読書の深みはどう作ればいいか?

今日、学級懇談会の後に、
クラスメートのお母さんから相談がありました。
 
なんでも、お兄ちゃんが理系なんだそうですが、
まったく本も読まず、
「感動」というものが欠如しているのではないか、と。(笑)
 
本をたくさん読んだら感動も深まるかしら?
というわけです。
 
 
しかし、残念ながら「感動」につながる深みは、
速読技術では得られません。
 
速読は集中力と体の使い方を最適化して、
活字への反応速度を上げることで成立します。
  
これは受動的に「意味を受け止めている」状態ですので、
深く味わったり、思索を深めたりする読書とは、
まったく方向性が違うんですね。
 
ですから、「深めていく読書」を目指すなら、
それにふさわしい読み方(スピード、質)でもって
読書しないといけません。
 
「頭で分かる」=「理解する、知る」ことと、
「頭と心で体験する」=「味わう、考える、疑似体験する」ことは、
かなり方向性が違う作業なんですね。
 
だから、速読は「技術」として割り切って
使うものなんです。
 
そもそも、せっかく心震える感動の名作なのに、
「内容は理解しました」で終わったら、そりゃモッタイナイ。
 
 
これは速読だからダメだということではありません。
 
方向性を意識せず、何となく読んでしまったら
ゆっくり読んでも同じことが起こります。
 
あ、これは大人(ビジネス界の住人)の場合です。
大人って、とかく「頭」で読もうとしがちですから。
 
 
感動したければ、登場人物になりきって、
その人物の視野を借りて疑似体験すること。
 
想像力をフルに使って心で感じる努力も
必要かも知れませんね。
 
 
そうではなく「内容を深く理解する」という意味での
「深み」であれば、別の一手間が必要です。
 
まず、とことん丁寧に読む。
 
知らない言葉、あやふやな概念をとらえて、言葉の輪郭、イメージを
すっきりとさせなければなりませんね。
 
気の利いたレトリック、入り組んだロジックと出会ったら、
丁寧に解きほぐしたり、その真意、真偽を確認しなければなりません。
 
何はともあれ、「なんとなく分かった気分」を徹底的に排除。
 
深く読むための大前提は、すごく当たり前の話なんですが、
じっくりと時間をかけること。
 
読むことよりも考えること。
 
場合によっては、読んでいる時間より、
本から離れて思索にふけっている時間と
その作業こそが「深さ」を作るといってもいいかも知れません。
 
 
そして、冒頭のお母さんのご相談の件。
 
「子どものうちは、ゆっくりじっくりと味わわせないと
 もったいないと思いますよ。」
 
といいつつ、
 
「でも、高校生になって、情報処理と割り切って
 勉強とか学術書を読む必要性を感じたら
 いつでもどうぞ。(^^)」
 
とお伝えしておきました。

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