福岡市内の小中学校で【夏休み短縮】ですってよ、奥様!
なんでも、土曜の授業も復活させて、授業字数を年間30時間ほど確保するんだそうです。
小学校は来年度、中学校は再来年度から。
「市教委は16年度までに、全小中学校212校で冷房設備が整うため、学力向上に向けて夏休みを短縮し、授業時間を増やす検討を始めた。短縮した分を冬休みや春休みに振り替えることはしない見通し。」
──西日本新聞経済電子版より
「学力向上に向けて」だそうですよ。
ちなみに、月に2回の土曜授業(午前中)が復活すると、先生たちは長期休暇に合計12日前後の年休を消化しなければなりません。
一応「前8週間、後16週間のうちに休日を振り替える」ことになるそうですが絶対無理…
ただでさえ学校の先生たちは年休を消化できないんです。
研修だの、部活だの、担任だのいろいろあって。
その負担を増してまでやるることになった、直接のきっかけはこれしか考えられません。
これは小学校6年生の国語のデータ。
算数は「ぎりぎり全国平均レベル」です。
ちなみに、中学校のデータを見ると国語も算数も全国平均をしっかり上回っています。
⇒福岡市が公開している分析資料
もう1つ蛇足ながら付け加えますと、全国の主要国立大学(7旧帝国大学+筑波+東工+一橋)の都道府県別合格者数、「センター志願者の中で主要国立大学に合格した率」を見ると、実は福岡県は全国トップレベル(合格者数で全国6位、合格者占有率で3位)。
(※ソースはこちら⇒「教育改革かわら版」)
あくまで都道府県の話ですので、上記「福岡市」とは話が違いますが、福岡県の国立大学合格者数の大半を市内御三家が占めていることを考えれば、あながち間違っていないかと…
まぁ、あくまで参考程度にどうぞ。
ということは・・・「小学校の先生、もっと授業力を高めよう!」というお話になりそうですが…?(^^;
「成績悪いね!」⇒「勉強時間増やそう!」は短絡的過ぎる
なぜ夏休みを減らしてまで授業時数を増やそうと思ったのか、その真意は定かではありませんが、上記の通り全国テストの結果が響いているように見えてしまいます。
しかし、もしそうだとしたら教育委員会の皆様は、データ分析ができない文系でしょうか?
小学校の成績が悪くて、中学、高校に行くに従って成績が上がっているとしたら…
小学校と中学校の違いを確認する必要がありますよね。
授業時数の問題でないことは間違いありません。実はすでに文科省の定める標準時数よりも多いんですから。
(数年前ですが、福岡市議会での教育長答弁で「すべての小学校で標準時数を上回っている状況」と語られています。)
すでに多いのに成績が悪いってことは、時数を増やしたって効果は期待できないのでは?
胃腸が悪くて消化不良を起こしている人に「お前が太らないのは、食べる量が少ないせいだ」って、無理矢理食べさせているような印象です。
中学校の成績が高いのが、中学校の先生の努力なのか、学習塾のおかげなのか。
高校はどうなのか。
小学校に何を持ち込んだら解決するのか。
そのあたりもちゃんと調査して、専門家の意見を踏まえて仮説を立てた上で実施して欲しいものです。
もちろん、実施後のフォロー調査、フィードバック分析もね!