英会話教室のGABAが、2016.01.20付けニュースリリースで、「子どもの受験と英語教育に関する調査」の結果を公表しています。
[blogcard url=”http://www.gaba.co.jp/release/release160120.html”]
インターネットで1000人の小中学生の子どもを持つ20-50代の父母に踏査をおこなったとのこと。
いろいろな親御さんの意識が垣間見られて面白いのですが、その中でも興味を引かれたのが「英会話」のデータ。
Q.もしも、子どもの英語教師を選べるとしたら、どのような能力や経験に秀でた先生を選びたいか。
それに対する回答結果がこちら。
- 1位:英会話力を伸ばす、コミュニケーション重視の授業を行うことができる先生(53.9%)
- 2位:ネイティブの発音で話すことのできる先生(52.3%)
- 3位:留学などで、海外で過ごした経験のある先生(40.1%)
ここでいう「英語教師」が何を指すのか不明ですが、アンケート全体が「学校での英語教育」の話なので、当然「小中学校の英語の先生」でしょう。英会話教室なら「英会話講師」と表現するでしょうからね。
ちなみに1位と2位は、お父さんとお母さんとで認識のズレがあります。
「コミュニケーション重視」の方は母親64.6%、父親43.2%、「ネイティブの発音」の方は母親56.8%、父親47.8%という結果。10ポイントほどの差があります。
先に紹介したベスト3には入っていませんが、実は4位に「洋画や洋楽を例に出すなど、飽きさせない工夫ができる先生」というのがランクインしており、これも父親26.6%に対して母親41.0%と15ポイントほどの開きがあります。
確かに学校教育の中の英語は「コミュニケーション」を重視しています。
しかし、こちらの記事で紹介したように、「楽しい英語の授業」は誠に残念ながら「英語力」につながりません。そもそも、高校、大学といった高等教育やビジネスの現場で必要とされる英語力は圧倒的に「読み書き」の能力なのです。
それを実際に体感しているから、中学生もこんな意見を語っているわけです。
中学1年生の8割が小学5〜6年生の時に受けた外国語活動の授業で「もっと英語の読み書きをしたかった」と考えていることが、3日(註:2015.07)、文部科学省の調査で分かった。
── 日経新聞 2015.07.04 朝刊より
このアンケート結果から分かることは?
世のお母さん方は「教育熱心」のようでいて、その「教育」とは「子どもの未来への投資」ではないということ、でしょうか。
あくまで自分の感覚で、コンプレックスに感じていること、あこがれていることを子どもに与えたい、そんな印象です。
アイドルに憧れた母親が、娘にその夢を投影して・・・というのと似ているのかも知れません。
英会話力に結びつかない英語教育は問題ですが、英会話を上手に教えても学問にはつながりません。
ネイティブの発音がいい!なんて発想は、単に作られたイデオロギーレベルのものであって、世界の中で見れば、アメリカンイングリッシュは「英語の一方言」に過ぎないのです。
洋画や洋楽に至っては・・・!!
子どもへの教育を「子どもの未来への投資」と考える、理性的なお母さんは、ぜひ自分のコンプレックスや憧れを投影してしまわず、冷静に子どもの未来に何が必要かを考えてくださいね!