大学(受験)はこれからどこへ向かうか?

大学を出たからといって、
それに見合う就職ができるわけではない。
 
そんな話をたびたび書いてきました。

そもそも「大学」とい一口にいっても、
本当に多種多様です。
 
ただ、その「多種多様」というのは、
今流行の「ダイバーシティ」というカタカナ言葉で
語られるような性質でないことはお分かりの通り。

単に「超ハイレベルな学力+アルファを持つ」学生から、
「小学生レベルの計算もおぼつかない」学生までの
学力の幅のみで語られます。
 
 
どうも、私たちは「大学」という場所を、
高等な学問を修めるところという認識、というか
「試験で高得点を取れる人が行くところ」という認識を
捨てきれないようです。
 
そこを捨てきれないから、
AO入試とか推薦入試というと、
「一般入試で入れない人が、
 違うルート(ずるいルート?)で入る」
というネガティブな感覚で見てしまいます。
  
でも、本当はAO入試とか推薦入試というのは、
ペーパーテストで計れない力、
魅力を持った学生を受け容れることで、
大学内の真の意味での多様性
生み出すための措置であるはずです。
 
 
それが現実には、

  • 大学にとっては、体のいい青田買いだったり。
  • 単なる受験機会の増加による学生獲得策だったり。
  • 受験生にとっては、少し無理目の大学に入るための
    オプションルートだったり。
  • 場合によっては、早々と受験を終わらせ、
    自由を満喫するための作戦だったり。

そんな本来のあるべき姿とは
大きくかけ離れた状態になっています。
 
もちろん、多様な学生が入ってきたところで、
やっている教育がそれに見合うものかどうかも不明ですしね。
 
 
この「学力というモノサシのみで大学をとらえる発想」を
大学も先生も親も学生も、そろそろ捨てないと、
みんながそろって不幸になる事態に陥りそうです。

  • 親と学生にとっては、大学は楽しかったけど職はなし、
    という残念な事態に。
  • 大学にとっては、一部の高偏差値の大学を除いて、
    「そもそも大学教育って何?」と疑問がわいてくるような、
    学位発行所にも似た存在に陥る事態に。
  • 社会にとっては、知識はあるけれど、
    いやそれすらもおぼつかない状態で、
    世界の最先端・最前線で戦える知性を持つ人財が
    見つからない事態に。

この不幸な事態は、「大学は知識と理解を問う試験で
いい点数を取れる人がいくところ」という、前時代的な
学力観、大学観から抜け出せ切れていないことから
生じています。
 
大学の後に待っているのは、
多様な社会、変化に富む社会、
常に変わり続ける社会。
 
大学を、その社会に出て行くための、
高度で総合的な知性と
高度なサバイバル能力を手に入れる場所と
定義し直せると、AO入試や推薦入試に臨む学生の
態度も変わるでしょうし、大学に入った後の過ごし方も
まったく変わりそうです。
 
AO入試にせよ、推薦入試にせよ、
「一般入試じゃ難しそうだから」という
消極的な考え方ではなく、
その方が自分の強みで、
学問の世界に飛び込んでいけるからという
積極的な考え方で利用する学生さんが
どんどん出てくるといいのですが。
 
そのためには、高校以下の学校が、
知識・理解を問う受験のための予備校を
劣化させたような授業を止める必要がありますよね。
 
本当の意味で「学ぶ」力を手に入れられる場所になる。
その覚悟が、高校以下の学校(の先生達)にあるか、です。
 
親もそうですけどね。
「テストの点が高い=学力が高い ⇒将来有望」という
高度経済成長期の幻影から、
そろそろ現実に目覚めなければ。
 
そこが担保されない限り、結局の所、
今、議論が進んでいる入試改革・高大接続改革も、
大学の多様化も、すべてがちぐはぐな
価値の見えないものになりかねません。
 
 
そんなこんなを考えながら、
東京大学の推薦入試とか、
早稲田大学が発表した「一般入試の比率を4割まで下げる」話とか、
入試にまつわるニュースと外野の反応を眺めていると、
ごく一部の、未来を見据えて変わろうとしている人達と、
なかなか古い価値観から抜け出せない人達の間の
微妙なせめぎ合いが、なんとも微笑ましく見えてきます。

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