全国学力テストとモンスターペアレントのいい関係?

四方山話・コラム

こんばんは。読書と学習法のナビゲーター、寺田です。
 
毎年4月中旬に、全国学力テストなるものが、
ほぼ全国の小中学校でおこなわれます。
 
こういう学力テストは何のためにあるかというと、
本来的には、学校として指導のあり方を確認して、
校長の経営判断であったり、
教科指導の先生の指導力であったり、
そういった「学校・教師」の側のチェックに
使われるべきものだよなーなんて思います。
 
ただ、このテストで先生自身が反省するって話を
聞いたことは残念ながらありません。
 
いや、一部には熱心な先生方が、
場合によっては市町村、都道府県の単位で、
指導法を改善して、学力アップにつないでいることも確か。
 
国際的な学力テストであるPISAも、
そのお陰で、世界の中の順位がメキメキッと
上昇していますからね。
 
 
ただ、なんていうんでしょうか。
 
全体的にはそうなっていないし、
そもそも、それで順位が上がって、何かいいことあんの?
という、そもそも論的な問題は常に置き去りです。
 
先生達が指導のやり方を変えた結果、
PISAの順位が上がったことは事実ですが・・・

  • それで、子ども達の学力は上がったのか?
  • そこでいう「学力」というのは、どういう力のことか?
  • その学力向上は、どんな教育を志向したものなのか?
  • その教育は誰の、どんな幸せにつながっているのか?

そういう話って、驚くほど綺麗に置き去りに
されてしまうんですよね。
 
 
こういうことって、学校の現場、特に高校の現場で
すごくよく起こっていて、

  • ○○大学の合格者数が○人でした。
  • 国公立大学への合格者数をアップさせるために、課外授業を必修化します。
  • あなたは、○○大学の××学部に合格する可能性は低いから、こっちの大学(学部)を受験しないか?

そんな、よくわからない話が、
誰からのツッコミも受けることなく、
しごく「当然」のように語られるんですね。
 
ここで「よくわからない」というのは、

  • それが、どんな教育を体現しているのか、よく分からない。
  • それらが、誰にとってメリットのあることなのか、よく分からない
  • それらが、そこにいる子ども達を幸せにするのか、よく分からない。

というわけです。
 
何か「学校という集団」に意志やプライドがあって、
成績を気にする感情があるかのように語られるのです。
(それはそのまま、校長のプライドだったりして?)
 
 
そこで、常に置き去りにされるのは「子ども自身」の想い。
 
学校が「マクロ」でしか教育とか学力を語れないんですね。
 
でも、親も「我が子も、少しでも良い学校に!」という
気持ちに支配されてしまっていますから、
そういう学校のマクロの方針に賛成してしまうんです。たいてい。
 
 
 
ひょっとすると、モンスターペアレントという存在も、
同じ根っこから生まれてきているのかも、なんて感じます。
 
1つの共同体、1つの社会を、
どう、共に「いい共同体」として創り上げていくか?
そんな発想は全然ない。
 
学校は生徒を「合格者数(合格率)」の
構成要素としてしか見ておらず、
 
親も学校を「我が子が、少しでも成績のいい学校に行くための手段」
としてしか見ていないのかも。
 
 
大規模化した現代の学校に、
限界があることは十分に理解していますが、
(なにしろ、私もその一員でしたから)
教育ってのは、本来、子ども達一人一人が、
その子の良さを発揮して、いい人生を送れるように
支援する場所なじゃないかと思うわけです。
  
そこでの進路指導ってのは、本来的には、
「その子ならではの生き方の指導」であって、
先生と生徒の一対一の、顔の見える、
そして双方向の対話があってこそ
可能になるはずのもの。
 
それがいつの間にか、一方的な説明があり、
「少しでもいい大学に合格すること」
「可能な限り国公立大学に進学すること」
「個人の希望や意志の表明は、学校の秩序を乱すだけ」
みたいな話になっています。
 
 
学校が、教師が、そもそも子どもの顔も見ず、
想いも汲んでいないのであれば、
そりゃ、親だって、学校の想いとか立場とか考えず、
一方的に「我が子のため」に主張しますわな。
 
お互いがお互いを「個性と顔のある個人」として見ないから、
親としては、気に入らないことがあれば「クレーム」として
ぶつけてしまえって話になるでしょう。
 
逆に先生の側としては、その対策として、
クレーム処理の技術を学ぼう、
という話にしかならないのかも知れません。
 
本来、教師が教育のプロを目指すのであれば、
それは一人一人のよさを引き出し、
その子の持つ「良さ」の上に、人生を切り開く力を
授けることが必要になるわけで。
 
そこを置き去りにした現代日本の教育の矛盾を
ある意味で象徴しているのが、毎年春に行われる
「全国学力テスト」なのではないか・・・などと思うわけです。
 
 
教育に携わる身としては、子どもの学力、生きる力を
育んでいくことはもちろんですが、
「教育って、そもそもね」という問いかけと発信も
忘れずに続けて行きたいなと思うゴールデンウィークの1日でした。(^^)
 
では、みなさま、ステキなゴールデンウィークをお過ごしくださいませ。

モンスターペアレントと言えば…

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