最近、中学生の親御さんからいただいたご相談。
「子どもが、どうやら授業をあまり消化できていないようなんです。
ノートを見たら、それなりに丁寧に書いてはいるんですが。」
ざっくり言いますとこんな話でして、「だから塾にやるべきか、何か手を打つ方法があるのか」というわけです。
結論から言いますと、何段階かのステップを踏みながら、3-4ヶ月の時間をかけて観察と試行錯誤は必要ですが、基本的に「授業の聴き方を変える」のが王道ですね。
以前の記事でも書いたことですが、「ノートを写す」というのは単なる作業であって学習活動ではありません。
[blogcard url=”https://www.kotonoba.jp/kids-sr/listening-and-note-taking/”]
ノートを工夫して作ることを通じて、授業の聴き方、学び方を学ばせたいところです。
※ノートのとり方については、いくつかお薦めの書籍があります。
またいずれご紹介いたしますね。(^^)
今日は「ノート作りと学力の関係」の調査を見つけたので、そちらをご紹介します。
調査をしたのはコクヨS&T株式会社(本社:大阪市/社長:八十 卓司)。
スムーズにノートを取れるシャープペンシルの発売に合わせて「筆記と学力に関するアンケート調査」(2015年5月29-30日)をしたというわけです。うまいですね!(^^)
ちなみに、調査対象は現役の高校生200名と中学生200名の計400名。(中学生は親と一緒に回答してもらう形式)。
※以下の記事内の画像・グラフはコクヨさんの提供です。
結論:勉強が得意な生徒は筆記スピードが速い
もう、最初から結論です。分かりやす過ぎる話なので!
勉強が得意な生徒は筆記スピードが速く、
勉強が苦手な生徒は筆記スピードが遅い傾向にある。
書籍『子どもの速読トレーニング』では、速読とは無関係ながら学力の基本を作るトレーニングとして紹介したのですが、まさにこういう問題意識があってのこと。
小学校4年生くらいまでは、「速く」という意識はあまり要りません。まだ「丁寧に書く」時期だからです。
この時期は「聞きながら書く」練習を、ゆっくり丁寧におこなうくらいでOkです。
しかし、6年生くらいになると筆記のスピードに歴然とした差が出てくるもの。
5年生くらいからは、「速く、だけど丁寧に書く」練習と「聞きながらメモする」練習とをセットで取り組ませるといいですよ。
このあたり、詳しくは『子どもの速読トレーニング』(P.84以降)をどうぞ。
⇒解説部分
勉強が得意な子は、この速さを「聞き取りメモ」に活かしているわけです。
勉強の得意と不得意は、授業を受ける姿勢が根本から違い、それがノート作りにも現れている、と。
そうなんです。
まずは「ただ板書を写すだけではなく、先生が話していることで大事だと思うことをメモしていってごらん」と促すだけでも、確実に授業を聞く姿勢が変わります。それだけでも、学力は大幅に改善するものなんです。
実際、コクヨの調査でも、この1年で「聞き書き」を行うようになった生徒(123名)のうちの78.9%が成績の“伸び”を実感しているという結果が出ています。
そのための下準備としておこなうべきことは何かというと・・・
- ノートの取り方の「型(フォーマット)」を学ばせる。
- 聞きながら書く練習をする。(速く丁寧に書く練習も!)
- 鉛筆をちゃんと削っておく。
といったところ。
そのノートを時々チェックしてあげて、聞き取りのポイント、メモの工夫などのアドバイスをしてやれるといいですね。(^^)
ちなみに、小学生の間は2BもしくはHBの鉛筆がお薦めです。筆圧をコントロールできないと、シャープペンシルの芯がすぐに折れてしまい、気が散るからです。
中高生になると、さすがに鉛筆を使うのには抵抗があるかも知れません。(私は高3まで鉛筆でしたが…)
そこでコクヨの新製品、”スピーディーに書いても折れないシャープペンシル”の出番、というわけです。(笑)
常にとがった芯で書けるクルトガか、この「折れない」コクヨのシャープペンシルなのか、迷うところですが、実際、「芯が太めのシャープペンシル」は書き味も滑らかでお薦めですよ。(^^*
それはともかく、ノートをちゃんと書いているのに成績がぱっとしない…ということでしたら、まずはノートの取り方を変えさせてみてくださいね!