今年、あなたは何冊の本を読み、何冊の本を「読もうと思いながらスルー」したでしょうか。
私たちの体が「食べたもの」でできているように、私たちの知性は「読んだこと」「体験したこと」「考えたこと」でできています。
脳みそに汗しながら、じっくりと読んだ経験。
自分の思考の枠、体験の枠を越えて、世界を広げてくれる知識。
思考の材料として、よりよく、より速い判断を助けてくれる情報。
そんな、読書によって手に入る結晶たちが、私たちの未来を豊かにしてくれます。
だからこそ、「今」の貴重な時間を、「未来」の豊かさにつながるような時間にするための、価値ある読書を積み上げていきたいものです。
もちろん、本を読むこと以上に「読んだことについて考えること」は重要です。
私たちは読書、つまり情報の摂取によって成長するのではなく、それを徹底的に考え、自分の知性の一部として吸収する作業を通じて成長を手に入れるからです。
成長は、読んでいないときに手に入る。
これは、食事が「食べた後」の消化・吸収で血肉になり、筋トレが「筋トレの1-2日後」の筋組織の再生を通じて体を大きく強くするのと似ています。
だからこそ、ショウペンハウエルの箴言(しんげん)は大事に常に心に留めておきたいところ。
ほとんどまる一日を多読に費やす勤勉な人間はしだいに自分でものを考える力を失っていく。
そういうわけで、いい本をたくさん読みましょう。
そして、さらにいい本を少数じっくり読みましょう。
そして、さらにそれら読んだ本を触媒にして、思索にふけりましょう。
そして、さらにその知性の結晶を武器に行動を起こし、自分の世界を広げ続けましょう。
最終的には「行動した」という経験だけが、あなたならではの価値を作ってくれます。
書物はどこまでいっても他人のものですが、行動から手に入れた感覚・体験はあなただけのものですから。
読書は行動の準備。シミュレーションです。
でも、何事も「準備が9割」ともいいますからね。(^^*
いい本をたくさん読んで、未来につながるいい準備をしておきましょう。
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今年、私が読んだ本ベスト10
私はそれほどの多読家ではありません。
今年買った本が300冊くらい。
読んだのは、多分、その半分以下。(汗)
そのあまり多くないリストの中から厳選の10冊をご紹介します。
ただし、『7つの習慣』のような毎年読む名著は割愛しています。
自己啓発系の本
子育て中のお父さん・お母さん。
部下を育成する上司のみなさん。
そんな「育てる」ことに携わる皆さまに、是非とも読んでいただきたい1冊。
今年、私が読んだ中で一番「多くの人に読んでもらいたい!」と思った本です。
☆『英雄の書』
きっと、人生の中で「挑戦する」ことにワクワクしてきますよ。(^^*
ブログにも書いていますので、よかったらこちらもどうぞ。
[blogcard url=”https://www.kotonoba.jp/blog/into-mouth-of-wolf/”]
挑戦することがワクワクする系の本でもう1冊。
楽しく、気軽に読めて、しかも明日からの仕事で「新しい挑戦」をすることにワクワクしてくる、すごく素敵な一冊です。
☆『仕事は楽しいかね?』
アマゾンのレビューが200個も付いているところを見ても、この本がどれだけ読まれ、愛されてきたかが分かります。
しかも、全208レビューのうち☆4と5が合計で「167」です!
新年に読むには最適かも知れませんね!
子育てにからんですごく刺激を受けた本
今の自分の子育ては「子どもの生きる力を高めているのか?」ということを考えさせられます。
学術的な内容で、読んでいて知的わくわく感があふれてくる本ですよ。
☆『マシュマロ・テスト』
これについては、こちらのブログに書いております。よかったらどうぞ。
[blogcard url=”https://www.kotonoba.jp/blog/marshmallow-test/”]
もう1冊、子育ての方法について具体的な指針をもらった本。
我が家の息子のお小遣いは、2016年から「月々渡し」から「半年に1回ドンッ」に変わりますが、これはこの本の影響です。(笑)
☆『お手伝い至上主義でいこう!』
これもブログで書いております。
[blogcard url=”https://www.kotonoba.jp/blog/bring-up-survivor-skills/”]
「学びの投資対効果」について考えさせられた本
教師時代を含めて教育に携わる者として、すごく反省させられた本。
同時に、何かについて「説得力を持って語る」ということはどういうことなのかをあらためて考えさせられた本です。
私たちが何となく感じている都市伝説
- 「ゲームをすると学力に悪影響がある」
- 「ご褒美で釣って勉強させるのはよくない」
- 「少人数学級は学力向上にいい」
といったものを、データで冷静に分析して、現時点でのもっとも科学的な答えを提示しています。
