子ども速読講座、スタートしましたが…

「子どもに速読させちゃだめ!」なんて記事を書いたことがありますが、ついに、福岡で「子ども速読講座」を開講いたしました。

小学校5年生から中学校2年生までの小中学生クラスです。
 
この講座は、実は8年前から構想を練り続けていたのですが、なかなか時間が取れず、ずるずると先延ばししてしまっていたものなんです。
 
その間に、たくさんの速読教室の先生方からご相談を受け、「子どもに速読を学ばせることの問題点」なども十分に理解した上で、それらを解決できるようなものを、と企画しています。
 
ちなみに、これまでに受けた相談というのは、

  • 子どもが速読コンクールで上位に入賞したが、成績アップにつながるどころか、本の読み方、文章の読み方が雑になってしまって、かえって国語力が落ちてきている。(保護者の方からの相談)
  • 速読教室を運営(FC)しているが、子ども成績が伸びない。一応、パソコンの画面を眺めている時は、読書スピードは上がっているはずなのに。(教室長さんからの相談)
  • 集客のために「速読やっています」と歌っているが、指導者は誰も速読できない。そして、子ども達も速読ができるようにはなっていない。そもそも子どもに可能なメソッドがあるのか知りたい。(速読教室オーナーさんからの相談)
  • そもそも子どもが本を読まない。速く読む以前の問題がクリアできないでいる。(塾の先生からの相談)
    などなど

こんな感じです。
 
学習塾向け、子どもの教育向けの速読講座を展開している3つの流派すべてから相談を受けてきました。
 
みんな悩んでいらっしゃるわけですよ。(^^; 困ったモノです。

「速読」の考え方を根本からとらえなおす!

この講座を作る上で、そもそも「速読とは何か?」ということを考えました。
 
大人向けの速読で「右脳開発」とか「写真記憶」とか、「音にしない」、「眼の動きを速くする」などなど、よく分からない(誰が成果を上げているのか分からない)情報が多すぎて、「そもそも速読って何?」ということ自体がカオスになっています。
 
そこで、思考の整理を。

速読とは熟読に対置される読み方の概念である。

まずはこれですよ。
 
得体の知れないトレーニングは無視することにして、「読み方」として考えることにしました。
 
「速読とは、流れ、概要にフォーカスした、スピード重視の読み方である。」
 
こう考えると、まず熟読の力がないと始まりません。そして、「内容を俯瞰する」、「流れを取る」といった思考の整理、概要の整理に関するテクニックも必要になりそうです。
 
次に「速読に期待するもの」から考えました。

試験問題やテキストを、ストレスなく短時間で読み終える力を付けさせたい。

親が望んでいるのは、間違いなくこれ。
 
まぁ、試験問題を短時間で読み終えられないのは、だいたいにおいて勉強不足の賜(たまもの)なのですが…。それがクリアできた時に、少しでもストレスなく入試問題などを読めるようにさせたい、と。
 
これについては、様々な要因がありそうです。集中力不足、過剰なストレスなどなど。
 
過剰に、夢のような速読を考えなくても、正しい読み方、適切な集中力コントロール技術をマスターできれば、間違いなくこの目的は達成できるはずです。(学力が足りている、という前提で!)

そこで、フォーカス・リーディング講座 for Kids は、こんなものになりました!

こういうシンプルというかラディカルな「速読とは?」という発想で作ったのが、今回開講した「フォーカス・リーディング講座 for Kids」です。
 
やる内容はシンプルに4つ。

1.集中力の向上

大人向けのフォーカス・リーディング講座でも、これを一番重視します。子どもも同じ。
 
姿勢、呼吸法を毎回、丁寧におこなって「集中できる体作り」をおこないます。
 
ついでに、先生の話を聞きながらメモを取る練習を通じて、集中して聴き取り、頭の中で整理しながらメモを取る能力もつけていきます。

2.正しい眼の使い方マスター

これも大人向けと同じ。
 
一点集中、集中力スムーズ移動、集中追跡の3種類を丁寧におこないます。
 
おとなと唯一違うのはスムーズ追跡をおこなわないこと。そこまでの視野の広がり、視点の流れのコントロール力は必要ないだろう、という判断です。

3.広い視野での情報入力

1、2とセットで考えるべきものですが、どんな場面でもリラックス(鎮まり)を維持して、広い視野で情報を受け止めることができると、本を読む精度も間違いなく上がります。(狭い視野で、一文字ずつ本を読んだらどうなるか想像すれば分かりますね!)

4.国語力の向上

速読云々の前に、まず国語力。
 
文、文章の読解力を高めていくトレーニングを地道におこなっていきます。
 
また、文章(本)の全体像をつかむ練習も必要ですので、読書へのアニマシオンの技法などを採り入れながら、熟読との対義語としての速読力を高めていきたいと思っています。

速読力を測る指標について

そういうラディカルな発想で速読をとらえていますので、「1分あたりの文字数」は測定していません。
 
そんなものでは、その子の読書力は測定できないからです。
 
その代わりに、「スピード音読」をやっています。
 
方法はいたって簡単です。誰でも読めて、それでいてそれほど簡単ではない作品を用意して、初見で音読させるのです。しかも「可能な限り、急いで!」という指示を出して。
 
こうすると、読書力がない子どもは、何度も何度もつっかかったり、読み違えたりします。
 
読書力がある子どもは、スピーディーに読める上に、ほとんど読み違えることがありません。
 
1分間○文字読めました!なんていう、何の意味もない指標を追いかけるよりも、この方が断然価値がある、と考えています。
 
だって、学校の授業では「音読」はどの教科でも必須ですし、スムーズに間違えずに読めることは、学習をスムーズに進める大前提ですからね!
 
もちろん、音読、朗読の指導もちゃんとしていきますよ。(^^*
 
ということで、「これは速読講座なのか?」というテイストの「フォーカス・リーディング講座 for Kids」開講です。

2016年の追記

この記事は2013年にoffice-srr.comにて執筆したコラムを、2016年にkotonoba.jpに転載したものです。
この子ども速読講座が、現在の「ことのば」の講座になっています。

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