時々、「うちの子、勉強中ずーっとYouTubeを再生しっぱなしで…」
なんていう恐ろしい相談を受けます。
いや、他人事のように言わないで、断固「あかん!」って言いましょうよ。親なんだから…。
とはいうものの、じわじわと既成事実を積み上げて来た結果その状態なわけで、親としては、あまり強く言ってもどうせけんかになるだけだから…なんて諦めモードになりがちなんですね。
それで「寺田先生のところで、しっかり指導してもらえないでしょうか?」という相談になるわけです。
スマホ版ながら学習の弊害
昔からラジオを聴きながら、テレビを観ながらっていう「ながら勉強」はあったわけですが、スマホの場合はちょっと事情が違う可能性があります。
- YouTubeの場合、1つ1つの番組が短いため、次に何を視聴するか能動的にYouTubeに関わることになる。
- LINEやSNSの通知は、脳の集中状態を破壊することが科学的に判明している(いわゆる中毒症状)。
- スマホの画面の情報過多が原因と考えられていますが、そもそも脳の機能を低下させている可能性がある。
といった話です。
YouTube/LINEを止めさせられた事例、ダメだった事例
過去に3人、「先生のところで指導してもらえないか」という相談を受け、指導を引き受けたことがあります。
中2女子の例
初めは速読講座に来ていたのですが、全然成績が上がらないというか、読書も身にならない感じでした。
2ヶ月くらい経過したところで「ご相談が…」ということで保護者面談しましたところ、スマホは与えていないが、iPodを持たせており、それでLINEをやっている(親のアカウントかな?)とのこと。
とにかく勉強中はずーっとLINEの通知が来っぱなしだそうで…。
その子の場合は、LINE通知の弊害と「ながら勉強」の弊害を丁寧に語って聞かせることで、すぐに止めることが出来ました。
まぁ、ちょっと変わった学習指導をしているってことで、信頼してもらえていたのだと思います。
併せて、6日間ほど「勉強のやり方」を指導しました。
その子は定期テスト対策が完全に学習塾依存、プリント依存でしたので、主体的に学習することの重要性を示しつつ、どう勉強したらいいかということを、具体的に指導したんですね。
その結果、5教科すべてにおいて、約25点アップ。60点台だったテストが、ほぼすべて90点前後になりました。
指導したのは
- 高校卒業までiPodは親に渡す(LINEも一切やらない)という約束(の指導)
- 勉強の具体的な取り組み方、テスト勉強への取り組み方の指導(6日間×3時間のみ)
これだけでしたが。
集中力を阻害する要因を排除できたのと、「自分で勉強したら、どんどん分かるようになる!」という実感(自己効力感)を持たせられたことが勝因かなって考えています。
中3男子の例
その子はYouTubeに度ハマリしておりまして、親もiPadを取り上げないといけないと思いつつ、反抗期が怖くて言えずにいたそうです。
ことのばに連れて来られて1ヶ月ほど経過して、勉強のやり方が分かって「勉強が楽しい!」というモードになってから、さりげなくiPadに話題を向けました。
ここまで勉強のやり方が分かってきて、楽しくなってきたでしょ?
うん。これなら絶対成績上がりそう!
せっかくだからさ、受験も近づいてきているし、もうひと頑張りしようか!
これまでにさ、せっかく勉強してるのに全然成績が上がらなかったやつってのがいてね。後で分かったんだけど、そいつYouTubeにはまってて、家では全然勉強できてなかったんだよ。スマホって集中力を下げて、頭を悪くする作用があることが分かっててさ…
・・・
えっ?ひょっとしてiPadとかスマホ持ってるの?
はい。iPadを…。YouTubeとかよく見てます。
そっかー。YouTubeって楽しいじゃん。でもさ、今のYouTube楽しみと、来年の春の喜びと、どっちが大きいと思う?
来年の春ですね…
だよなー。じゃ、親にiPadを預けようか。3月まで。
はい。そうします…。
という感じで、すんなりとiPadを手放してくれました。
この男子生徒の場合、勉強が楽しくなってきたところで提案できたのがよかったかなって感じです。
高2女子の例
この子はうまくいかなかった例です…。本当に申し訳ないんですが…。
うまくいかなかったのは、勉強のやり方がうまくつかめなかったことが原因だと考えています。
某衛生予備校の授業を大量にとっていて(半年分とか授業料も払って)、学校の授業も消化できてないのに、予備校でも分からない状態で、それを処理出来ずにずるずると…。
勉強法の指導そのものは問題なく進んでいたわけですが、結局、成果を感じる前に学校+予備校の授業に疲弊し、そこからまたYouTubeに逃避するという悪循環が解消しませんでした。
脱YouTube/スマホの方向性は?
少ない事例ですが、私が実感しているのは、まずは勉強の楽しさを実感させて、勉強のモチベーションを上げることだろう、と。その上で、スマホの弊害などを説明すれば、思いのほかすんなりと脱スマホは可能です。(あくまで少数の例ですが)
ただ、高校生ともなると完全に止めさせるのは難しいので、「ルールを決める」ことをお勧めします。
実は記事冒頭のスターバックス・タイムの画像は、アメリカの小中学校の先生たちが利用している教材画像ダウンロードサイトから拝借したもの。
さすがアメリカ…としか言えませんが、生徒が授業中に「せんせー、音楽聞いてもいいですかー?」って聞いてくるんだとか!
アメリカの先生の実例
これはアメリカの授業風景を知らないと「想像を絶する話」になりそうですが、まぁ自由な雰囲気で、それぞれの課題をこなす場面を想像してください。
こちらのブログにその話が書かれているのですが、日本とあまりに文化が違いすぎて創造できませんよね…
授業中に音楽聴いていい?と言ってくる生徒たちに、ルールを与えたのだそうです。
その名も
「スターバックス・モード」!
先生はこんな取り決めをしたのだそうですよ。
- Headphones in if you want jams:ノリノリで聞きたいならヘッドホン着用
- You can sit anywhere (except somewhere dangerous):危険じゃなければ、どこに座ってもよし
- It’s Starbucks, so we’re all strangers here. Don’t be the weird guy who talks to strangers.:スターバックスなんだから、他の人にしゃべりかけるような変人になっちゃだめ
- Quiet, zen coffee shop vibes:禅コーヒーショップの雰囲気のような静けさを
これで、子どもたちにルールを徹底したところ、ストレスもなくなってよかった、と。
日本の学校に同じ事が起こるとは想像しがたいのですが、家庭ではすでに起きているわけです。
これを参考に、まずスマホの弊害をちゃんと理解し、子どもの未来を親子で共有した上で、うまくルールを決められるといいですね。(^^)
ちなみに先に紹介したブログにはこのような話が紹介されています。これはぜひ理解しておきたいところです。
A review of research published in The Guardian explains that students did not perform as well while listening to music as when learning in silence, and if students do listen to music, higher volumes tend to be more distracting. On the other hand, music can help improve one’s mood. Perhaps this could put students in the right frame of mind for completing their school work.
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▲寺田訳
ガーディアン誌に掲載された論文レビューによれば、生徒は静かに勉強している時と比べて、音楽を聴きながら勉強したときの成績はよくなかったという。音楽を聴く場合でいえば、ボリュームを上げて聞いている時は成績が悪化する傾向が見られた。その一方で音楽は聴く人の気分を盛り上げてくれることも確かだ。恐らく、そのことは学校の課題をこなそう!という気持ちを作ってくれる可能性もある。




