ようやく昨日(12/29)で今年2015年最後のレッスンが終わりました。
公立高校の教師から速読講座、読書講座の主催者に転身して丸14年。
ようやく、自分の今の仕事も「教育」なんだと思えるところまでたどり着けました。
やっていることが14年前の起業当時と変わったわけではありません。
ただ、マインド、というか「自分の定義」が変わっただけです。
それでもこのマインドが変わると、すべてのあり方が変わるんですね。
単に速読技術の提供者だと考えれば、「本をどう読むか」にフォーカスした指導だけを考えていればいい。
「教育者=成長を支援する者」であると自分を再定義すると、やるべきことがまったく変わってきます。
「どんな本を読むか」
「本を読んだ後に、どういう処理をして出力につなぐか」
「何を意図して、どういう成長のデザインを描き、実行するか」
── 今では、そんな成長のマネジメントまで支援させていただいています。
きっと、どんな仕事でもそう。
「自分は何屋か」を明確に定義することで、伝えるメッセージも、やるべき仕事も変わります。
そういえば、最近読んだ『教師はサービス業です』という本は、なかなかユニークな本でした。
☆『教師はサービス業です』
モンスターペアレントの存在、
増える心の病に倒れる先生、
あるいは大いに注目を集めた「保護者を学校が訴えた」ニュース…などなど
ニュースでしばしば耳にする教育の厳しい話題について、苦情対応のプロの視点から、かなり斬新な切り口で語った本です。
何が斬新かというと「教師はサービス業だ」と再定義することこそ、増え続ける学校トラブルに対応する鍵だという発想です。
確かに、教師自らが「教育者だ」という自負心が強すぎると、保護者からの苦情対応に失敗しそうです。これは教師時代の自分を振り返っても、そう思います。
「これだけやってるのに、何言ってるんだ。だいたいお前の子どもが悪いんだろう。」という気持ちで、保護者に対応する先生は非常に多いはず。
でも、その相手たる保護者は、30年前のように教師に対して敬意を持っていないかも知れません。
地域のつながりが弱くなり、気の合う保護者同士がSNSで密に連絡を取り合うことで、ネガティブな情報・思いが集積、増幅しているかも知れません。
教師の下半身問題や組み体操などの過剰指導問題などのニュースを通じて、そもそも教師・学校への不信感を持っているかも知れません。
そんな中にあって、教師・学校の側だけ「教育者だ」という変わらぬスタンスを貫いていては、確かに軋轢も大きくなろうってものです。
「自分はサービス業に従事している」と再定義することで、苦情対応のトレーニングであったり、自分のサービスに不満を持っているお客様の気持ちに寄り添った対応をすることだったり、そんなことができるようになるのかも知れませんね。
これって企業が当たり前にやっていることですから。
といっても、企業がちゃんとやり始めたのも、ここ10年でしょうか。
もちろん、根本にある「自分の商品力を高めなくても何とかなる」という公務員根性も変えないとだめでしょうね。そこが一番の問題だったりして…。(苦笑)
書籍のレビューを見ると、教師とおぼしき人が「著者は教育論を語る力がない」という批判を力強く(?)書いています。
著者の意図を読み取る力がないというより、そういう文化を持っていないために、真意をくみ取れなかったのだろうと思います。ちょっと残念。
かほどに「自己の再定義」というのは難しいものだということなんでしょうね。
この本を読んで思いました。
ひょっとすると「モンスターペアレント」という存在は、社会が生み出し、教師と学校が育てているのかも知れませんね。
最初の小さな苦情の段階で、真摯に苦情を言う保護者の心に寄り添えていなかったために、クレーマーに育ててしまっているのではないか?
そもそも客観的に見て、プロたるにふさわしい自己研鑽ができておらず、尊敬の念の代わりに不信感というベースを作ってしまっているのではないか?
学校という組織がサービス業を提供するプロ集団としての体裁をなしていないために、保護者の不満を増幅、多発させているのではないか?
もちろん、どの業界でもクレーマーは増えています。
そういう時代だからこそ、教師・学校も「自己の再定義」を通じて「自分たちは何を提供し、そのためにどんな努力をしなければならないのか」を考え直す必要があるってことでしょうか。
あなたの仕事、ビジネスはできているでしょうか?
時代にふさわしい定義づけ。
未来を見通した定義づけ。
定義づけから、再び仕事を俯瞰した、「どんなサービス・商品を、どう提供するか」「そのために、どんな取り組みをするか」という再プランニング。
私も2016年、さらに価値のある教育サービスをご提供できるよう、学びと成長をマネジメントしていきたいと思います。(^^*
モンスターペアレントは誰が育てているのか?
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