今の塾を含めた教育って、なんだかんだ言って「いかに生徒に知識と技術を詰め込むか」という発想で出来ています。
日本のゆとり教育は、ここから脱却しようとしてコケたわけですよ。
公立学校の先生達が一番この「詰め込み」教育を愛しています。
あと、前近代で止まっている塾の先生方。
もちろん、保護者もね。
だって、それが一番楽だから。
「考える教育」とか「自ら学ぶ教育」とかって、面倒くさ過ぎるわけですよ。
自分たちもやったことないし。
だから、学力が足りないっていえば、「よし、授業時間数を増やしましょう」って結論に向かうわけです。
例えば福岡市は今年度から、授業時数を増やすために夏休みを減らしています。
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また、福岡県立高校は「ゼロ時間目」を必修にして、さらに「放課後課外」まで強制参加に近いかたちで実施しています。
ご近所の学習塾さんも、夏休みは朝9時から夜の10時までフルコース。おまけに合宿だってさ。先生達も熱心なものですなー。(棒読み)
この状態で、2020年の高大接続改革元年を迎えて大丈夫なのでしょうか?
特に大手の学習塾で、一斉授業、たたみかけて配られるプリント教材、解説・答え合わせ・・・というような、伝統的な詰め込み学習で消耗しているお子様方の未来はちょっと危ないかも!(それと同じやり方で教育している公立学校もね!)
以前から書いてきたように、大手の学習塾を中心に、先手を打って「考える力」や「論理力」「議論力」などを鍛えるメニューを用意してきています。
そして、半歩遅れて関東を中心とした私立中学校でも動きが出てきているようです。
これについて、2016.07.18付けの日経新聞朝刊に、「私立中でユニーク入試急増」という記事(寄稿文)が掲載されました。
論者は安田教育研究所代表の安田理氏。
ところが16年度入試では、これまでの穏やかな変化が一気に加速、多様化が進んだ。英語入試、思考力テスト、ポテンシャル、リベラルアーツ、一能一芸、志、自己決定……。名称だけでは中身が分からない入試が急増したのだ。
※文中の太字は寺田による
私立中学としても、中学入試がゴールではない以上、預かったお子さんをハイレベルな大学に合格させるために準備万端ですよ、とうたわないといけないわけです。
そして、恐らくはそういう私立中学校・高校では、授業改革も急ピッチで進んでいるはずです。
で、公立学校、地方の学習塾、
はたまたそこに子どもを通わせる保護者は?
ゴールを
「次のテストで1点でも点数をとらせること」
「高校入試に合格させること」
に置いてしまっていませんかね?
その先の方が長いんですよ。実はね。
ぎゅーぎゅーに詰め込んだ知識が、大学以降いかに役に立たないかは、身をもってご経験済みでは?
でも、考える力とか判断力とか作文力とかってのは、一度身につけると、どんどん磨かれていくものなんです。
子どもにどっちを与えましょうか?
小学校高学年、中学1,2年生の保護者のみなさま、そろそろ思考回路の大転換をする時ですよ!
お子さんの未来を「高校合格」まででストップさせないためにね!