小学5年生が漢字検定準1級の学習でぶつかった「分厚い壁」とは?

今年2月の漢字検定(いわゆる漢検)で準2級に合格した、当時小学校4年生の息子が「6月の検定で2級、10月の検定で準1級を目指す!」ということで、日々の漢字の学習にいそしんでおりました。
 
ちなみに漢検準2級・2級・1級のレベルはと言いますと…

  • 準2級:高校在学程度(1940字)
  • 2級:高校卒業・大学・一般程度(2136字、常用漢字がすべて読み書き活用できるレベル)
    ※平成27年度合格率19.1%
  • 準1級:大学・一般程度(約3000字、JIS第一水準を目安)
    ※平成27年度合格率14.8%

こんな感じ。
 
しかし、2級の学習が思いの外かんたんに進んでしまったため、2月末くらいから「6月の検定で2級と準1級の両方を受ける!」ということになりました。2級は、準2級とレベルが近く出題範囲の多くが重なるため、それほど勉強が必要なかったんですね。(^^;
 
ただ、準1級となると、それほど簡単な試験ではありませんので「本当のゴールを10月に置いて、6月の試験を腕試しとしてとらえよう」ということで、学習をスタートしました。

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漢検準1級への準備

第一期:2月末から約3ヶ月間

それほどマニアックな問題がない「頻出」漢字に絞ったテキスト1冊に絞り、約8回(以上)繰り返し学習させました。
これについては、6月のこちらの記事でもご紹介したとおりです。

[blogcard url=”https://www.kotonoba.jp/learning-tech/iza-kanken-jun1kyuu/”]

このテキストで、「散々やってきたテキストで8-9割程度の漢字は、無難に回答できる」という状態を作りました。

第二期:5月末から試験当日(約3週間)

ラスト1ヶ月は模擬試験形式のテキストを用意し、これを3-4回繰り返させて精度を上げていきました。
実際の試験と同じパターンに慣れさせながら、先のテキストで学んだ漢字の運用能力を上げようという魂胆です。
 
が、やはりというべきか…上記の記事にもあるとおり、たった2週間程度の期間では、模擬試験の正答率が75%をなかなか越えません。(汗)

結果やいかに?

結果、合格点160点に対して、得点149点。
やっぱり、本試験でも正答率75%で止まっていたか・・・!
 
今晩、親子で反省会をおこない、10月の試験に向けてやるべきことを再確認します。
10月は準1級と1級を受験し、1級の合格は来年の2月を目指すことになりそうです。

今回の漢検チャレンジで、あらためて確認できたこと

どんな学習であれ、最終的に「できる」と「分かる」が整ってこそ、その知識を使いこなせるようになるもの。
しかし、漢字検定準1級と1級は、この「分かる」を置き去りにしたまま、ひたすら力業で「できる」を作らなければなりませんでした。
 
大人であれば「漢字は知らないけど、その言葉は知っている」状態がそれなりにありますので、「できる」と「分かる」を整えることは、時間をかけさえすれば難しくありません。
 
しかし、小学生の場合は、「そもそも、その言葉が分からない」というところからスタートします。

例えば、過去の出題例ですと・・・
kanken-jun1sample
2014.06.22の試験より
 
漢検2級には2時間の学習だけで合格した私ですが、これはまったく解けません。(汗)
解けたのは12番だけ…

今回、息子の指導をしていて、やはりきつかったのはこの部分です。
 
もう機械的に憶えるしかないのですが、熟語をがんばって憶えたとしても、違う文脈(問題文)で出題されると「???」となるんですね。
力業で機械的に学習させようと思えば、数種類のテキストを同じ取り組み方で学習し、問題文の中での体験を増やすしかありません。
 
それには、今回は準備期間が短すぎました。

数学・英語、はたまた実社会でもぶつかる壁

これは、英語や数学の指導をしていてもぶつかる壁なんですね。
ベースとなる日本語能力、抽象的な思考力ができていないと、必ずどこかで成績が頭打ちになります。
 
「分からない問題は、気合いで憶えてしまいなさい」
 
この指導は間違っていません。
 
しかし、どこかの段階で「できた」という状態から、「あ、分かった!」につながらなければ。
 
中学校、高校で英語、数学に苦しまない子に育てたければ、小学校時代にいっぱい本を読ませておかないといけません。勉強のための勉強をやっていても、ベースの力は育ちませんから。
 
もっといえば、社会に出てから一番重要になるコミュニケーション能力や、失敗しても立ち上がって立ち向かう意志力といったものは、勉強以外の遊びの中でゆっくり育まれていく力です。
 
こういう言語能力やコミュニケーション能力は、場数を踏まないと養われません。そして、勉強だけ、習いごとだけをしていては絶対に身につきません。
 
塾や教材メーカーの宣伝に煽られず、子ども時代に身につけさせておくべきこと、体験させておくべきことを、しっかり見定めて、いっぱい本を読ませ、いっぱい、いろんなお友達と遊ばせたいものです。(^^*

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この記事を書いた人

フォーカス・リーディング主宰者

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