中学生の定期テスト対策はいつから始めればいいか?

中学生の試験対策について、保護者の方からよくご相談をいただきます。
 
もともと、中学・高校でも教壇に立ち定期テストを作っていましたし、今もご依頼があれば学習指導もします(長期休暇限定ですけど)。
 
そういった経験から、

  • 定期テスト対策を始める理想のタイミングはいつか?
  • 塾に通わせているが成績が上がらないが、どうしたらいいか?

という2点に絞って、寺田流「定期テスト対策の極意」を語ってみます。
 
※以下、理科・社会(暗記科目)を例にして説明します。

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試験勉強をいつからスタートするか?

中学校、高校にはたいていの場合「試験期間」というものが設定され、部活動中止などの措置がとられます。
多くの生徒は、そこを「試験勉強期間」と思い込んでしまうわけです。
 
でも、それだけの期間で満足いく対策ができるのは、日常からよほどしっかりと勉強をしている生徒に限ります。
 
理想としては「試験3週間前」が、試験勉強を開始するのにちょうどいいタイミングです。
 
およその日数配分は次に示すとおりです。
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私の指導では、試験期間を4つのパートに分けて、それぞれ課題を設定します。
ただし、試験1週間以前は時間があまり取れませんし、負荷をかけすぎないように「作業」レベルのことを気楽にさせます。
緻密に仕上げていく期間が「試験前1週間」という発想ですね。

3週間前から3-5日間

この期間は、全体を俯瞰し、腑分け(解剖・中身確認)をするくらいの気楽な気持ちで取り組みます。
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  • 難しいことを、覚えていなかったことを「分かろう、覚えよう」とせずに、ただ確認するだけ。
  • 一読して分からない部分にはチェックを入れておきます(線を引く、付箋を貼る)。
  • 資料集があれば、併せて参照しながら教科書を読みます。(授業でどんな使われ方をしたのか思い出す程度)

あくまで「一読して確認する」だけなので、可能な限りさくっと終わらせます。
しかも、試験の3週間前であれば、まだ試験範囲まで授業が進んでいないはずなので楽勝ですよね?
これ以降、試験範囲に入るところは、授業があったその日に復習と思って同じ事をやればOkです。

10日前まで

一読して「腑分け」が終わった状態からスタートします。
集中して「分かりながら読む」が基本です。
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  • 第一段階は「分からないところを分かる」作業。SEEINGでチェックを入れたところを十分に理解します。先生にまとめて質問する、自分のレベルにあった参考書を用意するなど、できるだけ時間をかけすぎない工夫をしましょう。
  • 細部を読み込みつつ、全体像を把握するためにノートにまとめます(図やマインドマップがいい)。慣れないうちは、ベネッセなどの教材(のまとめ・整理の図解部分)を丸写しするだけでもかまいません。
  • テキストを音読して録音し、暇なときに聴きます。音読の時に、ひっかかる部分、たどたどしい部分は「理解があまい」部分なのでチェックしておきましょう。

試験3日前まで

ここでようやく「出力」の作業です。
ただし、すべて一度は解きますが、分からない問題で立ち止まらず、すぐに答えを見ます。
それぞれの作業は、2回以上繰り返します。2周目以降は、スムーズに解けた問題を割愛しながら、すべての問題をスムーズに解けるまで繰り返しましょう。
1つ1つに「答えを思い浮かべる」ために1秒以上かける必要はありません。

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  • 「教科書にチェックペンで線を引き、チェックシートで隠しながら読む」作業をおこないます。消された部分を見て、瞬時に思い浮かばなければ、すんなり答えを見ましょう。読むペースを可能な限り乱さないようにします。
  • チェックペンで消すのは「用語・人名・数値」のタイプと、「説明部」のタイプの2種類。ですので、最初に教科書を2部コピーしておくのも有効です。
  • 虫食いのテキスト読みが完成したら基本・基礎問題、標準問題に取り組みます。スムーズに解けない問題は答えを写しながら解き方を確認するだけでOKです。
    同じ問題を2-3回繰り返して解いて、すべての問題がスムーズに解けたら終了です。

試験直前3日間

試験直前は、実践的な問題に取り組むことで「スムーズに正答できるか」をチェックしていきます。
そこで、「問題を読んで答えを思い浮かべる」までに時間がかかったり、悩んだりするようなら勉強が不足していると判断します。
そういう問題は、特別にノートに書き出しておいて、前日に見直すといいですね!
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キモは「正確に、スピーディーに回答できるまで繰り返す」こと!

試験対策の流れはこんな感じ。
 
点数が取れないのは、「だいたい分かった」とか「答えを見て正解に行き着いた」というレベルで勉強を終えるからです。
入力(教科書を読む作業)も十分にしなければなりません。
でも、それが終わってからが勉強の本当の始まり。「出力」と「フィードバック⇒再入力」を繰り返し、スピーディーに正答できるようになってこそ「できた」なのです。
 
これだけやって90点取れないわけがないと思いますよね?
(たかが中学校の定期テストですし。)

「塾に通わせているけど、成績が伸びない」問題

これはよくある問題です。
 
試験勉強に限らず、あらゆる学習は上記の「Uプロセス」を経て完成します。
学習塾でやっている勉強がどの領域にあたるものなのかを考えてみましょう。

  • 精緻化の部分は学校で十分なのに、わざわざ塾でやってませんか?
  • 学校の授業を理解してないのに、塾のプリントを必死に解いていませんか?
  • 先生の説明を書き取るのに必死、プリントの間違いを修正するのに必死…になっていませんか?

そういうことがあると、塾にいっても成績は伸びません。
たぶん、塾を辞めて自分でやり始めたら成績が伸びます。
 
お子さんと、「先生の説明は十分に理解できているのか」「時間をかけて問題を解いたり、正答を写すのに時間をかけたりしていないか」ということを確認してみてください。
 
もし、そういう状態になっているなら方法は2つ。
 
A.塾を退会する。上記のプロセスを意識して自分で勉強する。
 分からない部分は学校の先生に質問する。
B.上記のプロセスを理解した上で、塾のプリントや授業を上手に活用する。

 
ま、基本的に中3の1学期までは塾にやらず、自分で勉強の方法を工夫させるのがベストだと思いますよ!
自分なりの「必勝法」を作ることが、本当の意味での学力を身につけるということですからね。

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この記事を書いた人

フォーカス・リーディング主宰者

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