「公立小中 vs 私立小中」は「ぷっちんプリン vs モロゾフのしろいぷりん」か?

むかーしむかし。
 
「貧乏人は麦を食え!」的な発言をなさった政治家がおられまして。
 
今となっては麦ご飯というのは、栄養価の面から白米より推奨される存在!
 
なんとも、時代を先取りしたというか、健康意識を気遣う発言をなさったことかと、21世紀を生きる身としては、その意識の高さに拍手を送りたい気持ちで一杯になったりならなかったりする今日この頃です。
 
 
貧乏人は高い白米が買えないから麦ご飯を食す。
食した結果、健康長寿!
 
今は、お金持ちが雑穀とか麦飯とか食べてますから。
「選択肢の貴重な1つ」として。
 
 
これが「貧乏人はモロゾフをあきらめて、ぷっちんプリンで我慢しろ!」ということになるとどうなんでしょう?


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ま、嗜好品、贅沢品ですからね。
身の丈にあったものを購入して食していればよろしいわけで。
 
「モロゾフのしろいぷりんをお取り寄せしたければ、もっと稼ぎなさい」
 
そういう言い分には、誰も反論できないでしょう。
 
 
では、これが「貧乏人は私立学校なんぞあきらめて、公立学校に行っていればよろしい!」となると? 
 
そこで「イラッ」となるのはなぜでしょう?
 
モロゾフのしろいぷりんも私立学校も「嗜好品・贅沢品」扱いしていい?
 
もし嗜好品扱いしていいのであれば、「私立学校に子どもを行かせたければ、もっと稼ぎなさい」という言い分には一理あります。
そして「私立学校に子どもを行かせる人に就学支援なんてしなくていい」って言ってもいいでしょうね。
 
ぷっちんプリンがダメだってことはありませんが、材料のこだわりとか、いろいろ考えると格差はありますよね。
公立小中学校も、ぷっちんプリンと同じように「安物」で、私立小中学校はモロゾフ同様の「高級品」なんでしょうか。
 
 
公立学校優位の福岡で生活している身としては、「なんでわざわざ高いお金を払ってまで、私立学校に行かせるの?」って思いますよ。
関東地方って異常じゃない? とも。
 
子ども塾代のために毎月10万とか払ってるんだって!
しかも、私立小学校とか中学校の学費もバリ高いし!
 
そんな話は、井戸端会議で普通に語られ、一般に合意が得られるレベルの話です。
 
 
うーん。
 
 
なんでこんなことを言い出したかっていうと、今朝の日経新聞に「私立小中も授業料支援」って題した記事が掲載されたんですね。

文部科学省は来年度から、私立の小中学校に通う児童・生徒の一部に授業料を支援する方針を固めた。収入が一定水準より低い家庭が対象で、年10万ー14万円を支給する想定。

ツイッターとか眺めてると、批判的な意見(金持ち優遇とか優先順位が違うとか)もチラホラ出てます。
実は私も最初「なんで?」って疑問に思いました。
 
 
私の中に、プリン同様、「私立・公立に優劣がある」「私立は贅沢」っていう意識があったなって思ったわけです。
 
それで、ちゃんと考えてみようか、と。そういうわけ。
 
 
ちなみに高校では、私立・公立問わず、すでに授業料支援の制度(国+都道府県)があります。
 
それが非とされないのは、「私立・公立に優劣はない」ということを、みなが認めているからですよね。
むしろ「私立に、もっと援助を!」なんて声が上がるくらい。
 
もちろん、「公立高校の定員では、全高校生を受容できない」という前提があります。
 
 
でも小中学校は「義務教育」なので、全小中学生を受け容れるだけの校舎・教員が用意されています。
それでも私立を受験させるのは「特別な教育を受けさせたいから」という親の想いがあってのこと。
 
これって「贅沢」?
 
 
じゃ、もし授業料を全面的に支援して、私立と公立が同じ金額になったら、あなたはどちらに行かせますか?
 
「うちは、地元で、町の人の中で生活させたい」って思う人。
 
「いやいや、あの小学校の特色ある(ハイレベルな)授業を受けさせたい」って思う人。
 
いろいろ主義・主張というか好みによって分かれそうですよね。
 
ということは?
 
「私立は贅沢!」って思うとしたら、それは「公立は安いけど、内容はよくない」という認識があるってことかも知れません。
 
それが本当なら、それは私立の学校あるいは先生方の経営努力の賜かも知れません。
そして、公務員の先生方には経営努力が欠けているということかも知れません。
 
もし、公立の先生方が奮起して特色ある、進学実績も高い、地域に根ざした学校を作れたら?
 
喜んで公立に行かせませんか?
 
自由に選べるとしたら安い方がいいし、地元の人のご縁の中で育てたいって思うのも人情かな?
 
その上で、「うちは、あっちの教育方針が合うから!」とか、「うちは共学の学校より男子校で鍛えてもらいたい」なんていう多様性を認めた上での選択肢が増えていいのかも。
 
実際、最近増えつつある公立の小中一貫校・中高一貫校は私立を差し置いて人気ですもんね!
 
安い上に特色もあり、進学指導も充実しているって。
 
それって理想的な状況じゃありません?
贅沢とかではなく、自分の好みにあった学校を私立・公立問わず自由に選べるって。
 
 
ということは、「私立学校はぷっちんプリンかモロゾフのしろいぷりんか?」という問いはナンセンスなのかも知れませんね。
「なんで好きで私立に行く家庭に支援がいるの?」という批判も的外れかも。
 
この支援は「金持ち優遇」ととがめるべき案件ではなく、「特色ある私立学校優遇」であり、逆に「収入に関わりなく、誰でも希望すれば特色ある学校に行けるようにする」という公平性を高める案件ですよね。
 
「私立」といえども公的なお仕事なんですから。
 
文科省には「私立への就学援助はじゃんじゃんやってください。それと同じくらい、公立学校のレベルアップ支援・指導もじゃんじゃんやってください!」って言わなきゃ、ですね。(^^)

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フォーカス・リーディング主宰者

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