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「読むのが面倒」な教科書を、生徒にどう読ませるか?

学習法・学習指導

集中講座と高速学習講座を受講なさった資格試験専門学校の先生から、こんなご質問をいただきました。

「私が担当している科目の中で文字数が多いために読むのが大変な教科書があります。
 速読のトレーニングをしていない学生に読ませるためにいい知恵はありませんか?

 現在、各自に読んでくるように指示しても読んでくることはほぼなく、
 授業で私が読んだり、学生に読ませたりしても内容が理解できていない状態です。」

速読技術をマスターしており、高速学習メソッドを理解している人にとっては非常に簡単なこと(問題にならないレベルの作業)ですが、専門学校の学生さんには確かに難儀な事かもしれません。

どうしたら解決できるか?

この問題は「戦術」的な発想と、「戦略」的な発想と両面から攻略していく必要があります。

A.戦略的発想での「読んでこない」問題の攻略法

単に「読めばいい」だけのテキスト、しかも読まないと絶対に試験に受かるはずもないテキストを「予習で読まない」ということは、「読む必要がない」ことを生徒が理解しているということです。
 
これには「A-1)人生に支障がない」ということと「A-2)授業に支障がない」ということの2種類があります。

A-1)「人生に支障がない」問題の解決

義務教育や高校教育と違って、多くの専門学校は「なんとなく」来ている生徒が多いものです。
就職がいやで来たという生徒も、学校によってはかなりの率になるのではないでしょうか。
 
そういう場合、「自分の人生」をリアルに描かせるところから始める必要があります。
ただし、なんとなく豊かさを享受できていて、でもどうせ正社員は難しいし「お金」の面では欲を出しても仕方がないという時代です。
「勉強しないと困る」という話はあまり響かないかも知れませんね。
 
今からの時代がどういう時代なのか、君らの人生がどういう問題に直面することになるのか、「おどし」の要素を多分に盛り込みながらリアルに語る必要があります。
そして必ず「これを学んでおくと、この課題をこなしておくと、かなりわくわくする」というメリットをセットで見せること。
 
こういう「人生のデザイン」や「キャリアデザイン」をまじめに生徒さんたちと語り合う経験が、彼らの学習意欲に非常に大きく影響することは間違いありません。

A-2)「授業に支障がない」問題の解決

読んでこなくても授業に支障がなくて、読んだとしても理解できないとすれば、普通は読みません。
「読もう!」というモチベーションが上がる理由がありません。
 
必要なことは、「読んでこないと授業に支障がでる(もしくは先生の仕打ちがヤバい!と思う)」かもしくは「読んできたことで授業がすごくよく分かる」という体験を毎時間与え続けること。
 
とてもシンプルな話です。
 
ですが、真の問題は「授業で私が読んだり、学生に読ませたりしても内容が理解できていない状態です」という部分。

ここの解決につながるような戦略を、高速学習メソッド的に考えなければなりません。

B.戦術的発想⇒「教科書を読ませ、理解させる」という強迫観念から自由になる

実は授業の予習として教科書を読ませることは非常に難しいんですね。
というか、たいていの場合、学習効率でいうとマイナス。やらない方がいいんです。
 
だって、読んでも分からないんですから。しかも記憶にも残るはずないし。時間の無駄です。(笑)
 
思い込みを手放して、「そもそも教科書を読むことの、彼らにとってのファンクションは?」と、ゼロベースで考えてみましょう。
 
彼らにとって、教科書を読む意味、目的は?── 究極的な目標は「試験に合格する」こと。
 
そこで教科書を読むことが果たす役割は?──「試験で問われていることが理解できる」こと。
 
この目的、機能から考えれば、それに代わる勉強、授業のやり方を工夫できるはずです。

作業として気楽に取り組めるものに置き換えてみる

分からない教科書を「分かろう」として読むのは、非常に能動的で疲れます。
  
これを「音声版テキスト」にして「暇なときに、分からなくてもいいから、とにかく3回聞いておけ」という受動的な作業に置き換えるだけで、とても気楽なものになります。
 
ここでは「成果」を求めず、回数という「作業目標」に置き換えることが重要です。
それによって手軽に達成感を味わうことが可能になるからです。
  
しかも、音声を1.7倍速〜2.3倍速程度の加速加工されたものにすることで時間が短縮できます。
「これを気楽に(でもまじめに)聞くだけで、集中力がつくし、頭がよくなるぞ」と説明することで、モチベーションも上がるかも知れません。
 
生徒には覚えさせたい用語や数値の部分を虫食いにしたテキストをPDFで配布し、虫食い部分を思い出しながら聞けと指示することで学習効果を高めることも可能です。
(キーワードの虫食いと、概念説明の虫食いの2種類用意するのがベターです。)
 
その上で、上に書いたように「音声で学んでないとヤバい」「気軽に聞いただけなのに、問題がすごく楽に溶ける」と実感できるような授業をしさえすれば問題は一挙に解決しますよね?
 
「分かる」には至ってないけど「できる」状態を作り、徐々に「分かってできる」状態に導いていくのは、実は非常にスムーズ。
音声を聴く段階で「ちゃんと理解していない」状態であったとしても、「頭に入っている」状態であれば、問題演習を通じて「書いてあったのはそういうことか!」と、腑に落ちていくものなんです。

「これまで自分がやってきた方法」を手放すニュートラルスタンスで!

スマホをはじめとする電子デバイスの普及。
学習方法論の進化。
 
これだけ時代が変われば、学習スタイル、学習システムを根本から作り替えて当然です。
 
現場の先生方はなかなか古い頭を捨てることができず、教科書を電子に置き換えてみたり、黒板を電子黒板(もしくはパワポ)に変えてみたり…そういう小手先のことに終始しがちです。
 
そして、それら「電子」の表面的活用は学習効果を著しく下げることが世界中の学者から報告されています。
 
まず、そもそもの発想として「心」(やる気、モチベーション)を燃やす仕掛けを取り入れること。
 
その上で、「仕組み」(学習戦略、学習メソッド)を用意して、スムーズかつ自動的にに学習が進んでいき、手応えを実感できるようにしてやること。
 
教育にたずさわる皆さんには、そういう工夫を積極的に取り入れていただければと思います。

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