勉強をしていて眠くなったとき、あなたはどうしますか?
「仮眠を取る」という方がいる一方で、
「起きた後に頭が働かない」とか
「結局、眠気が取れなかった」という経験をして
「眠くなったら寝るしかない」という方も多いことと思います。
あるいは「コーヒーを飲んでがんばる!」という方も?
実際、昼食後あるいは夜の勉強の最中に、
「眠気」にどう対処するかというのは、
資格試験の勉強や、風呂敷残業をする人にとって
かなり切実な問題です。
眠気を我慢しても、集中力が上がりませんし、
ミスも多くなりがちです。
後でノートを見直したら、
意味不明なイトミミズのような記号が
並んでいた…なんてこともあるかも?
やはり仮眠を取って、すっきりとしてから
その後の学習や仕事に取り組みたいものです。
今回は「科学的に正しい仮眠の取り方」についてのお話です。
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1.姿勢:どんな姿勢がいいのか?
寝るのに「姿勢」があるのか? と
驚く方も多いと思います。
でも、あるんですよ。
実は姿勢によって、眠りの深さが変わります。
体を完全に横たえて眠ると、眠りが一気に深くなります。
起きた後も頭がぼーっとしてしまうのは、
脳波が下がった状態(θ波・δ波)なのですが、
これは「眼」が開いていても、
脳が眠った状態を引きずっているんですね。
これを睡眠慣性といいます。
そして、体を横たえず、
ある程度、角度のある椅子の背もたれや壁に寄りかかって
眠るようにすると、眠りが深くなりにくいため
寝起きがすっきりします。
これは、電車やバスで眠っても、
目が覚めたら、意外とすっきり行動できることからも
なんとなく想像がつくのではないでしょうか。
つまり
仮眠は、壁にもたれかかって寝よう!
というのが、ここでの結論。
2.時間:何分ぐらい寝るのが適当か?
一般的には、30分以上寝ると
睡眠が深くなりすぎてよくないといわれます。
15~20分が理想だという話を聞いたことがある
という方も多いかと思います。
ただ、15分だと「ぜんぜん寝た気がしない!」という
不満が残ることも多いもの。
時間を考える時に問題になるのは
眠りが深くなりすぎること。
ここで1の姿勢の話が絡みます。
横たわって30分寝ると、一気に眠りが深くなります。
しかし、横たわらなければ大丈夫。
つまり、1の姿勢とセットで考えると、
横たわらず、壁にもたれかかって30分寝よう!
ということなんですね。
4.タイミング:いつ寝るのがいいのか?
勉強をしていて本当に耐えられなくなったときに
仮眠を取る、というのが一番多いパターンでしょうか。
これなら「寝入りが悪い」こともありませんので、
20分程度の短時間仮眠でいいでしょうね。
ですが、夜の仮眠は危険を伴います。
体のリズムからいっても「本当の睡眠」に
向かっていますので、
目覚ましで起きられず、そのまま朝を…
という悲劇も起きがちです。
また、寝過ぎると、本当に寝ようとしたときに
目が冴えて眠れなくなるということも。
ですので、今日は寝不足だけど、夜がんばらなくっちゃ!
という時は、先を見越して昼寝をしておくのが
お薦めです。
4.カフェインの活用:コーヒーで眠気が取れるのか?
実は、残念ながらコーヒーで眠気が取れるわけではありません。
だから「仮眠をとらずにコーヒーでなんとかしよう!」
というのは、基本的に間違い。
カフェインには、頭をすっきりさせ、
寝起きでも快適に知的な作業をこなせる、
そういう役割があるだけです。
ですから、眠気を取るのは「仮眠」で。
頭をすっきり働かせるのは「カフェイン」で。
そう考えて組み合わせて活用しましょう。
つまり、仮眠の前にコーヒーを飲んでおこう!
というのがここでの結論。
2015年12月に、若い男性がカフェイン中毒で死亡したというニュースが世間を賑わせました。
死亡に至るような事故は滅多にあるものではありませんが、過剰摂取には注意しましょう。
一応、目安はコーヒーカップ3-4杯に抑えるのがよいそうです。(埼玉医科大学、野田光彦教授談)
ちなみにお茶はというと、玉露のカフェイン量はコーヒーの3倍弱、ほうじ茶・煎茶は3分の1くらい、紅茶が半分くらいってところです。
まとめ
- 1.可能なら、先を見越して30分以内の昼寝をする。
- 2.夜、どうしても眠くなったら20分間の仮眠を取る。
- 3.仮眠の前に、コーヒーや濃いめの緑茶を飲んでおく。
- 4.壁にもたれかかる姿勢で寝る。
- 5. 起きたら背伸びをして、顔を洗ってしゃっきりする!
こういう「知っているか知らないか」で
学習や仕事の効率、成果が変わることって
かなりありますよね。(^^*
大学受験・高校受験もいよいよラストスパート。
残り1ヶ月を最高のコンディションで走り抜けるためにも、
睡眠は十分に取って、体調管理を万全にしてください。
もし、どうしても眠くなったら、
ここで紹介した方法で仮眠を取ってがんばりましょう!
※仮眠に関する参考資料
若島恵介氏・辛島光彦氏による論文
『うつ伏せ姿勢による昼休みの短時間仮眠の効果について』