「使える英語力」をちゃんと身に付けるための基本原則って何?
こんにちは。読書と学習法のナビゲーター、寺田です。
最近、立て続けに
的な相談があったので、久しぶりに英語学習のまとめを。
もし、あなたが「英語・英会話をマスターしたい!」とお考えなら、
お役に立つかも知れません。
1.学習の「そもそも」のお話
まず、どんな学習であれ「身につける」のは
それほど簡単ではなくって、
かといって、それほど大変な話でもありません。
正しい学習法で、必要なステップをきちんと踏むこと。
ぶっちゃけ、これができていれば、どんなことでも、
それなりに身についてしまうものです。
1-1.短期間・短時間でマスターするポイント
TEDで話題になったものが書籍になっておりまして、
『たいていのことは20時間で習得できる』という本。
この本の第2章が、「超速スキル獲得法10のルール」というもので、
なかなかシンプルだけで、ごもっともなことが書かれています。
その10個の中で特に重要なのは、この2つだと思うんです。
(ほかの8つは「当たり前」すぎる話で…)
8.すぐにフィードバックが返ってくる仕組みを作る
あなたがどれほどうまくできているかという情報が、なるべく速やかに返ってくるようにすることだ。
- 気合いを入れすぎないこと
- 聞き取れたとか、聞き取れてないとか考えず、どんどん進めること
- メモを取ったり、ストップして聞き直したりしないこと
- 1.新しい学習教材をゲットしたら、まずは腕試し的に、分かる程度に読んでみる。(武者修行的出力)
- 2.1週間程度、同じ文章を反復音読、反復暗唱する。(無心の反復入力)
- 3.[1]に戻る。
- 絶対的に練習量が足りていない。
- やり方が悪い。
- 無心の反復出力、とりわけ武者修行が出来ていない。
- 反復出力の後のフィードバックが足りていない。
自分でやることの限界が、これに集約されています。
もし、あなたが学びたいことが「まったく未経験」のものなら、
やっぱり先生の元で学んだ方がいい。
でも、ある程度は知っているとかできているとか、
そういう状態であれば、後で説明する「体当たり出力」のところだけ、
フィードバックを手に入れられるようにすることをお薦めします。
10.量と速さを重視する
新しいスキルを学ぼうとすると、完璧にやりたくなる。だがそれではイライラが募るばかりだ。もちろん初心者のパフォーマンスなど完璧にはほど遠い。
だから完璧を目指そうとせず、「これで十分」というフォームを維持しながら、できるだけ速く、できるだけたくさん練習することに集中しよう。
「できている/できていない」を考えるのではなく、
「あれ、どうだっけ?」という体当たりの出力体験をすることが、
学びの最重要項目なんですね。
その時に先生がいてくれれば、それがベスト。
そうでなければ、体当たりで挑戦した後で、
そのテキストに沿って丁寧にやり直すという作業が
必要になります。
1-2.効果的に定着させるための学習ステップ
何かを効果的に(そして効率的に)身に付けるには、
かならず、こちらの図のような4ステップを
経なければなりません。
この中で特に重要なのが、左下と右下のゾーン。
無心に反復するステージです。
左下は、無心に反復入力する作業。
英語であれば、とにかく耳や目から英語を入れ、
手(書き出し)や口(スピーキング)から出してやること。
これを気軽に何度も何度も。
シャドーイングやオーバーラッピングという、
モデルの音声に合わせて発声するのが
一番効果的だと思います。
筆写はかかる時間と効果の関係を考えると、
あまりお薦めできません。
右下は3段階に分けて取り組みます。
1-2-a.無心に基本例文を反復出力するステージ
日本語を見て、瞬時に英訳しながら
書いたり、口に出したり。そんな作業。
1-2-b.基本例文を暗唱=テキストを見ずに反復出力するステージ
その基本例文を、何も見ずに、シーンだけ頭に思い浮かべながら、
どんどん口に出していく作業です。
もちろん、書いてもいいんですが、
スムーズにってことを考えると口がお薦め。
1-2-c.武者修行的、当たって砕けろトレーニング
無心の出力の最終段階は、
ここまでに学んだことを使って、とにかく体当たりで使う作業です。
英会話を学んだんだったら、ネイティブを捕まえて会話!
