「使える英語力」をちゃんと身に付けるための基本原則って何?

最近、立て続けに

男性さん

英語をマスターしたいんだけど、何か効果的な学習法とか教材とかありますか?

的な相談があったので、久しぶりに英語学習のまとめを。

もし、あなたが「英語・英会話をマスターしたい!」とお考えなら、お役に立てるかも知れません。

寺田

英語教材開発者であり、学習法指導者でもある寺田がご案内いたします!

英語力って、そもそも何を指すの?

ここで考える「英語力は基本的に、読んだり書いたり聞いたり話したりといった英語の4技能を含むものですが、高校英語以上の、難易度の高い英文法などを必要としない、「ちょっとした英会話」で使うレベルとします。
また、ここで扱う英会話とは「自由自在に会話を楽しむ」という高いレベルではなく、海外旅行を楽しむとか、街中で英語ネイティブの旅行者に話しかけられたときに応対するとか、そういった短文での入出力を想定しています。

目次

学習の「そもそも」のお話

まず、どんな学習であれ「身につける」のはそれほど簡単ではなくって、かといって、それほど大変な話でもありません。

正しい学習法で、必要なステップをきちんと踏むこと。

ぶっちゃけ、これができていれば、どんなことでもそれなりに身についてしまうものです。

短期間・短時間でマスターするポイント

TEDで話題になったものが書籍になっておりまして、『たいていのことは20時間で習得できる』という本。
たいていのことは20時間で習得できる

この本の第2章が、「超速スキル獲得法10のルール」というもので、なかなかシンプルだけで、ごもっともなことが書かれています。
その10個の中で特に重要なのは、この2つだと思うんです。
(ほかの8つは「当たり前」すぎる話で…)

8.すぐにフィードバックが返ってくる仕組みを作る

あなたがどれほどうまくできているかという情報が、なるべく速やかに返ってくるようにすることだ。

自分でやることの限界が、これに集約されています。
もし、あなたが学びたいことが「まったく未経験」のものなら、やっぱり先生の元で学んだ方がいい。

でも、ある程度は知っているとかできているとか、そういう状態であれば、後で説明する「体当たり出力」のところだけ、フィードバックを手に入れられるようにすることをお薦めします。

10.量と速さを重視する

新しいスキルを学ぼうとすると、完璧にやりたくなる。だがそれではイライラが募るばかりだ。もちろん初心者のパフォーマンスなど完璧にはほど遠い。
だから完璧を目指そうとせず、「これで十分」というフォームを維持しながら、できるだけ速く、できるだけたくさん練習することに集中しよう。

「できている/できていない」を考えるのではなく、「あれ、どうだっけ?」という体当たりの出力体験をすることが、学びの最重要項目なんですね。

その時に先生がいてくれれば、それがベスト。そうでなければ、体当たりで挑戦した後で、そのテキストに沿って丁寧にやり直すという作業が必要になります。

効果的に定着させるための学習ステップ

何かを効果的に(そして効率的に)身に付けるには、かならずこちらの図のような4ステップを経なければなりません。
U-process-study2

この中で特に重要なのが、左下右下のゾーン。無心に反復するステージです。

左下は、無心に反復入力する作業。英語であれば、とにかく耳や目から英語を入れ、
手(書き出し)や口(スピーキング)から出してやること。これを気軽に何度も何度も。

シャドーイングやオーバーラッピングという、モデルの音声に合わせて発声するのが一番効果的だと思います。
筆写はかかる時間と効果の関係を考えると、あまりお薦めできません

右下は3段階に分けて取り組みます。

無心に基本例文を反復出力するステージ

日本語を見て、瞬時に英訳しながら書いたり、口に出したり。そんな作業。

基本例文を暗唱=テキストを見ずに反復出力するステージ

その基本例文を、何も見ずに、シーンだけ頭に思い浮かべながら、どんどん口に出していく作業です。
もちろん、書いてもいいんですが、スムーズにってことを考えると口がお薦め。

武者修行的、当たって砕けろトレーニング

無心の出力の最終段階は、ここまでに学んだことを使って、とにかく体当たりで使う作業です。

英会話を学んだんだったら、ネイティブを捕まえて会話したいところ。
Skype英会話みたいなものを使ってもいいし、街でそういうセッションをしてくれる先生を見つけて、カフェでプチレッスンでもいいし。

ただし! 上述のとおり「フィードバックをすぐに手に入れる」ことが重要です。

その日の晩に、自分がとっさに口にできなかった言葉を復習しておきましょう。

なお、この武者修行の作業は「直前に学んだこと」ではなく、「そこまでに学んだことすべて」を試すような取り組みにすることが重要だと言われています。(Retrieval Practiceの研究データより)

では、どんな教材がお薦めなのか?

