学校外の勉強時間増加はよい傾向か?

四方山話・コラム

2016.01.29の日経新聞朝刊にこんな記事が掲載されました。

学校外の勉強時間 高校生初の増加 小学生は最長
家庭や塾など学校外での学習時間が高校生は増加に転じ、小学生は過去最長になったことが28日、ベネッセ教育総合研究所(東京)の調査で分かった。
(中略)
同研究所は「『脱ゆとり』などで学校が指導を強め、宿題を増やしている側面が大きい」と分析している。

ポイントは2つあって、

  • 1.平日の学外での平均学習時間が小中高のすべてで増加している。
  • 2.その増加の中心は宿題である。

ということです。
 
ちなみに、どれくらい学習しているのかというデータはこんな感じ。

  • 小学生平均:95.8分(うち宿題が52.0% ←前回は44.7%)
  • 中学生平均:90.0分(うち宿題が50.3% ←前回は44.5%)
  • 高校生平均:84.4分

小学生が最長って、いったいどういうことなんだろう?と、ややいぶかしく思わなくもありませんが、「塾」があるとか、親も小学生時代まではそれなりにちゃんと「勉強しなさい」って言っているんだろうなとか、そんなところでしょうか。
 
高校生についてはこんなデータも。

「授業以外でほとんど勉強しない」が15年は14.8%と、前回より約10ポイント減った。

「平均」だけを見ても、あまりリアルな高校生の実態は伝わりませんね。
 
とはいえ、この「宿題をする時間の増加」という傾向は決して悪いことではないと思います。
 
以前、お茶の水女子大学の先生の寄稿文から「宿題」の効用について紹介したことがありますが、誰かの力に頼るのではなく、自分でがんばって課題をこなす取り組みは重要です。

ここで紹介しているデータにはこんなものがありました。

「自分で計画を立てて勉強をしている」、「学校の宿題をしている」、「学校の授業の 予習をしている」、「学校の授業の復習をしている」、「苦手な教科の勉強をしている」、「テストで間違えた問題について勉強している」の 6 つの変数のうち(中略)最も普遍的に学力に対してポジティブな効果のある学習方法は、「学校の宿題」であった。

もちろん、この「宿題増による学習時間の増加」が単に「量を増やしました」というだけであれば、先生の自己満足で終わり、本当の意味での学力アップにはつながりません。それでも、とりあえず「家で学習する習慣を作る」という「姿勢作り」につながるようであれば、それは素晴らしいことです。
 
あと、面白いデータも。

「お金持ちになる」ために学校の勉強が役立つと考えている小学生は57.8%だった。中学生が60.7%、高校生が66.8%で、いずれも前回より10ポイント以上増えた。
「いい大学を卒業すると幸せになれる」とする小中高生も5〜8割を占め、急増している。

なんなんでしょう。このよく分からない数値は。(笑)
 
もし、学校の先生が世の中の流れ、動きを知らず(あるいは意図的に無視して)「とにかく大学に行くことはいいことだ」として、学力調査の点数や、進学実績の数字を上げるためだけに、そんな刷り込みをしているとしたら、ちょっと怖いことですね。
 
実際のところ、大学を出ても、その投下金額や努力に見合う就職(賃金)が得られない可能性はどんどん大きくなっているわけですから。

もっと、子ども達にとって生涯役立つような本質的な知識、思考力、スキルあるいは「学び方そのもの」を教えること、自分の未来を大学卒業という資格に頼るのではなく、自力で切り開いていけるような「学ぶ力」、「自分を変える力」としての学力を養うことにつながる教育を目指さなければ!
 
未来はいつだって不透明で、未体験ゾーンってことに変わりありませんが、今の時代も、親や教師が手取足取り何かを与えて生き抜いていけるほど単純で、楽な時代・社会ではありませんからね。

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