「読書は投資」の本当の意味

読書は「自己投資」── そんな風に語られます。
 
速読技術は、その自己投資のベースを高めるメタスキルです。
 
自己投資のベースを作るとは?
 
それは「投下したリソース(資金・時間)を運用する力」を高めるということ。
 
ただ、ここで「読書は投資」という概念を正しく理解しておかないと、おかしなことが起こります。
 
「よーし、速読でバリバリ本を読んでいけばいいんですねー!」みたいな。
 
そういう間違った方向に走らないために「読書は投資」の正しい意味を一度考えておきましょう。

1.自己投資と株式投資はどこが違うか?

自己投資って「投資」という言い方をしますが、株式投資とは全然違うんですよ。
 
株式投資ならお金さえ出せば、企業ががんばって営利活動をおこない、配当を出してくれます。
配当がなくても、株価の変動の波をつかめれば、大きな利益を生みます。
 
でも読書はそうじゃない。
 
お金を出して本を買ったとしても、自動的に運用益が生まれることはありません。
本を一読したとしても同じ。

 
では、いつ運用益、つまりリターンが生まれるのか?
 
それは読んだ後、本から離れた時のアクションによって生み出されるんですね。
 
だから「読書は投資」というなら、本を読むことだけ考えても、冊数を増やすことだけを考えてもダメ。
 
本を読むのにかけた時間も、そこにかけたお金も、どちらも「投下した」だけであって、運用に回されていないんですよ。ちゃんと運用、つまり「読んだ後のアクション」につながないと!

2.読書における正しい投資と運用とは?

2-1.ビジネス書界隈での投資論

ビジネス書の界隈で語られる読書自己投資論は、かなりいびつな内容が多いので注意が必要です。
それは主に短期投資として語られます。
 
大ベストセラー書『レバレッジリーディング』で語られる自己投資論はその典型。
そこでは、投下するのも手に入るリターンも「お金」。
  
運用もその文脈で語られます。

  • 本に書いてある情報を仕事の中に活かすことで、売り上げというリターンが手に入る。
  • そのために、アンテナをしっかりと立てて、ひっかかってくるネタやフレーズを拾い上げるべし。
  • メモは、ブログのためのネタの仕入れ、ビジネスのためのアイディア共有やTo doの記録。

著者は起業家、コンサルタント。
書籍で出てくる実例もほぼ経営者・起業家。
その意味で、これはこれで「あり」です。
 
問題はそれに煽られた普通のビジネスパーソンの皆さん。
読んだことをブログに抜き書きしてアウトプットした気分に浸る人が続出しました。しかも公然と著作権侵害をして。
 
ブログに抜き書きして何が手に入るのでしょう?

自分がリターンとして本当に手に入れたいものを、気分とか流行に煽られずに、冷静に見据えて、そこにつながる「その後」につながなければ!

2-2.あるべき「自己投資」とは

ビジネスの世界で評価され、堅実に生きていこうとするなら、投資の最大のリターンとして求めるべきはビジネスで成果を上げることであり、自己成長です。
 
成果を上げるといっても、ちょっと書いてあるとおりにやったらできた、というレベルではありません。
それが自分のものとして再現性高く出力でき、そこからさらに様々な場面で応用できるレベルを目指さなければ。
 
コロンブスの卵を学んで、卵を立てて喜んでいてはダメなのです。
どう恒常的に、既成概念や思い込みを排して、新しい発見や成果につなげるか? これこそが、コロンブスの卵を学んだ人に問われています。
 
自己投資とは自己教育であり自己変革。
お金と時間、そして材料としての書籍を投下し、思索と行動によって運用して、今までの自分を越えていくことなのです。

3.投資の成果を測るための指標を用意しよう!

3-1.成長のデザインを明確に描こう

だからこそ、本を読む前の段階として、「どんな自分を目指すのか?」という成長のデザインを描いておく必要があります。
 
どんなステージに立っていて、どんな成果を上げている人になっているのか?
 
どんな知識・スキルを持っていて、どんな態度・マインドを体現しているのか?
 
未来の自分の構成要素を「心技体」あるいは「知識・スキル・マインド(態度)」という観点で書き出してみてください。

3-2.行動目標、到達(達成)目標を用意しよう

それが描けたら、具体的な目標として落とし込みます。
 
「○○な場面で、・・・ができる」というような行動目標でもいいでしょうし、何か役職やポスト、肩書きを目標にしてもいいでしょうね。
 
大切なことは、到達したい期限にそれができているのかどうか評価できるものであること。
 
そして、そこに至るプロセスとしてクリアしていくべきマイルストーン(通過点、KPI=Key Performance Indicator)も設定したいところです。

3-2.トップダウンで読み方、運用の仕方を考えよう!

ここまで来ると、無駄にブログにアウトプットして「出力した気分」がいかに無駄かは分かりますね。
 
知識を手に入れるための読書は、知識を使いこなして自分の文脈の中で使いこなせなければ意味がありません。
 
行動を変えるための読書は、あくまで行動することにこそ価値があり、読書はそのヒントに過ぎません。
 
あり方を変える読書は、本を読みながら思索すること、著者と対話し続けることに意味があります。何を理解したかではなく、自分で何を考えたかがすべて。

まとめ

読書は投資。
これは確かですが、本当に得たいリターンは何かまっすぐに見据えた上で、それに見合う読書、行動を考えたいものですね!

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