文系・理系の選択、その判断を決めるものは?

四方山話・コラム

2016年2月25日付け日経新聞にこんな記事が掲載されました。

大学で理系学部に進学した人は、文系学部に進学した人より学びたい分野や将来希望する仕事が明確──。

経済産業省の調査だそうですが、わざわざ調査するまでもなく「数学・理科が苦手だから文系」という生徒が多いのは、今も昔も変わりないことです。
 
そもそも、文系学部って就職に直結しません。文系に行く生徒のほとんどが「つぶしがきく」とか「とりあえず」とか、そんな理由でしょう。
理系は、医療系にせよ、工学系にせよ、仕事・就職先と学ぶ内容を結びつけてイメージしやすいでしょうし。
 
 
ただ、「理系学部に進学した人は…」なんて書かれていますが、理系だって「将来希望する仕事との関連性」を選んだのは13.1%です。「就職に結びつけて」というのは、偏差値トップレベルの大学の学生に限ったことなのかも知れません。
 
そういえば、私の大学時代を考えても「仕事」と学部(法学部)を結びつけて考えている人は、司法試験・マスコミを目指す人を除けば私(中学校社会科の教師)はかなり特殊な方でした。
 
高校時代までに決められないから、大学までモラトリアムを延長しているとも言えますし、そこは日本の教育が致命的に弱い部分でしょうか。
 
高校教師時代に3者面談をしても「将来の仕事ってどう考えてる?」と質問したら、親子で「公務員を希望してます」という回答が結構ありましたよね。(笑)
 
公務員を「仕事」と思っているんですよ。
いや、間違ってないけど、公務員は「身分」であって仕事じゃない。教師も消防士も警察官も税務官も郵便配達員(郵政外務)も同じくくりにしてしまうのは乱暴です。
でも、高校生もその保護者も、その思考はそんなレベル。
 
考えてみれば、企業の側だって「職種」ではなく「我が社の社員」として迎え入れて、配属は研修の後…ってことも多い。日本人は「何の仕事をしているか」ではなく「どこの会社に属しているか」でしか仕事を語れないという話も日本社会の企業文化の賜。
 
だから学生も「どんな仕事をしたいか」ではなく「どこの会社が採用してくれるか」でしか仕事を考えない。そりゃ高校時代にはイメージわかないよね、というところか?
 
親も教師も、同じレベルでしょうから、子どもがそれを考えられるわけがなかろうというものです。
 
 
それにしても、私が教師をしていた時代から将来を見据えた学部選び・大学選びを、という話が散々なされてきましたが、20年経っても変わっていないわけですよね。やれやれ。

経産省の担当者は「受験科目を意識し、自身の興味や関心以上に、現実的な選択をした生徒が多かったのではないか」と話している。

だそうですが、自分の「得意・興味」と「仕事」を結びつけられないリアルな現実があるから、高校生にとってのリアルは近視眼的かつ視野狭窄的な「何が楽か」「どこなら通るか」になってしまいます。
 
まずは「大学と就職は、もはや接続していない」「なんとなく大学を卒業しても、待っているのは非正規の貧困生活」ということを教えて、リアルな現実として「ちゃんと考えて選ばないとヤバイ」ことを教えるのが先なのではないかとすら思ってしまいますね。
  
とりあえず、春からスタートする学習塾では、そのあたりも伝えていきたいものです。(中学校の進路指導主事の時は進路ニュースでリアルな昏(くら)い現実を伝えていましたが、なかなか好評でしたよ。)

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