「忘年会⇒後悔」から学ぶ、子どもへのリスクヘッジ教育

忘年会シーズン。
 
でも・・・
 
今年の総決算的な仕事と、
来年を見越した目標設定など
仕事上も、私的にも、
とても重要なシーズンでもありますよね。

 
子どもにとってもそう。
 
クリスマスあり。
お正月あり。
受験あり。
風邪引きあり。
インフルエンザあり。
 
 
忘年会やクリスマスが
どんなに重要なイベントでも、
それがあなたの仕事や人生にマイナスの
影響を与えるようではいけません。
 
もし、あなたが「あたたた、飲み過ぎた…orz」的な
小さな後悔を毎年繰り返しているようなら、
子どもには同じことをさせないように、
しつけを通じて「リスクヘッジ」の文化を
育んでやりましょう!

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「リスク」についての考え方


リスクは次の式で評価することができます。
 
リスク=発生可能性×影響の大きさ
 
影響が大きくても、
発生する可能性が低ければ、
備えも最小限でいい。
 
影響が小さくても、
発生する可能性・頻度が高ければ、
何らかの回避策が必要かも知れません。

なぜ人は「リスク」を安易にとってしまうのか?

私たちの脳は、
どうやら「目の前の現実」を重大にとらえ、
遠い未来に確実に起こるであろう現実を
低く評価しがちのようです。
 
例えば、寒い冬の朝に、布団から抜け出してジョギングする。

これには
 
「健康を維持し、スタイルに自信を持てる自分」
 
という遠い未来の(不確実な)メリットと、
 
「寒く、苦しい思いをする自分」
 
という確実に襲いかかるデメリット、
そして
 
「布団に入っていれば、心地よいまどろみに
 身を任せられる自分」

 
という今現在の確実なメリットと、
 
「痩せられず、何も変わらない自分」
 
という、切実さの低いデメリット…。
 
そんな、いくつものリターンの計算が働きます。
 
遠い未来の幸福(good)と、
目の前の幸福感(feeling good)
 
そして勝つのは、いつも目の前の幸福感(feeling good)
 
この「未来の価値(幸福)」を見通せず、
安易に「目の前の幸福感」に飛びついてしまう。
 
私たちはそのことで、
本来やるべきことをやれなかったり、
大事な目標を達成できなかったりします。

ここでは、それを「リスク」と呼ぶわけです。
 
結論から言ってしまえば、
実利(good)はどっちに?」という
クールな計算が働きさえすれば、
リスクに対処することが可能なんですが…ね。(^^;

どうしたらリスクを回避できるのか?

日常生活上のリスクの5タイプ

日常のリスクには次のような種類と性質(発生可能性・影響の大きさ)があります。

  • 1.人脈リスク 可能性:大 影響:中
    人とのつきあいの関係上、やむなく発生する自分の時間を奪われるリスク。
    ⇒【社会人】家族イベント、忘年会、ゴルフ、残業etc
     【子ども】家族イベント、友達とのパーティー・お泊まりetc
  • 2.誘惑リスク 可能性:大 影響:中
    大きな誘惑に負けて、「後先考えず」状態になるリスク。
    ⇒【社会人】漫画・ゲーム、テレビ、友人や異性との飲み会etc
     【子ども】漫画・ゲーム、テレビetc
  • 3.病気リスク 可能性:中 影響:中
    説明不要? 不摂生などがたたって活動不能状態になるリスク。
    ⇒【社会人】風邪・インフルエンザ、胃もたれ、二日酔いetc
     【子ども】風邪・インフルエンザetc
  • 4.事故リスク 可能性:小 影響:大
    自分の意志・意図に関わらず起こってしまうリスク。
    ⇒【社会人・子ども共通】交通事故、怪我etc
  • 5.災害リスク 可能性:極小 影響:極大
    地震、洪水、大雨、台風などで、通常の活動が完全に停止するリスク。
    ⇒【社会人・子ども共通】地震等天変地異、天候不順etc

まぁ、境界が曖昧な部分もありますが、
だいたいこんな感じ。

子どもに伝えたいリスクヘッジの3ステップ

『ビジョナリーカンパニー4』人生には確かなことは何もない。しかし、不確実な未来に備えて戦略を立てることはできる。運を管理することさえ可能だ。
── 『ビジョナリーカンパニー4』第7章 運の利益率(P.306)より

【0】目標の確認とやるべきことの設定

当たり前ですが、
実際にリスクが実際に起こり、
何かよろしくない事態になったとしても、
それが「問題」でなければ
気にする必要はありません。
 
何かを「やるべき」と思うから、
リスクを「問題」ととらえるわけです。
 
ですので、まずは
今、自分が何を目指していて、
何をやるべき、と思っていて、
その価値はどれくらいの大きさなのか、
そんなことをリアルに描いてみましょう。
 
それによって、
自分はどれくらい幸福になるのか?
家族はどれくらい喜んでくれるのか?
仲間はどれくらい祝福してくれるのか?
そんなことも。

【1】予測・計算

「未来」に手に入るメリット(good)と、
「今」の幸福感(feeling good)、
そして「今、何かをする」ことの面倒くささ(bad/feeling bad)。
 
すべてはこの比較計算です。
 
まずは起こりそうなリスク要因をピックアップ。
その上で、それらが自分の未来にどれくらい
ポジティブな影響を与えてくれるのか
冷静に計算しなければなりません。
 
単なる「幸福感(feeling good)」は
ポジティブな影響「ゼロ」という評価ですよ。当然。
(いい気分の酔っ払いをイメージすれば分かるはず!)
 
