昔から「記憶」については様々なことが語られてきました。
一番よく語られるのが「エビングハウスの忘却曲線」。
これを根拠に「その日の夜、3日後、1週間後、1ヶ月後に復習…」というような話をされている方は多いものです。
ただ、エビングハウスが研究で使ったのは無意味な数字の羅列。
意味のある学習内容の記憶とは、質的に違いすぎて、あまり厳密にとらえることはできません。
ま、だいたい「直後から忘れ始めて、3日以内にきれいさっぱり忘れてるよね」というくらいの理解で間違いないでしょう。
復習のタイミングも「復習のやり方」とセットで考えなければならないわけで、それについては過去の記事で語ったとおりです。
ヒトコトで言えば「忘れかけてきた頃に思い出すワークをしたらいいよ」というお話。
[blogcard url=”https://www.kotonoba.jp/learning-tech/not-mindmap-but-writing-essay/”]
ちなみに、タイトルにした「記憶にいい時間帯は?」ということについて、これまで「早朝(朝4時くらい)から午前10時くらいがいい」と、まことしやかに語られてきました。
私は自分が朝型生活をしていながら(というか、その体験から)「早朝はよくない」と指導してきました。
そして、今年の新春過ぎた頃に「早寝早起きは身体に悪い」という学説が世間を賑わせましたよね・・・。
[blogcard url=”http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45782″]
そして、この衝撃的な解説。
体内時計は身体のあらゆる部位に存在します。例えば脳の視交叉上核という場所に体内時計が備わっていますが、早起きすることによってこれがズレてしまうと、著しく脳の機能が低下します。すると集中力や記憶力、コミュニケーション能力などが著しく減退してしまうのです
早朝が記憶にいいという説はいったい何だったんだと苦笑するしかありません。
んで、この「記憶にいい時間帯」について、最近新事実が発見されたんですよ。
2016年10月1日の日経新聞にこんな記事が掲載されていました。
起床直後学習 記憶長く続く
(前略)
目覚める頃に増えるタンパク質が、記憶しやすさを決めていることが分かったという。
(中略)
マウスは一般に夜行性で、目覚めた直後とその4時間後に学習したときが最も記憶が長続きしやすかった。
ただ、これはマウスの実験結果であって、まだ人間では確かめられておらず、目下のところサルで実験中なんだとか。
マウス君が何時に寝て、何時に起きているのか不明ですし、眠った時間がどうか、それが適正な睡眠時間なのかも分かりません。
ですが「起床」の頃に出る化学物質が記憶を強くするのであれば、先の記事とセットで考えると、こんな結論になるでしょうか。
朝9時くらいまでゆっくり寝て、
起きたらすぐ記憶系の勉強をしよう!
ま、生活のスタイルとかいろいろからみますからね。しかも復習によって強化していくことの方が重要ですから、1つのヒントに過ぎませんが。
あ、そうだ。
あともう1つ。
寝る前に記憶すると、睡眠中にそれが反芻されて定着がよくなるというのは、現段階では科学的に正しいと言ってよさそうです。
以上、ご自身の勉強のスタイルを見直す参考にしていただければ幸いです!