■放送
■ご挨拶
おはようございます。塾に頼らず「学ぶ力」が育つEdu cafeラジオ、寺田正嗣です。
元中学・高校教師であり、現在は速読・読書指導と学習法指導をしている寺田が、塾に頼らず、親は静かに笑顔で見守るだけで、子どもが自分から勉強を楽しんでやる、やった分だけ学力が伸びるそんなお話を、毎日ゆるりとお届けしていきます。
第3回目の本放送では、子育てにはつきものの「勉強しなさい!からの親子バトルをどう回避する?」ということで、子どもが自分から勉強するように仕向けるための3つのポイントを中心にお届けします。
■本編
改めまして、おうちでできる学び方コーチ、寺田正嗣です。
ちょっと想像してみて欲しいんですよ。
子どもが、親から勉強しろなんて言われなくても、勝手に机について宿題を終わらせしまう姿を。
親は「がんばったね」とか「早く寝なさいよ」っていうねぎらいの言葉をかけてやるだけ。
そんな平穏な日々、笑顔の親子関係が続くんです…。
ぜひ、この描いたビジョンを達成できるように、今日も学んでいきましょう。
まずですね、まぁ、親としては分かってることなんだろうけど、現実を見るためにお伝えすべきデータがありまして。
設問「自分がもっと勉強のやる気を出すために、親に希望することはどんなことですか?」
─その答えはどんなものだと思いますか?
第3位;もっと勉強しやすい環境を作ってほしい(30.0%)
これは「ほうほう、そうか」と納得いくものですよね。
では、栄光の第1位はといいますと、
44.6%の子が答えたものとは…なんと「勉強に口を出さないで欲しい」ということなのですよ。
いや、知ってた。うん。親としては。
追い打ちをかけるような調査結果が文科省から平成25年に出されていまして、
「子どもに「勉強しなさい」と言っている家庭ほど子どもの学力が低くなる」
というんですよ。
もうね、なんなんだよ、その相関関係はって感じです。
わかっちゃいたけど、そこまでかい!と思ってしまいますよね。実際。
結局ですね、日頃の生活の中の会話で「勉強をする意味」とか「将来の生き方」みたいな話をしていれば、自然と子どもの中に「勉強しなきゃ」っていう気持ちって育っていくはずなんですよね。それを抜きにして、「勉強しろ」ってだけ伝えてしまうと反発してしまうわけです。
だから「親子の日頃の会話が大事」という、まぁ当たり前の話は出てくるわけです。はい。
そういうわけで、今日のポイントのその1は「勉強しなさいは、成績を下げる魔法の言葉」です。
実際、長らく小中学生の読解教室と学習法教室をやっていましたが、子どもの勉強法指導とか読解指導は、そんなに大変じゃないわけですよ。
でも、それを妨害する親の「言葉」と「関わり方」をどう抑えるかってことに、かなりエネルギーを注ぐ必要がありました。
勉強しろっていわれてやる子は、言われなくてもやります。
でも、やろうかなって思っていた子で、言われたからやる気がなくなったということはあります。
トータルでマイナスなんですよ。
とはいえ、スマホとかスイッチとかいう大敵がいますよね。それをどうするか?
保護者の方からよく質問されるわけですよ。
「でも、YouTubeにはまってしまって、ぜんぜん勉強しようとしないんですよ」って。それでも勉強しろって言っちゃだめなのか、と。
はい。それでもダメなんです。
ここでポイントの2つめです。
ずばり「子ども自身に、スマホのルールを決めさせる」です。
ただねー、タイミングが難しいんですよ。
本人からルールを決めることに、それなりに前向きになれるタイミングじゃないとダメ。
うっかり半強制的な雰囲気で親が主導して決めちゃったりすると「お父さんが勝手に決めたようなもんじゃん!」みたいな反発が待っています。
とりあえず本人が「これはマズいのではないか」とリアルに感じるところまで我慢しましょう。
誕生日でもいいし、正月でもいいし、何かの「区切り」になるタイミングか、成績悪化のために保護者召喚みたいな反省せざるを得ないタイミングですね。
長い人生、「やばい」って自分で気がつくまで待つ時間って、なかなか大事なんじゃないかって思いますよ。わりかし本気で。
では最後。
「正しい勉強のやり方を教える」ってこと。
勉強しなさいって言ってもやらない大きな理由は「モチベーションがない」ってことなんですよ。間違いなく。
じゃぁなんでモチベーションが消えているかっていうと、勉強そのものの価値が分かってないか、勉強の中身に興味を持てずにいるか、先生が嫌いか、勉強のやり方が分かってなくて「やっても無駄・無理」と思っているかってことなんです。
モチベーションアップはこの逆をいくことになるわけですが、その中で何が強力なモチベーション源になるかっていうと「やればできる」ていう感覚なんです。自己効力感っていう言い方をします。
「やり方が分からない」っていう感覚と、「やったのに成績が上がらなかった」という体験は、この自己効力感を叩きのめる効果があるんですね。
だから「こういうやり方がいいよ」っていうことを、さりげなくアドバイスするのは、実は効果的なんです。そういう勉強法の本を買ってきて「こんなのあるよ」って渡すのもいいですね。
心理学の研究なんかで、その効果は明らかにされているわけですが、勉強法の指導をしている身としても、この価値、影響力は計り知れないと感じています。
勉強法の本なんて、いくらでも本屋さんに売ってるわけですよ。それを適当に、漫画で分かるシリーズでいいから、買ってきた与えるだけ。なんなら、私のTiktokチャンネルでもいいですよ。(笑) 3ヶ月限定でやった後、放置しているチャンネルですが、URLはっておきますので、よろしければどうぞ。
今、お伝えしたポイント3つ、「勉強しなさいは、成績を下げる魔法の言葉」、「子ども自身に、スマホのルールを決めさせる」、「勉強の正しいやり方を教える」を実践できたら、あとはゆったり構えてください。そして、子どもががんばっていたら褒める、疲れていたらねぎらう、努力を認める。これだけです。常に子どもに応援スタンスで接してあげてください!
■終わりに
ということで、第3回目となる今回は「勉強しなさい!からの親子バトルをどう回避する?」っていうお話させていただきました。
お聞きくださり、本当にありがとうございました。
明日は、ちょっと勉強から離れて、最近なにかと話題に上りがちな「部活動」の話をさせていただこうと思います。
そしてもし、これをお聞きのあなたが、お子さんの勉強について何かお困り事や悩み事があるようでしたら、ぜひコメント欄で自由に質問、相談してください。
いただいたご質問とご相談には、科学的な知見と私なりの指導経験を元にお答えしていきたいと思っています。
そして、もしこれは役に立ちそうだなってお感じいただけたようでしたら、ぜひチャンネルのフォローやSNSでのシェアもお願いいたします。
では、今日もお互い、実り多い一日を過ごしましょう。