こんな読み聞かせがあったとは!目から鱗の「アメリカの読み聞かせ」事情

読み聞かせのやり方次第で、子どもを本好きで勉強ができる子に育てられますよ、という話を書きました。

[blogcard url=”https://www.kotonoba.jp/blog/how-to-make-kids-read-many-books/”]

この記事の中で、『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』(松永 暢史著)という本を紹介しています。
今まで、我が子や小学生、保育園児たちへの読み聞かせ経験からも、とても納得感の高い本です(とはいえ、学術的に見れば何の根拠もありませんし、記事下部に紹介しているとおり読書量と学力が相関しないことは明らかにされています)。
将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!
 
しかし、実はここで紹介されている読み方というのは、あくまで「日本における読み聞かせ」の文化の上に発展してきた応用ノウハウだったんですね。
 
「日本における」とは?
 
日本の「読み聞かせ」は、あくまで「大人が子どもに絵本を読んで聞かせる」作業。子どもは静かに聞くことを求められており、あくまで受動的な行為だと考えられています。
 
これに対して、アメリカでは「Story Time」と呼ばれ、能動的・積極的にお話を楽しむ会だという認識のようです。ネットでアメリカの図書館の情報を調べてみると、どこも「お話を聞いて、歌って、みんなで楽しむ」という言葉で「Story Time」を紹介しているようです。
 
例えば、メトロポリタン美術館内にある「Nolen Library」にはこんな紹介があります。

For families with children ages 18 months–6 years
Gather around as we look, listen, sing, and have fun with picture books; then continue your adventure with a self-guided gallery hunt. Toddler Storytime is offered on weekday mornings for families with children 18 months–3 years old.
── Storytime in Nolen Library

掲載されている写真を見ると、日本で見かける読み聞かせと似たような風景にも見えるのですが、やっている内容が全然違うわけです!
 
このアメリカの読み聞かせについて(別の図書館でのstorytimeの話ですが)日本人のお母さんがレポートを書いていらっしゃいます。興味がある方はご一読を。

[blogcard url=”http://www.happy-note.com/shine/141/post_11.html”]

とにかく「絵本の世界を楽しむ」ことを大事にしているわけですね。(^^)
 
ちなみに、このレポートの中に、読み手が子ども達の体験を引き出すように、問いかけたり、話しかけたりするということが書かれています。実は、これはフィンランドの読書教育でも大事にされていること。
 
単に書かれていることを受動的に受け容れるのではなく、自分の体験と照らし合わせ、能動的に受け止め、感じ、考えることを期待しているのだとか。
 
それからもう1つ。
 
アメリカの家庭での読み聞かせも、日本とはまったく異なるそうですよ。
 
先日、世界一受けたい授業にも登場した大阪女学院大学教授、加藤映子先生によると、アメリカでの読み聞かせは、とにかく子どもに問いかけ、考えさせたり、次の展開を予想させたりすることを大事にしているとのこと。

[blogcard url=”http://yumenavi.info/lecture.aspx?GNKCD=g003910″]

この記事にこんなことが書かれています。

米国のお母さんは、常に子どもに問いかけ、答えを促す姿勢で絵本を読みます。米国人にとって絵本の読み聞かせはリーディングの基礎を作るためという意識が強く、対話をしながら読み聞かせる「ダイアロジック・リーディング」を自然に行っているのです。

常にロジカルに考え、自分の意見を主張していく社会。そんなアメリカ人のスタイルというか能力は、こんなところでも育まれているわけですね。
 
読み聞かせのやり方次第で育まれる能力が違うとすると、読み聞かせに関するこんな記事もそのまま真に受けてしまったらいけないのかも知れません。

[blogcard url=”http://itmama.jp/2015/02/16/76921/”]

【注意】この記事にアクセスすると動画CMが音声付きで再生されます。

ここで想定されている読み聞かせというのは、私たちが想定しているものとはまったく違う可能性があるわけです。ひょっとすると、私たち日本人がおこなっている読み聞かせでは、効果が薄かったり、違う能力が育まれたりといったことが起こるのかも知れませんね。
 
「読書」でも、これはまったく同じ。
 
小学生の読書も、「ただ読めばいい」わけではなく、何の工夫もなければ、読解力その他の学力にいっさいつながらないことは以前にも書いた通り。
 
フィンランドでは「本を読めば読むほど読解力が上がる」ことがデータから明らかになっているのですが、日本では事情が異なります。
 
まったく読まない子どもと月に1-3冊読む子どもでは、明らかに読解力の差があるのですが、月に4冊以上のペースとなると、むしろ読書量が増えるほど読解力が下がる傾向にあるんですよ。恐ろしいことに!

[blogcard url=”http://berd.benesse.jp/berd/berd2010/center_report/data27_01.html”]

私ももっとリサーチして、「学ぶ力、考える力を育む読書教育」を考えていきたいと思います!

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この記事を書いた人

フォーカス・リーディング主宰者

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