新学習指導要領の成否のカギを握るのは○○!

たびたび話題に出している2020年以降に導入する学習指導要領。
 
中教審の教育課程部会が、指導要領改訂に関する審議まとめ案を了承したとのニュースが報じられました。
 
今回の目玉は、やはり「高大接続改革」につながる質的転換の部分だと考えていいでしょう。
 
教育の主眼を「何を教えるか」から「どう教えるか」にシフトすることを明確にしたわけです。
 
全教科にアクティブ・ラーニングを導入するとされており、今後、反転学習、アクティブ・ラーニングなどが、今後ますます話題の中心になってくるでしょうね。
 
これは間違いなくいいことなんですが、「失敗に終わりそうな未来」もリアルに見えているという、危ない博打に見えなくもありません。
 
内容ではなく「運用」にフォーカスするってことは、それを扱う教師、というかその先生の力量とセンス、努力の当たり外れで、身につく学力に差が付いてしまいそうです。
 
現在おこなわれているアクティブ・ラーニングも、本当に生徒が能動的に活動し、自ら学び、伸びていくような効果の上がる授業(それを指導している先生)が、どれだけある(いる)のか疑問です。
まだ「とりあえず教育委員会や、一部の学者団体が音頭を取ってモデルを見せている」段階であり、それがここの先生達の中に定着し、目の前の生徒達の個性に応じて工夫していくのには、習熟・熟成の期間を要するはずです。

まぁなにしろ「何を」から「どう」にシフトするということは、今回の教育改革の成否は、ずばり先生達のセンスと努力にかかっているってこと。
 
なんという乱暴な改革でしょう。(笑)
 
ゆとり教育の時には、その「先生達のセンスと努力」にかかっていたのに、そこをケアしなかったために、当然のように改革は失敗に終わりました。
 
今回は同じ轍を踏まない!という意志が明確になっているようで、たとえば福岡県では、教職員の給与を年功序列賃金から能力給に移行していく旨、すでに告知されています。(いつ、どういう形で正式に動き出すのか不明ですが…)
 
文科省を中心とする行政、政治が、今回の教育改革をどこまで本気でやるつもりかは、「どれだけ先生達を動かす施策を打ち出せるか」という部分に着目して計ることになります。
 
「努力しなくても身分が保障される」という保険を外してしまって、先生達お一人お一人に、サバイバルする覚悟を決めてもらうというのが、その究極のところ。
 
教壇に立つ先生方にとっても、文科省のお役人さんにとっても、なかなか大変なプレッシャーですよね。(^^;

 
 
しかし、こういう「先生のセンスと努力」なんていう不確定要素の強いところばかりに注力しないで、もっと絶対的なつめこみ不足にも目を向けていいのではないかと思うのですが、そこにはあまり光が当てられません。
 
例えば、今回の目玉でもある英語。
 
今回もいろいろ英語強化策が打ち出されていますし、必修単語数尾増えていますが、まだまだアジア諸国と比べると量が足りていない印象です。
 
下の資料は2007年に提出された教育再生懇談会会議の資料
中国・韓国・台湾との学習量の違いに呆然としてしまいます。
eigo-volume
 
漢字の学習もそう。
漢字を書かなくなった時代だからこそ、適切に使いこなせるだけの漢字力を、小学校時代に作っておかなければと思うのですが、文科省は義務教育で学ぶ漢字の文字数を増やすことには、あまり積極的ではありません。
 
今回、久しぶりに「都道府県名に使われる20文字」を小学校段階の必修漢字に加えたくらいです。

茨、媛、岡、潟、岐、熊、香、佐、埼、崎、滋、鹿、縄、井、沖、栃、奈、梨、阪、阜

早い段階で、多くの漢字、熟語を学ぶことで、学力の基礎である語彙が増えていくわけです。語彙が増えれば、当然、学ぶ力が上がります。これって学力向上にはすごく効果的な気がします。
 
もちろん量を増やすのであれば、その大前提として、従来の間違った学習法を改めて、効果的な学習法をちゃんと研究する必要はありますけどね。
 
ノウハウの確立していない、そして個人の力量に任される授業改革はなかなか大変だと思いますが、こういう「量」の指標は努力の方向性が分かりやすくていい気がします。このブログでも色々書いているように「効果的な学習法」は科学的に、かなりのレベルで完成されてきていますし。
 
 
いずれによせ、日本の将来を創る教育。
 
そのあり方を根本から問い直し、作り直そうとしているわけです。
その成否のカギを握る現役の先生方には、ますますがんばっていただきたいものです!

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