10代の脳を理解すると「分かってて、何でできないの!」がなくなる?

うちの息子は小4、10歳です。
 
本やら事典やらを読むのが大好きなので、妙に頭でっかちです。
いわゆる「耳年増」的な感じ。
 
残念ながら私もそうでした…
「息子よ、お前もか」とDNAのパワー呪いたくなる気分です。(苦笑)
 
 
この「DNAだからしゃーない」というあきらめも、子育てには大切かなと思うんですよね。
 
大人になると自分の子どもの頃のことをついつい忘れてしまいがちですが、多分、子どもの頃をよくよく思い出せば「あー、自分も同じだったんだな」と許せる気持ちに、きっとなれますよ。(^^*
 
 
こういう「あー、○○だからしゃーないよね」というあきらめは、子どもへの正しい理解を可能にしてくれます。
 
何事においても「本当のこと」を知らないと、無駄に期待してしまい、期待と現実のギャップにストレス、苦しみを感じる原因となります。
 
仏教でも、「四苦八苦」のうち「生老病死」という根源的な四苦を除いた残りの四苦のうち3つは、こういう「真理への無知」から生まれると説かれています。
 
愛している人との別れの苦しみ(愛別離苦)。
嫌な人と会わざるを得ない苦しみ(恨憎会苦)。
欲しいのに得られない苦しみ(求不得苦)。
 
そういう真理に無知な状態が「無明」。
仏教では「あきらめる」とは「(真理を)明らめる」であり、諦(あきら)めるという言葉の「諦」という文字は「真理」を意味します。
 
 
「DNAだからしゃーない」の他にも、「ホルモンの作用だからしゃーない」という諦めも重要ですね。
 
子どもに対してというより、どちらかというと異性のパートナーへの諦めに有効でしょうか。(笑)
 
もう1つ、「子どもの脳はそういうものだからしゃーない」という「脳の発達段階」への理解も重要です。
 
昨年末に出版された『10代の脳』という本は、大人から見ると理解しがたい子ども不祥事案件でいうところの「あー、分かっている癖にどうしてやっちまうんだろうねー!」問題について、最先端の脳科学的知見から具体的に解説してくれています。
 
『10代の脳』
10代の脳
 

  • 頭で分かっているはずなのに、なぜか不合理な結論を出し、おかしな行動を取ってしまう。
  • 妙に反抗的だったり、言うことを聞けなかったりする。
  • 大人びた口の利き方をする割りに、妙にナイーブだったり、パニックになったりする。

そんな10代特有の問題を「脳の発達」という観点から、その対処法まで含めて、私たち大人に正しい知識と知恵を与えてくれます。
 
さらに、10代の学習・成長の特徴、「寝る子は育つ」といわれる睡眠の重要性、喫煙・飲酒・麻薬&危険ドラッグの与える重大なダメージなどについても、科学的なデータを示しながら分かりやすく解説してくれています。
 
なかでも注目すべきは「デジタル中毒」に関する話でしょう。
 
ニュースでもよく耳にする「SNSからの暴力事件」の問題、「ネットいじめからの自殺」の問題。
 
デジタル機器を付けっぱなしにして「マルチタスク」状態(勉強しながらスマホチェックなど)がADHD(注意欠陥多動性障害)やストレス増、あるいは鬱や不安症につながる危険性があることを指摘しています。
 
 
こういう子どもの脳のことについては、親もそうですが、教育に関わる人達は勉強をしておかなければなりませんね。
 
それは子どもに対して「真実を知ることで、心安らかに接することができる」だけでなく「何をしてやり、何をさせたらいけないのか」を科学的な観点から理解することにつながります。
 
今回ご紹介した本は、かなり学術的なもので、気軽に読める本ではありませんが、教育に携わる人、子どもの教育について十分な知識を手に入れたいと思う人には、ぜひ読んで欲しい一冊です。
 
『10代の脳』
10代の脳
 

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フォーカス・リーディング主宰者

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