英語をもっとシンプルに、効果的に勉強できないもんだろうか?

これまでに小中学生の英語学習法について、いくつか解説をしてきました。
  
例えば、小中学生の英語学習のパターンについて。

こちらは、英語教材のサンプルを添えて、具体的な学習手順を。

 
この「3匹の子ぶた」パターンで英語の勉強をさせようとすると、時間がかかってしょうがない!という相談がありました。
 
ま、確かにね。(^^;
 
この解説の通りに完璧に手順を追うと大変です。
でも、英語が得意ではない子には、これくらいさせていいんですよ。第二言語をマスターしようってんですから、あびるほどの英語に漬け込んでやらないとダメなんです。
 
これは英語学習の「インプット仮説」(大量にインプットしてやれば英語はマスターできる)と呼ばれる理論につながる発想です。
 
ただ、インプットを大量にしていれば「読める、聞き取れる」ようにはなりますが、出力できるようにはなりません。当たり前ですが。
 
特に学校教育の中の英語は「細かすぎるまでの文法的正しさ」を求めますから、そこにも対応しなければなりません。
 
これについて、インプット仮説を提唱したクラシェンという学者が、こんなことを語っています。
 
「明示的学習は発話の正しさをチェックすることに(のみ)寄与する」
 
ということは、何となく大量に聴くのではなく、それを補う形で文法事項に関する「型」や「パターン」を学習することで、自分が発話あるいは筆記しようとする英語の正しい形を、意識的にチェックできるようになるってことですね。
 
そして、この明示的学習としての文法学習は、基本的にアウトプット(書く、話す)によっておこないます。
そうしないと「正しさ」が確認できないからです。
 
ことのばオリジナルのUプロセス学習理論と、この仮説を掛け算したのが、「3匹の子ぶた」の学習法です。
簡単にいうとインプット⇒アウトプット⇒インプット⇒アウトプットという重層構造で学ばせています。
 
 
まずは、大量にというよりも何度も口に出すことで、体で憶えてしまいます。
 
ただ、この猛烈なインプットが学習として効果を上げるには、次の2つの条件が必要なんですね。

  • 1.理解可能なものであること
  • 2.後で正しさをチェックすること

ですから、繰り返しの音読の前に、音声と単語と文法を確認させるわけです。
これが「1.予習段階(Seeingのステージ)」ですね。
 
そして音読の反復。「2.徹底音読(Sensingのステージ)」です。
これは「身体に馴染むまで」が基本。子ぶた教材の解説では「目標は超流ちょうに、早口かつノーミスで読み上げる状態です。」としていますね。
 
その後に「正しさ」を出力によって確認するわけですが、学校英語は「書く」ことを求めますので、冠詞とか前置詞、スペルにまで意識が及ぶように、あえて「書く」作業を入れています。(ここまでが「2.徹底音読」のステージです。)
また、ここで「あれ?」という状態でも問題なし。
その「?」が、後に続く再インプットの吸収力を上げてくれるからです。
 
これをさらに、思い出しながらの反復音読によって強化していきます。
 
英語語順の日本語を見ながらの英語朗読。
通常の日本語を見ながらの英語朗読。
 
ここでは、負荷が大きくなりすぎても時間とエネルギーのロスが大きくなりますので、「英文を聞きながら朗読」でもOKです。
ただし、目が先行して日本語をとらえ、英語を思い出しつつ、一瞬遅れで耳から正解が入って来るという状態を作る必要がありますが。
 
その上で、最後に通常の日本語を英訳しながら筆記します。
 
ここまでで「インプット⇒アウトプット⇒インプット」の3ステップが完成します。
 
ここまでで精緻な記憶はできているのですが、さらに応用的な問題を解かせることで、「体で憶え、その意味を整理したものを実際に使ってみる」体験をさせます。
 
中学生であれば、英語の教科書で3ステップを完成させた後、教科書準拠問題集の基本問題・標準問題レベルのものに挑戦させます。
 
こういう負荷のかかる出力によって、まずは機械的に叩き込んだ英語の本当の意味が整理されるんですね。
 
そして、ここまでで「インプット⇒アウトプット⇒インプット⇒アウトプット」が完成します。
 
ついでに言いますと、翌日以降(週末でもOK)、もう1度「日本語→英訳筆記」によって、正しい英語を丁寧に出力させて記憶を強化できると完璧です。
 
 
おっと、「シンプルで効果的な方法はないのか?」という話を書こうとしながら、結局、「丁寧にやるしかない!」的な結論で終わろうとしています。
 
実際の所、残念ながら語学に王道はないわけでして、効果の上がる方法を繰り返していくしかありません。
 
ただ、こういう学習を積み上げていくと、だんだん英語の型が身体にできてきて、暗唱の負荷が驚くほど下がってきます。
そうなると、この4つのステップを踏みさえすればいいんだって考えて、1つ1つのパートの作業をシンプルにしたらいいですね。
 
実際、これまで指導してきた子ども達の例で言いますと、最初は教科書の1ページ分の英語を暗唱できるようになるのに1時間かかっていたのが、数ヶ月もすると30分あれば暗唱してしまうようになります。
 
大切なことは意味も考えずに機械的にこなすのではなく、やる意味(原理)と個々の到達ポイントを理解した上で、無駄なく取り組むようにすることですね。
 
そこは、先生が子ども達の様子を眺めながら、どこか機械的に冗長な作業になっている部分がないかチェックしてやるべきでしょう。
 
 
結局、前に書いた記事の解説のような内容になってしまいましたが、あなたの(お子さんの)英語学習に何らかプラスになれば幸いです!

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