中学生の学習に限ったことでなく、私たちの日常的な学習法として「下線引き(アンダーライン・マーカー)」は、かなりポピュラーです。
でも、これちょっと学習効果として高くないというか、あまりよろしくない学習法と考えられています。
これと同じ発想で、「ひたすらワーク(問題集)を解く」というパターンもやっちゃダメなやつです。
中学生の社会や理科(生物・地学分野)の試験対策として、ついついやりがちな勉強法ですけどね…。
それはなぜか?
学習が断片的な情報の単純暗記になりがちだってことと、問題で練習したところ以外の部分、アンダーラインなどを引いていない部分の理解が極端に下がる可能性があるからです。
学術的な研究でおこなわれた実験において、アンダーラインを引いた生徒は、アンダーラインの部分に注意が行くため、アンダーライン部分の問題が出されると正解できる傾向にあるものの、それ以外のところを出題されると正答率が極端に下がることが分かっています。
また海外の研究では、アンダーラインを引いたり、マーカーを引いたりすることで、テキスト全体から仮説を導き出すことも阻害する要因になるとしています。
問題集の反復も同じ問題をはらんでいると考えられます。
中学生向けの問題集は、短答式問題や虫食い問題が多く、それを徹底的にやったとしても、パターン練習、単純暗記学習にしかならない可能性が高いわけです。
用語や年代、人名を憶えることは重要です。
そのために一問一答式のテストや、短答式の問題集に取り組むことは効果的な学習と言っていいでしょう。
ただ、その大前提として、テキスト全体をまんべんなく、十分に理解している状態が必要です。
少なくとも、テキストに書かれていることは、どの部分を尋ねられても再生できるという状態。
つまり、何かを問われた時に、どの部分も均等に思考に採り入れられる状態ってこと。
その上で、いろいろな問題にチャレンジして、自分の中に入っている語句や概念をどう組み合わせて適用していくか練習するわけです。この出力練習は、いろいろなパターンを試しておきたいところ。
ということで、暗記科目で「結構、勉強しているのに点数が伸びないなー」って感じたら、「ちゃんと教科書全体を、満遍なく何度も読んでいるか?」ってこと、確認してみてくださいませ!