に育っていました。
 
でも、サリバン先生との出会いから
大学も卒業し、
教育者として、著述家として、
講演家として大活躍した人物です。
 
まさに奇跡。
 
でも、何が奇跡かよく考えてみてください。
 
ヘレンが素晴らしい人に育ったのは、
多分、あなたがあなたならではの
価値を発揮して生きているのと、
多分、同じレベルの奇跡なんです。
 
ヘレンが素晴らしいように、
あなたも間違いなく素晴らしいし、
あなたのお子さんも同じ。
 
── そう。
 
ヘレン・ケラーの人生の奇跡は、
耳も聞こえず、目も見えず、口もきけなかった
ヘレンとコミュニケーションをとり、
その可能性を信じて、忍耐強く育てた
サリバン先生、その人です。
 
だから、あの映画のタイトルは
Miracle Worker“なのです。

第1のコミュニケーション力は、子どもと○○する力

ヘレン・ケラーの中に眠る価値を確信し、
それを引き出すための戦略を練りに練った
サリバン先生。
 
その鍵を握ったのは、
ヘレン・ケラーとの交信」です。
 
私たち大人は、ついつい自分の発想で、
それは子ども時代の頃を忘れた頭で、
「言えば分かる」と思いがちです。
 
その前提を捨て去って、

「今、語りかけている言葉は、
 ちゃんと伝わっているだろうか?」

という自省を忘れないようにしたいものです。
 
使っている語いは、難しすぎないだろうか…
語っている概念は、共有できているだろうか…
語りかけのテンポは、適切だろうか…
語りかけと教材、作業の関係はバランスよく保たれているだろうか…
 
いろいろチェックすべきところはありますよね。
 
そして、コミュニケーションは「交信」つまり
双方向性がなければなりません。
 
子どもの想い、子どものつらさ、悲鳴を
ちゃんと受け止められるだけの
受信能力を、大人、指導者は
持っていなければなりませんね。
 
これは、我が身への反省を込めて。
 

第2のコミュニケーション力は、子どもと○○との間に…

もう1つのコミュニケーション力は、
子ども自身につけさせるべき力
 
そして、思いのほか置き去りにされがちな部分です。
 
小学校低学年から、
丁寧に指導してもらえる個別指導とか、
単に一方通行で先生がしゃべるだけ、
問題を解いて答え合わせをするだけという
塾に通わせていたとしたら、
この部分が弱っている可能性があります。
 
そう。
 
子どもが、問題文の意図を十分にくみ取れる
教材とのコミュニケーション力」です。
 
もちろん、これは一方通行。
 
だからこそ、十分に、相手の意図をくみ取れる
正確な受信能力が求められます。
 
これは「考えないと分からない」という文章に
挑む経験の中でしか身につきません。

  • 先生が丁寧に説明してくれる環境
  • ICT教材のアニメーションが、図や音声を駆使して説明してくれる環境
  • 分からなくても、間違いを修正するだけで先に進んでしまう環境

こういう環境で子どもを育ててしまうと、
ちょっとまずいかも知れません。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”icon-mam.gif” name=”ママ”]でも、日常会話も通じてるし、授業もよく分かるって言ってるんだけど…[/speech_bubble]

 
確かに、日常会話が成立していると、
子どものコミュニケーション能力の欠落に
気づきにくいものです。
 
私が務めていた中学校でも、
知的な障害を持った子がいましたが、
日常会話はそれなりに成立していました。
 
でも、読み書きはほとんどできませんでした。
ですから、知能検査の結果を見た親御さんの
ショックは相当なものだったそうです。
 
そもそも、話し言葉と書き言葉は、
脳内で使われる回路が違います。
 
受け止める回路と、
出力する回路も別ものです。
 
そして、話し言葉は非常に単純で、
単線的な言葉のつながりで成り立っています。
 
使われる語いも非常に少ない。
 
なので、「話せば分かる」「聞けば分かる」としても、
「問題を解いて書ける」とは限らないのです。
 
 
でも、世の中の情報の大半は
文字情報で伝えられます。
 
それは必ずしも簡単ではありません。
学校のテキスト、算数・数学のテキストが
そのいい例です。
 
抽象的な言い回し。
複雑に絡み合った事実。
 
それらを整理して理解する力が
学校教育(実は社会でも)求められているのです。
 
逆に、そこさえきちんと育てられれば、
一人で勉強して、自分の力で成長していけるわけです。
 
ヘレンだって、サリバン先生から
言葉を伝授してもらってからは、
自力で学んでいます。
 
 
だからもし、子どもが勉強しているのに
成績が上がっていないとしたら、
 
がんばっているのに比例して
成果が上がっていないとしたら、
 
まず、そもそも

「テキストを十分に理解できているか」

を確認してみてください。
 
単に公式に当てはめられるとか、
憶えたことを単純に書き出せるとか、
そういうことではなく。
 
説明的な文章を読んで、
自分の言葉で説明し直せるかとか、
 
算数・数学の文章問題を読んで、
そこで描かれている状況を
図に出来るとか、
 
そんなことを確認するのです。
 
それができていないとしたら、
親や先生の伝え方に問題はないだろうか?
 
授業をちゃんと理解して聞けているのか、
聞くべき時に聞けるだけの注意力、集中力は
あるだろうか?
 
そこを問い直す必要があります。
 
それがクリアできているとしたら、
多分大丈夫。
 
さらに伸ばそうと思うなら、
科学的な手法を採用して、
より効果の上がる学び方を教えてやるだけ。
 
その部分は、ことのばBLOGで公開している
メソッドも、きっとお役に立てると思います。(^^*♪
 
ぜひ、「それ以前」の部分を、
親御さんの目で、指導者の目で、
十分に観察して確認してみてくださいね。

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この記事を書いた人

フォーカス・リーディング主宰者

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