読書のモチベーションを、どう高めるか?

本当にたくさんの親御さんやら塾の先生やら学校の先生やら・・・多方面から相談される話題があります。

男性さん

どうしたら、本を読まない子どもが無理なく本を読むようになりますか?

これは、なかなか難しい問題です。
読書に苦手意識がある場合が多いのですが、ひとことで「読書が苦手」といっても、程度・レベルは様々です。あるいは、ゲームなど、読書以上にはまっている(中毒になっている?)ものがあるのかも知れません。

ですので、あくまで「読書に苦手意識を持つ子に対する一般論としての読書推進策」ということではありますが、ちょいとヒントのようなものを…

自分で「目標」を決めさせる⇒読んだら記録

うちの教室には「本が嫌いというのを、何とかしたい」と、親に連れられて通ってくる生徒さんもいます。
そういう子は、親が心配するぐらいだから、本当にまったく読みません。

それでも、私のような他者が関与すると、「とりあえず話を聞いてやるか」という感じになるものです。

寺田

1回に10ページでもいいから、読んでみよう!

という具合に、自分で目標を設定するよう促します。
決して無理をせず、“そそのかす”テイストで。

渋々とでも、自分で決めたことは、人間誰しも「ちゃんとやらなきゃだめかな」という気持ちになるものです。
そして、少しでも読んだら、それを記録させます。

これは「即時強化の原則」と呼ばれる心理学的なテクニックで、やり遂げた直後に「よし、よくやった」という気持ちを込めて、確認作業をさせるのです。これが心理的な報酬となって、「よし次もやろう」という気持ちを起こさせます。

「今日の読書の充実度」を主観で評価させるのです。それをカレンダーでもノートでもいいので記録させます。昔、うちの教室では、こういうシールを記録シートに貼らせていました。

充実度合いを自分でモニタリングさせるわけです。これとセットで「○分」という具合に、読んだ時間を記録すると、さらに効果的です。
「よし、次は○分、読もう」という気持ちが起こりますからね。

漫画やゲームと抱き合わせで読ませる

これは教室ではコントロールできない部分です。

我が家(寺田家)でやっていることなのですが、本屋に行って、漫画でも何でも、読みたいものを自由に選ばせつつ、親として読ませたいものを「買ってやる交換条件」として与えるのです。

また、「ゲーム3時間につき、読書1時間」という具合に、取り決めをしていた時期もありました。
これらは親御さんの協力あってこその作戦ですね。

親が一緒に読む

親が「本好き」の家庭で育った子どもは、間違いなく読書家に育ちます。
私が参加している小学校の読み聞かせボランティアのお母さん方は、やはり「読書家」が多いのですが、そういう家庭の子どもさんは、やはり本が大好きです。
親が本を読まないのに、子どもにだけ「本ぐらい読みなさい!」なんて言葉を言っても通じませんよね。

一番いいのは、親子で読書タイムを楽しむこと。
書籍取り次ぎ大手のトーハンさんが「うち読」(自宅で親子で一緒に本を読む時間を確保すること)を勧めています。

これはいいアイディア!

テレビを消して、1冊の本を一緒に読む、輪読するなど、工夫をしてみてください。
そして、読んだら必ず本の感想や内容について気楽に語り合う時間を作りましょう。この時間が読書力を作ると思って間違いありません!

ついでに、月に1回は家族で図書館や本屋に出掛ける文化を創ってしまいましょう!

スタンプカードで賞品を用意!

これまた、うちの教室で実際にやっている作戦ですが、ポイントカードを用意して、読んだ本に応じてシールを貼っていきます。
こんな感じのシールです。

あとは、親子(教室)でルールを決めておいて、シールが一杯になったカードの枚数に応じて景品・賞品を出す、と。
おもしろ消しゴムとか、ちょっと奮発して図書カード(ことのばでは、15冊読んだら図書カード500円分と交換)とか、いろいろあっていいですね。

「速読トレーニングをやってるんだから!」をきっかけに…

うちの教室であったのは、「速読教室に通うようになったんだから、本を読もうか」と、親御さんが提案して、素直に読むようになったというパターン。
もちろん、速読トレーニングで集中力が上がったり、読むストレスが取れたりと、読書への抵抗感が減ったのは大きいと思います。

最初は簡単な本、たとえば『ズッコケ3人組』のシリーズとか、漫画を小説化したものとかでOK。
慣れてきたら、徐々に興味は広がっていきますから!

親が本気で、根気よく関わりましょう!

いずれにせよ、親が気長に、本気で関わらなければうまくいかないことは間違いありません。
幼稚園・保育園時代までは、熱心に読み聞かせしていたのに、小学校2~3年生を過ぎると口でいうだけ…では、ちょっと残念です。

ぜひ、家庭で「本を読む文化」を育んでいきましょう!

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この記事を書いた人

フォーカス・リーディング主宰者

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