■放送
■ご挨拶
おはようございます。塾に頼らず「学ぶ力」が育つEdu cafeラジオ、寺田正嗣です。
元中学・高校教師であり、現在は速読・読書指導と学習法指導をしている寺田が、塾に頼らず、子どもが自分から勉強を楽しんでやる、やった分だけ学力が伸びるそんなお話を、毎日ゆるりとお届けしていきます。
第5回目の本放送では、いよいよ期末テストが近づいてきたって方も多いと思いますので、「定期テストで自己ベストを更新する勉強法」というテーマでお届けします。
■本編
改めまして、おうちでできる学び方コーチ、寺田正嗣です。
ちょっと想像してみて欲しいんですよ。
そろそろ子どものテストが近いよねって思ってたら、子どもが自分からテスト勉強の計画を立てて、コツコツ勉強している、そんな姿を。
自分で苦手なところを見つけて、一人でそれを克服していくわけですよ…。
そんな我が子をさりげなくサポートしていけるよう、今日も学んでいきましょう。
さ、そういうわけで「テスト対策の勉強」の話なのですが、大抵の子はテスト1週間前になって、部活動が休みになったところから、バタバタと提出課題をかねて学校のワークとか塾で配られたテスト対策プリントとかに取り組むわけです。
ちょっと我が子のテスト勉強ってどんなふうかなって思い出してみてください。
よくやりがちで、やっちゃいけない勉強のやり方から確認しておきますよ。
- 何度も教科書を読む
- テキストの大事そうな部分に線を引く
- 覚えたい言葉や単語、漢字を何度も紙に書く
- 教科書を読みながらノートに整理して書いていく
- ひたすら問題集を解く
- 問題集の答え合わせをして、間違えた問題の答えを確認しつつ書き写す
- 基本問題から応用問題まで一気に畳み掛けて終わらせる
- 解けない問題に時間をかけてがんばって解いてみる
という感じですかね。
もう、たいていの子どもがやるパターンです。
そして、これって勉強した実感がすごくあるんですよ。「がんばったな」とか思うわけです。
でも、実際にはあまり効果的とはいえない勉強法なんですよ。
今日、これを全部解説していたら1時間くらいの番組になってしまいますので、今日はあくまで「テスト対策学習の進め方」に絞ってお話ししますね。
細かなTipsは、また個別のテーマとしてお話しできればと思っています。
とりあえずですね、勉強の出来・不出来って、「進め方」と「手順」にかかっているといっても間違いないんですよ。
なので、今日の話だけでも「手応え」と「結果」が変わりますので、ぜひお子さんにアドバイスしてあげてください。
まず、いつからテスト対策学習をし始めたらいいかというお話。
これは前のテストからの期間の長さにもよりますし、日頃の復習がどれだけできているかにもよるわけですが、2ヶ月ごとにおこなわれるようなペース、つまり中間テスト・期末テストというパターンですね、なら3週間前が理想です。ただし、最初の1週間は試験範囲の最初から総復習をすることになるので、日頃の復習がじゅうぶんにできているなら2週間前でも問題ありません。
この期間を4つに区切ります。もちろん、3週間前から始めると、まだ授業が進んでいるはずなので、そこは授業のたびに復習することにします。
最初の1週間は、全体の総復習です。
どんなことをやるかというと、各教科のテキストを読んで、自分がわかっていないところ、弱いところの確認です。なので、教科書の内容は分かっていると思えるなら、基礎レベル問題、基本問題を解いてもいいですね。
この時、基礎・基本・標準・応用/発展みたいなレベルベル問題になっているなら、「基礎」だけをひたすら進めるのがポイントです。
ちなみに、国語の読み物の勉強法はちょっと勝手が違いますので、これは明日に回しますね。
算数・数学の問題なら、小問4問から8問ごとに答え合わせをします。あるいは大問2つごとですね。
もし、解き方がわからない問題があったら、チェックをつけて飛ばします。1問につき、考えていいのは3秒までです。
そして、答え合わせのやり方がすごく重要です。
正解なら丸をつけて終わりでいいのですが、解くのに手間取ったり、解けなかったりした問題と、間違えた問題は、解き方・考え方を丁寧に確認します。この時、絶対に答えをかきこみません。
そして、今解いたすべての問題の答え合わせが終わったら、答えから離れて、つまり答えを見ずに、自力で解き直してみましょう。
ここで解き直して、またダメだったら、その問題、あるいはその領域は「やばい」かもというサインです。
もし大丈夫でも、また1時間後、あるいは他の教科の勉強の後に解き直しましょう。ここでまた間違ったら、やっぱりまずいぞというサインです。
こんな感じで、とにかく全試験範囲を一通り基礎問題に絞って終わらせます。
次の1週間は標準レベル問題に挑みます。これも答え合わせのやり方は同じですよ。
間違えた問題は時間を置いてその日のうちに解き直して、ちゃんと納得して解けるようにしておきましょうう。
基礎、基本、そして標準問題までは、解けない問題に時間をかけたらだめ。問題を解くのは、あくまで「自分がどの程度ちゃんと分かっているのか、できるようになっているのか」を確認するためです。「弱い部分を発見する」ことに意味があります。時間をかけて思い出したり、じっくり解いたりするのは無駄なのです。
そして、間違えた問題は「答え合わせをした後」「その1時間後」「その3日後」と、少なくとも3回解き直します。
そしていよいよ最後の「応用/発展問題」ですね。
ここまでで標準レベル問題が十分にできるようになっている前提がありますので、発展問題は時間をかけて、じっくりと考える練習として取り組みたいところです。
十分に考えても解けなかったら、やはり丁寧に解き方を確認した上で、少なくとも1時間以上空けて解き直しましょう。
この応用/発展レベルの問題集は2種類やるのが理想です。一度目、つまり一冊目で解けなくても、同じタイプの問題が2冊目に出てきたら対応できるようになっている、そんな状態になっていることを確認するためです。
《まとめ》
テスト対策は3週間前からスタートするのが理想。
1週間ごとくらいのつもりで、基礎レベル問題、基本・標準レベル問題、応用/発展レベル問題に取り組みます。基礎から応用まで一気にいくんじゃなくて、レベルごとに全体を流します。
答え合わせは「確認だけして、後で自力で解き直す」ことが重要です。
応用/発展レベルは時間をかけて考えて解いていいですが、基礎から標準までは3秒ルールを守りましょう。
■終わりに
ということで、第5回目となる今回は「定期テストで自己ベストを更新する勉強法」ということで、進め方と手順についてお話させていただきました。
お聞きくださり、本当にありがとうございました。十分にご理解いただけたでしょうか。
聞いただけだと整理ができていないという方のために、もっと丁寧に解説したブログの記事のURLを貼っておきますので、よろしければそちらも参照してみてくださいね。
明日は、今回スルーした「国語のテスト対策学習」についてお話しします。
もし、これをお聞きのあなたが、お子さんの勉強について何かお困り事や悩み事があるようでしたら、ぜひコメント欄で自由に質問、相談してください。
いただいたご質問とご相談には、科学的な知見と私なりの指導経験を元にお答えしていきたいと思っています。
そして、もしこれは役に立ちそうだなってお感じいただけたようでしたら、ぜひチャンネルのフォローやSNSでのシェアもお願いいたします。
では、今週もお互い、実り多い時間を過ごして参りましょう。