Skype英会話みたいなものを使ってもいいし、
街でそういうセッションをしてくれる先生を
見つけて、カフェでプチレッスンでもいいし。
ただし!
上述のとおり「フィードバックをすぐに手に入れる」
ことが重要です。
その日の晩に、自分がとっさに口にできなかった言葉を
復習しておきましょう。
なお、この武者修行の作業は、
「直前に学んだこと」ではなく、
「そこまでに学んだことすべて」を試すような
取り組みにすることが重要だと言われています。
(Retrieval Practiceの研究データより)
2.では、どんな教材がお薦めなのか?
ぶっちゃけますと、どんな教材を使うかということより、
上記の手順に沿って、持っている教材を適切に使うことが重要です。
2-1.Uプロセス学習理論に従って作られた教材
教材の作りそれ自体が、この流れに沿っていれば、
当然、それはすごく価値があるわけです。
実際、私がこのステップに沿って学習できるように作った
Windows対応英語ソフトは、すごく学習効果が高いと
評価されてきました。
☆『英会話音読練習帳』(中古16円より)
Windowsソフトのメニューが1から7まであり、
これがまさにUの左上⇒左下⇒右下⇒右上と
流れるようになっています。
もちろん「武者修行的」な部分は「勝手にやってね」なんですが、
それを補うような出力練習を、複数用意しています。
2-2.石川遼君のあの教材はどうなの?
「聞き流すだけでいいですよ!」というキャッチフレーズの教材があります。
あれも、実はこの理論を踏まえて作られており、
効果が高いことは間違いありません。
ただ、2つの問題があり、「聞き流すだけで力が付くわけがない!」という
批判にさらされているんですね。(^^;
誤解:聞き流す=「ながら勉強」ではない。
聞き流せばいいからといって、お茶碗を洗いながらとか、
散歩をしながらとか、それで身につくわけがありません。
あのCDを聞く作業は「無心の反復入力」のステージであり、
そういう学習の方法を「聞き流すだけ」と表現しているに過ぎません。
誤解:あの教材だけで完璧になる、わけではない。
一応、右下の領域も用意されているのですが、
どうしても「聞き流す」というイメージに負けているのでしょうか…
出力練習が不足してしまっている人が多いように見えます。
無心の反復が弱くなるので、そこはしっかり武者修行してね、
というか、そういう海外旅行とか海外出張とかが多い人は、
その中で使ってね、というわけですよ。
よかったら、こちらの記事もどうぞ。
2-3.旅行や日常の英会話をスムーズにこなしたい人向け教材
もう1つ、すごくお薦めの教材がありまして、
「これは、うちの高速学習講座をベースにしたのか?」と
勘ぐってしまうほど、Uプロセスをしっかりと踏まえています。
>Hapaトラベル英会話
私も実は持っておりまして、相当お世話になりました。
特に、教材を購入した時は「よし、秋に家族でハワイに行くぞ!」なんて
思っていましたから…
(結局、基本英会話は身につきましたが、ハワイには行けず…)
付いてくる紙の教材は、ちょっとした事典のようで(笑)
基本的にスマホに音声を入れて、耳中心に学ぶのがお薦めです。
そして、絶対に忘れてはいけないこと!
反復出力のステージでは、ちゃんと思い出しながら声に出すこと!
そして、スムーズによどみなく口から出てくるまで繰り返すこと!
まぁ、「英文読解力」を身に付けたい人には、
全然役に立ちませんが、日常英会話、トラベル英会話を
身に付けたい人には、かなりお勧めです。
恐らく、中学英語がそこそこ分かっている人であれば、
1ヶ月もトレーニングすれば、そこそこスムーズに、
英語が口から出てくるようになるはずです。
#ただし、「無心の反復出力」の1と2くらいはちゃんとやって、です!
2-4.長文読解力を手に入れたい人向け
長文を読めるようになりたい人にお勧めなのは、
という方法です。
これについては、こちらのページに具体的なやり方と、
簡単な教材を紹介していますので、ぜひご一読を。
3.まとめ的な何か
まとめということでもありませんが、英語が身につかないよーという人は、
という問題を抱えています。
ここでご紹介した『英会話音読練習帳』でもいいでしょうし、
本格的な英会話を学びたい人はHapaでもいいでしょうし、
何かしら「Uプロセス」に沿って学べる教材を手に入れることを
お薦めします!
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