私のやっている目標設定講座では、
年間・月間の目標を立てるのとセットで、
必ず「やらないことリスト」と「劣後順位」を
紙に書き出してもらっています。
 
「今日、飲みに行かない?」
という突然のオファーは、
すごく魅力的に見えてしまいます。
 
だから、ちゃんとクールに計算できる時に
「それは劣後順にでいえば何番目か?」
紙に書き出し、
リスクに遭遇したときの、
未来の自分に教えてやるのです。
 
子どもにも、ちゃんと伝えましょう。

「安易に今の楽しみに手を伸ばすと、
 未来の楽しみが減るものなんだよ。」
 
「今におぼれると、
 未来を食いつぶす危険性があるんだよ。」

ってね。

【2】予防

上で分類した5つのリスクの内、
予防、つまり事前の取り組みによって
避けられるものとそうでないものがあります。
 
病気リスクは日頃の健康管理と
予防接種などで避けられます。

事故リスクは疲れ、寝不足など、
生活習慣のコントロールと、
事故に遭いにくい交通手段の選択など
回避策はいろいろ考えられます。
 
家族からの無理難題は、
日頃の家族とコミュニケーション、
パートナーや子どもへの気遣い、
あるいは目標の共有、
仕事に関する情報共有によって
相当なレベルで回避可能です。
 
これについては、こちらの記事もどうぞ。

[blogcard url=”https://www.kotonoba.jp/column/service-for-family/”]

基本的に「発生可能性:大−影響:小」のものは、
日頃の予防、ケアをしっかりとしておけば
防げるものですし、
起こったとしても被害を最小限に
抑えることが可能です。
 
もし「事前の予防策」に難しさを感じたり、
「起こるものだ」と考えるなら、
それを見越した上で
「問題が起こった後への対策」を打っておく、と。

【3】影響緩和

もし何かリスクが現実になったとしても、
その影響を最小限にとどめられるような
手を打つことが出来れば、
それは「問題」でなくなります。
 
1つには予防的にとる対策。
例えば「飲み過ぎる」ことを予測して、
・事前に液キャベやソルマックゴールドを飲む。
・翌日の仕事の負荷を下げておく。
・スケジュールに「余裕」を作っておく。
といった対策を打っておく、と。
 
もう1つはリスクの中身を考えて、
最も避けたい致命的な部分だけに対して
最大の策を打つ方法。
飲み会で時間をとられるのはしゃーとして
絶対に飲み過ぎないようにする、とか。

【番外】リターンの転換

「ピンチはチャンス」と言います。
 
リスクと思っていたことが、
実際に起こってしまったら、
そこでは、そのリスクを「好リターン」に
転換してしまうようなアクションが
求められます。
 
「起こってしまったこと」についての
最善の対処は、後悔ではなくマインドチェンジです。
 
「では、どうしよう?」という善後策。
 
あるいは
 
「起こったことはしゃーないから、
 ここからの行動で挽回しよう!」
 
という前向きな思考。

子どもにも、小さなイベントを通じて伝えよう!

以前、小4の息子が
 
「土日にまとめて勉強するから、
 今日はテレビ(ドラえもんの映画)を見ていい?」
 
と相談してきました。
 
「いいけど、ちゃんと土日できるの?」
 
と話していたのですが、
土曜日、友達の家に遊びに行ったら、
 
「○○君のお母さんに
 今日は泊まっていきなさいよ。
 そして日曜日、一緒に××に行こう!」
 
という、子どもにとって超魅力的なオファーが…
 
それについて、
子どもから(電話で)相談があったので、
いいよ、と許可を出した上で、
家に帰ってきてから、
ここまでに書いてきたような話をしました。
 
それ以降も、やはり時々同じような事態は
起こっています。
 
その時々、やるべきことをなーなーで
流してしまうことを許さず、
 
「今の自分の選択が、
 未来の自分に不利益をもたらすリスク」
 
を体感させるようにしています。
 
 
そして同時に、毎週末には
「来週のイベント」を確認させるようにし、
また、土日に素敵な「突然のオファー」が
あれば、それに飛びついていいように、
「今日やることを明日に延ばさない」という
自分ルールとして守らせるように
促しています。
 
もちろん、それを言う私自身が
そういう自分のマネジメント、
行動と目標達成のマネジメントを
しっかりやっている姿を「解説付き」で
見せるように心がけています。
 
 
この忘年会シーズン。
 
親自身の身の振り方を考えつつ、
それをネタにして、
ぜひお子さんと「人生のリスクヘッジ」について
語り合ってみてください。(^^*
 
そしてもちろん、
それを日々の躾の中に
上手に採り入れていきましょう!

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この記事を書いた人

フォーカス・リーディング主宰者

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