大阪市でタブレット配布&電子黒板設置スタート!

昨日に続きタブレット関連の話題。
 
大阪市が32億円の予算を投じて、
市内の小中学校にタブレットおよび電子黒板
(液晶プロジェクターおよび大型ディスプレイ)、
教師用のノートパソコンを整備するそうです。

[blogcard url=”http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kyoiku/0000348118.html”]

お役所の発想って、箱を作るにせよ、
こういった機器を入れるにせよ、
最初に予算を付けてドンて
走り出しますよね。
 
それをどう使いこなすかという部分を
ざっくりと適当な理想論で固めて。
 
しっかりとリサーチをすれば、
電子黒板もタブレットも、
その教育的な効果は「未知数」だと
分かるはずなのですが…。
 
iPad初代登場から6年しかならず、
まだ十分にそのメリット・デメリットが
検証されていない状態。
 
確かに
「だからこそ、先に予算を付けて
 教育改革を先導する」
という発想も可能です。
 
ですが、そんな海のものとも山のものともつかない
シロモノのためにお金をかけて、
それを使いこなすレベルのために研修をするくらいなら、
まず、先生達の授業力を引き上げる研修をした方が
断然価値があると思うわけですよ。
 
いいワープロソフトがあるから、
いい文書が作れるわけではありません。
 
そういう「いい文書」のアイディアや技術を
持っている人がいるから作れるんです。
 
まずは先生達に、十分にタブレットで遊ばせて、
日常業務やプライベートでタブレットを使いこなさせ、
タブレットだからできることをアイディアとして
蓄積させることの方が大事だと思うんですよね。
 
2年ほど前に、福岡市にある博多高校に
タブレット活用の状況を聞きに行きました。
(公立高校の先生の視察に便乗させてもらって。)
 
博多高校は初代iPadが登場したときに、
すぐに大量に入れて、「教育に活かす」として
話題になった学校です。
 
担当の先生に、いろいろお話を伺いましたが、
結論は「まだ教育に効果があったとは言いがたい」
ということでした。
 
「先生が使いこなすのに精一杯」とも。
 
こういったアーリーアダプター的にタブレットを導入した
全国の学校の先生方の体験を持ち寄って、
理想的な教育のシステムを構築することが
何よりの大前提です。
 
佐賀の実験でも、今のところ試行錯誤の段階。

[blogcard url=”https://www.kotonoba.jp/blog/reversal-learning/”]

何度も書いているように、タブレットを導入するってことは、

  • 教材をタブレット用に開発しなければならない。
  • ノートや黒板の使い方授業の進め方、
    発問の投げかけ方、発表のさせ方、
    フィードバックの与え方までトータルに
    変えなければならない。
  • 予習のさせ方、復習のさせ方、
    記憶に残すための学習の仕方など、
    授業外の学習のあり方も変えなければならない。

というように
全体が変わらなければならない大問題なんです。
 
他の自治体は、少なくとも佐賀や大阪、
あるいは先進的に取り組んでいる私立学校の
成果が出揃い、評価が固まった上で、
予算を付けて欲しいものです。
 
それまでに、先生達のICTのリテラシーと
授業力を高めるようなプログラムを十分に
実施しておいていただければと…

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