ぶっちゃけますと、どんな教材を使うかということより、上記の手順に沿って、持っている教材を適切に使うことが重要です。

Uプロセス学習理論に従って作られた教材

教材の作りそれ自体が、この流れに沿っていれば、当然、それはすごく価値があるわけです。

実際、私がこのステップに沿って学習できるように作ったWindows対応英語ソフトは、すごく学習効果が高いと評価されてきました。

『英会話音読練習帳』(中古限定)
英会話音読練習帳

Windowsソフトのメニューが1から7まであり、これがまさにUの左上⇒左下⇒右下⇒右上と流れるようになっています。

もちろん「武者修行的」な部分は「勝手にやってね」なんですが、それを補うような出力練習を、複数用意しています。

石川遼君のあの教材はどうなの?

「聞き流すだけでいいですよ!」というキャッチフレーズの教材があります。
あれも、実はこの理論を踏まえて作られており、効果が高いことは間違いありません。何を隠そう、私もスマホバージョンを一年くらい使っていました。お値段も高くありませんし、お勧めですよ!
・・・と思って、紹介のリンクを作ろうと思ったら、「デジタル教材終了のお知らせ」が…汗

エスプリラインのポータルサイトより(2021.05.07最終確認)

ただ、2つの問題(誤解)があり、「聞き流すだけで力が付くわけがない!」という批判にさらされているんですね。(^^;

誤解:聞き流す=「ながら勉強」ではない。

聞き流せばいいからといって、お茶碗を洗いながらとか、散歩をしながらとか、それで身につくわけがありません。

あのCDを聞く作業は「無心の反復入力」のステージであり、

  • 気合いを入れすぎないこと
  • 聞き取れたとか、聞き取れてないとか考えず、どんどん進めること
  • メモを取ったり、ストップして聞き直したりしないこと

そういう学習の方法を「聞き流すだけ」と表現しているに過ぎません。

誤解:あの教材だけで完璧になる、わけではない。

一応、右下の領域も用意されているのですが、どうしても「聞き流す」というイメージに負けているのでしょうか…出力練習が不足してしまっている人が多いように見えます。

無心の反復が弱くなるので、そこはしっかり武者修行してね、というか、そういう海外旅行とか海外出張とかが多い人は、その中で使ってね、というわけですよ。
よかったら、こちらの記事もどうぞ。

2-3.旅行や日常の英会話をスムーズにこなしたい人向け教材

もう1つ、すごくお薦めの教材がありまして、「これは、うちの高速学習講座をベースにしたのか?」と勘ぐってしまうほど、Uプロセスをしっかりと踏まえています。

教材はいいのですが、このバリバリのセールスコピーは…汗

私も実は、この姉妹編を持っておりまして、相当お世話になりました。リスニング力の強化には、特に有効です。

上の画像をクリックしてジャンプしたページにも書いてあるのですが、まずはとことんシャドウイングで無心の入力をこなし、その後はシチュエーション設定して無心の出力に励む、という体育会系の教材です。(楽しいから続けられる?)

絶対に忘れてはいけないこと!

反復出力のステージでは、ちゃんと思い出しながら声に出すこと!
そして、スムーズによどみなく口から出てくるまで繰り返すこと!

まぁ、「英文読解力」を身に付けたい人には、全然役に立ちませんが、日常英会話、トラベル英会話を身に付けたい人には、かなりお勧めです。

恐らく、中学英語がそこそこ分かっている人であれば、1ヶ月ほどのトレーニングで、そこそこスムーズに英語が口から出てくるようになるはずです。

2-4.長文読解力を手に入れたい人向け

長文を読めるようになりたい人にお勧めなのは、

  1. 新しい学習教材をゲットしたら、まずは腕試し的に、分かる程度に読んでみる。(武者修行的出力)
  2. 一週間程度、同じ文章を反復音読、反復暗唱する。(無心の反復入力)
  3. [1]に戻る。

という方法です。

これについては、こちらのページに具体的なやり方と、簡単な教材を紹介していますので、ぜひご一読を。

3.まとめ的な何か

まとめということでもありませんが、英語が身につかないよーという人は、

  • 絶対的に練習量が足りていない。
  • やり方が悪い。
  • 無心の反復出力、とりわけ武者修行が出来ていない。
  • 反復出力の後のフィードバックが足りていない。

という問題を抱えています。

ここでご紹介した『英会話音読練習帳』でもいいでしょうし、本格的な英会話を学びたい人はスコット・ペリーでもいいでしょうし、何かしら「Uプロセス」に沿って学べる教材を手に入れることをお薦めします!

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この記事を書いた人

フォーカス・リーディング主宰者

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