もちろん、これを絶対視するのではなく、類書とのズレ、自分の価値観とのズレについて検証する責任は読者に残されていることは忘れないようにしましょう。
☆『「学力」の経済学』
もう1つ、「英語学習の真実」について最大のインパクトがあったのがこちら。
☆『英語習得の「常識」「非常識」』
- 「単語は文章の中で憶えるべき」
- 「語学は子ども時代にやらせた方がいい」
- 「英語力を伸ばすには、最後は多読しかない」
英語学習法に限定して、その話って単なる都市伝説?それとも科学的に正しいの?ということを解説しています。
これらの言説は真実なのか? ということを科学的な研究によって判明したデータを基に1つ1つ俎上にのせつつ回答を与えています。
教育について哲学させられた本
読書会の課題図書として採り上げてみて、参加者のみなさんからも高評価だった本。
「教育って何だっけ?」というそもそも論について、自分の中で深く哲学し直させられた一冊です。
内容は学術的というよりは、教育に関する著者の思いがつらつらと書かれたエッセイですが、著者の教育に対する真摯な想いが、独特の言葉のつむぎ方によって、非常に強烈な印象と説得力を持って伝わってきます。
人に指導する、何かを教える、子どもを育てているなど、何らか「教育」に関わる方なら、ぜひ読んで欲しいところです。
☆『街場の教育論』
次の本は「目から鱗が落ちた!」としか言い様がない本。
毎朝1時間のランニングを必須にすることで、町全体の高校生の数学・理科の成績が劇的に上がったというレポートは、相当衝撃的です。
よし、うちの息子にも動きの激しい球技をさせよう!
☆『脳を鍛えるには運動しかない!─最新科学でわかった脳細胞の増やし方─』
[blogcard url=”https://www.kotonoba.jp/blog/build-up-imagination/”]
スピリチュアル系の本
スピリチュアル系の本というのは、基本的に科学的・学問的な根拠はなく、すべてが著者の体験から編み出された独自の持論で埋め尽くされています。
ですので、後は「信じるか、信じないか」という問題。
私がこの本を素直に読めたのは「著者の石田氏を知っている」から。
そして、著者の生き様、その周囲にいる人たちの不思議体験の数々をSNSを通じて眺めているから。
ま、SNSってのは「ポジティブな体験と意見」だけが出てくるメディアなので、そりゃ肯定的にもなるってもんだろうという話ですね。(笑)
それはともかくとして、この本に書かれている内容は速読という、ともすると魔法、まがいものとして扱われかねない技術の修得メソッド(でも堅実なんですよ・笑)と非常に似ており、とても納得感の高いものとなっています。
☆『運がいいとき何が起こっているのか』
ちなみに「運なに 144ページ」でgoogle検索すると、いろいろ面白いエピソードが出てきますよ。(^^*
もう1つ。
なんだかすごく売れている本ですよね。思わずのせられて買っちゃいました。(笑)
そして、感心しました。
「よくこれだけ薄い内容で、1冊分の文章を盛れたな!」
ですが、「願いを叶えるために、紙に書く」という非常にありきたりで、よく聞く内容を、ここまでかみ砕いて解説している本って私は初めて読みましたので、素直に「よかった」と思えました。
私自身、紙に書いて夢を実現するというのは、この6年間ずーっとやってきましたが、2016年はこの本に書かれていることを素直に取り入れてみようと思っています。(^^*
☆『幸運を引き寄せたいならノートの神さまにお願いしなさい』
多分、来年初めに「ノートの神さまにお願いして夢がかなう!幸運引き寄せ実践ノート」みたいな単なるノート(日記帳)が同じ出版社から出てくるのではないかと。(^^*
『運がいいとき…』の石田さんの前作『夢がかなうときなにがおこっているのか』にも、願望成就のための書き込みノートが付録で付いていましたので、それを使わずに放置していた人は、この本を参考にしてやり直してみてはいかがでしょうか?
ちなみに、この「夢なに」もすごくいい本でしたよ。d(^^*
人にもぜひ勧めたいけど、もはやどこにも売ってない本
この1年間で何回か紹介したら、Amazonマーケットプレイスからも、日本中の古書を検索できるシステムからも在庫がほぼなくなってしまった貴重な本。
(2015年12月29日現在、Amazonマーケットプレイスで32,800円で販売されているのが唯一。)
今年1月に読書会の課題図書として読み直し、さらに大学の授業のテキストとして読み直しましたが、やっぱり何度読んでもうならされ、自分自身のあり方、学びのあり方について自省を促されます。
☆『影の学問 窓の学問』
※追記:こちらに安く売ってました。(汗)
ちなみにこの本、私が18歳の時に初めて読みましたが、それ以来「人生における最高の3冊」として『ソクラテスの弁明』『学問のすすめ』と合わせて挙げる本でもあります。
ということで、私の2015年のベスト10を紹介してみました。
来年はもっといい本との出会いを求めて、たくさん本を読み、さらに多くの時間を思索と哲学に使いたいと思います!