「先週やったのに、もう忘れたの?」という瞬間忘却系の子どもに必要なこと

こんにちは。読書と学習のナビゲーター、寺田です。
 
世の中には不思議なほどに「すぐ忘れる」子がいます。
 
先週やったことを、もう忘れているというレベル。
1ヶ月前にすごく丁寧にやったのに、もう完全にできなくなっている、とか。
 
そういう子には何を、どうさせたらいいのか?
そもそも何が原因なのか?
 
そんなお話を少々。

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1.実は理解・記憶が曖昧

子どもだけでなく、大人でもそうですが「分かった」という時、「書かれていること(説明されたこと)は分かった気がする」というレベルで

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”icon-boy.gif” name=”生徒さん”]は、分かりました![/speech_bubble]

ということがあります。
 
本当の意味で分かった体験の少ない、勉強が苦手な(あるいは「嫌いな」)子というのは、「知らない言葉は出てこなかった」というレベルで「分かった」といってしまうことがあるわけです。悪気なく、ね。
 
こういう「言葉(統語)のレベル」での理解というのは、すぐに忘れます。
記憶というのは、大きな全体の学習内容とか、既習範囲とか、自分の体験とか、そういうものと結びついて初めて定着するものです。「コンセプトのレベル」での理解ですね。

では、その対策は?

気をつけなければならないのは、基本問題、パターン問題は本当の意味で理解していなくても解けてしまいますので、それができているからといって安心してはいけませんし、そもそも、そこで間違えているのに、答え合わせだけやって先に進んではいけません。
 
どの教科であれ「理解が弱い」と考えられる子に必要なのは「徹底的な理解」です。
理科や社会のような記憶系・説明系であれば、何度もテキストを読ませます。チェックペンで虫食い問題を作って、言葉を隠したままスムーズに思い出しながら読めるまで読ませる。
時間に余裕があれば、ノートに

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”icon-terada.gif” name=”寺田”]今、読んだ内容を思い出しながら書き出してごらん。[/speech_bubble]

 
という作業をさせたいところです。
おそらく、今やったばかりのことを、いかに憶えていないかに愕然とするはず!
 
それを乗り越えさせたいところです。
 
数学や英語のような技能系であれば、基本的な問題を丁寧に解かせて、「絶対に間違わない」というレベルをクリアできたら、標準的な「ちょっと考えれば分かる」ところまでやらせる。そして、同じようにスムーズに正解できるまでやらせること。
 
いずれにせよ「ちゃんと分かっている」ことを確認してから(さらに2まで進めて!)、その日の学習を終わらせましょう。

2.練習の程度が足りない

だいたい1のレベルを乗り越えられれば、たいてい解決すると思います。というか、往々にして「すぐ忘れる」というのは「そもそもうろ覚え」というのが問題ですから。
もし「十分に分かっているのに、もう解き方を忘れてる!」と感じたら、練習量の不足を疑いましょう。

では、その対策は?

ここで問題になるのが…

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”icon-mam.gif” name=”寺田”]じゃぁ、どのくらいまで練習させたらいいの?[/speech_bubble]

 
ということ。
 
これは明快です。
 
記憶系の問題であれば、躊躇せず、スムーズに標準問題を解けるようになるまで。
一通り問題をこなして、間違えた問題も解き方を確認したら、間違えた問題を解き直しますが、そこでスムーズに解けたらOK。
ただし、その問題はその日の夜か次の日に時直し、そこでスムーズに解けたらOK。それができなかったら、また丁寧にやりなおします。

3.前提となる背景知識が薄い

1と似た状態なのですが、こちらの問題は「そもそも、受け皿としての前提知識がない」ということ。
すべてが他人事というか、つながりのない浮遊した記憶になっている状態です。
  
忘れているというよりは、取り出し口(自分の元々の記憶に結びついた部分)がないから思い出せないという風に考えた方がいいかも知れません。

では、その対策は?

そもそも、基本レベルからの学習が足りていないわけですので、日頃からノンセクション、多ジャンルの本(サバイバルシリーズ等の漫画でもOK)を読ませるなどの工夫も必要です。(やっぱり一番いいのは読書ですよ。脳みそそのものが鍛えられますので!)
 
ですが、とりあえず「今やっていることをきちんと理解させる」ことはすごく重要です。
数学であれば、基本問題ができたからといって安心せず、標準問題、初級レベルの応用問題までさせるなど、「ちゃんと意味を理解しながら、憶えたこと、理解したことを使ってみる」という出力体験までさせておきたいところです。
 
こういう子は、1つ1つを丁寧にこなしてなお、忘れてしまいます。
ですので、3日周期くらいでいいので、すべての教科を反復させるようにしましょう。
そのときは、「教科書を読む」だけでもいいのですが、できれば「問題集や虫食い状態の教科書で思い出す」ようにします。忘れていたら、すぐ答えを確認してOKです。重要なことは「何度も思い出す」体験をさせることですから!

まとめ

まぁだいたいの場合「定着していない」という問題は「定着する以前に、入っていない」ことが多いものです。
そして、そのケアは非常に大変です。労力的にも時間的にも。
 
そこを本人も、指導者もおろそかにしがち。
ぜひ、

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”icon-terada.gif” name=”寺田”]スムーズに正解できるまでやる![/speech_bubble]

 
を合い言葉に徹底した学習を心がけましょう!

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この記事を書いた人

フォーカス・リーディング主宰者

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