「うちの子、難読症?」⇒悩むのではなく観察&相談を!

もう10年くらい前の話になりますが、小学校3年生のお子さんをお持ちのお母さんから、こんな相談を立て続けに2件受けたことがありました。

うちの子、音読ができないんです。
絵本でも教科書でもぱらぱらめくって「読んだ!」といって終わらせてしまうから、先生からいつも「まじめに読みなさい」と叱られてしまうんですよ。
どう対処したらいいんでしょう?

異口同音に、こんな話をなさったことを憶えています。
 
今でこそ世間に認知されてきていますが、「識字障害ディスレクシア)」の一種のようです。
 
文字を音にしようとする(文字を1文字ずつとらえる)と混乱して意味が分からなくなり、逆にぱっぱっとページをめくっていくとストレスなく意味が伝わってくる、というのが件の相談の子達の症状。
 
「読めているんだからいいじゃない」で終わりそうな話なのですが(というか、若干うらやましい?)、子ども達からすると、学校の先生が認めてくれず、いつもつらい想いをしていたそうです。
 
相談の時には特にお聞きしませんでしたが、おそらく算数の文章問題なども苦手だったのではないかと思います。
 
これについては、「これは一種の個性だ」ということを認めてやること、そして学校の先生に対しては「識字障害」という言葉を使うことで説得力を持って説明し、理解してもらうことで一件落着。
 
でも、実はこういう例って、結構あるものなんですよ。

「この子、なんで勉強できないの?」と思ったら、まず観察!

子どもが「勉強できない」という場合、原因は様々です。
単に叱りつけたり、呆れたりして終わらせず、まずはじっくり観察してみてください。
 
その上で、試行錯誤しながら原因となりそうなことについて、少しずつ対処していきましょう。
 
以下、私の体験から考える「勉強ができないタイプ」とその対処法です。
(ここでは「興味がない」とか「すぐ飽きる」とか、そういうレベルではなく、何か根本的に「できない」ようだと感じたときの話です。)

1.今やっている単元以前の基本的な部分ができていない

方程式をやっているのに、実はかけ算、割り算でつまずいていた…という場合、当たり前ですが、いくら方程式の説明をしても理解させることができません。
 
学校教育でも、英数国という「下の学校からの積み上げ」が重要な教科では、基礎となる学力の得手不得手が浮かび上がるようなテストをしている先生がいらっしゃいました。
中学校入学直後に、小学校1〜6年生の漢字テストを一通りやるだけで、その子が「何年生から勉強をやらなくなったのかが分かる」と、とある国語の先生がおっしゃっていたのを憶えています。
 
これは、指導者が「どの部分が分かっていないのか」を分析してやらないと、子どもには分かりませんからね。
 
この領域は「丁寧な観察」と「できていない問題の分析」が必要になります。
親御さんには対処できない可能性があり、その場合には、信頼できる塾や学校の先生に頼るしかありません。
ただ、先生にその力量があるかどうかとなると・・・。
 
そうなると、ベネッセのタブレット教材などICT教材が大きく力を発揮するところかも知れませんね。
実際、多くのICTの学習システムでは、全受講生のデータをデータベース化し、適切なレベルの問題を出したり、それ以前の学習内容にさかのぼって取り組ませたり、あるいは効果的な学習法法を提案したりしてくれるようです。

2.先生や親が助け船を出してくれるのを期待している

分からない問題に出くわすと、じーっと固まってしまう子がいます。
分からないというより、考えようとしないタイプ。
 
そうやって待っていれば、誰かが優しく教えてくれることを経験から憶えてしまっているのかも知れません。
 
自分で考えることを放棄し、テストや問題集でも適当に答えを書いたり、やり直し作業でも答えを丸写しするだけで終わらせたり…。
 
小学校低学年の頃には兆候が出ていますから、安易に手をさしのべたり、答え合わせをさせたりせず、「自分の力で考えて正解できるまで終わらせない」という根気も必要ですね。
これは親にしかできない作業です。学校や塾には「時間(の制限)」がありますから。
忍耐と寛容を問われます!

3.識字障害、難読症など、何らかの学習障害がある

やってもやってもできないという場合は、ここをチェックしてみましょう。
 
親でも教師でも「自分の常識」で世の中を判断してしまいますから、そこから外れる子に対して、どうしても「ふざけてるの?」「なんでできないの?」とストレスを背負いがちです。
 
でも、一番ストレスを感じているのは、その子自身。
 
学習障害があることをショックに受け止めるのではなく、「ではどうしよう?」と考えればいい話です。
 
乗り越える方法もあるでしょう。
回避する方法だってあるはずです。
 
一番つらいのは「自分はダメなんだ」というような劣等感、コンプレックスを背負い、そして何とかしたいと、方向違いの苦労を背負ってしまうことです。
 
正しく知ることで準備とよりよい対策が可能になりますからね。
 
例えばカリフォルニア州のRon Davis氏によるディスレクシアに関するサイト(⇒davisdyslexia.com)には様々な解説とチェックテストがあり、大変参考になります。
 
日本ではこちらのサイトが、非常に情報が多く、また分かりやすくまとめられていて有益です。

もじこさんというハンドルネームの女性が運営していらっしゃいます。
お子さんが小4の時にディスレクシアと判明し、それをどう克服するかということで、非常に熱心に、愛を持って研究、発信なさっています。
Davis氏のチェックテストの日本語訳もありました!⇒子ども用チェックテスト

ともあれ、まずは症状の確認。
その上で、それを「マイナス」と考えず「個性」ととらえなおして、その子にあった学び方、生き方を親子で一緒に模索していきましょう。

慌てず、卑下せず、対処法を模索、相談しましょう!

ひとくちに「勉強できない」といっても、本当に様々な症状と原因があります。
 
そして、それは早期に気づければ気づけるほど、対処が楽になるものです。
 
「あー、なんでこの子は勉強できないんだろうね!がみがみ!」とならず、一緒に勉強を見てやって、どこでどう苦戦しているかを観察してみてください。
 
そして、もし自分の手に負えないなと思ったら(あるいは、上記チェックテストをして識字障害の疑いが濃厚になったら)専門家に相談しましょう。
 
日本中を探すと、そういう様々な学習障害を持った子ども達の学習支援をしてくれる専門家も大勢いらっしゃいます。
 
私の学習法の師匠である沖縄市の玉城博正氏もその一人です。

催眠療法的な手法、神経言語プログラミング、行動科学、認知科学など、ありとあらゆる方向から、その子の持つ潜在的能力を引き出す手腕は見事としかいいようがありません。
そして、彼が最初にやることも、子どものそばに寄り添って観察すること。
その子のペースを大事にしながら、少しずつ支援し、やがて魔法のようなやり方で(もちろん、すごく時間をかけて、ですが!)その子の力を引き出していきます。
 
もちろん魔法でも何でもなく、時間もじっくりかけていきます。
「誰でも改善する」というものでもないでしょう。
 
でも、「そういう人が、探せばどこかにいる」ということは、親として知っておいていいでしょうね。
そして、「誰かができる」のであれば、同じレベルになれないとしても「学ぶ余地はある」ということです。
 
親として、指導者として、愛を持って子どもの個性と向かい合いたいものです。(^^*♪

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